エルミタ的速攻撮って出しレビュー　Vol.66　極めて柔軟な発想から生み出されたSilverStoneの秀作「Fortress SST-FT03」レビュー

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エルミタ的速攻撮って出しレビュー　Vol.66
極めて柔軟な発想から生み出されたSilverStoneの秀作
「Fortress SST-FT03」レビュー

2010年12月30日 1:39
TEXT：GDM編集部松枝清顕

　2010年最後のエルミタ的速攻撮って出しレビューは、SilverStoneブランド期待のMicroATXケース「Fortress SST-FT03」シリーズ（以下：SST-FT03）をお届けしたい。

「COMPUTEX TAIPEI 2010」に登場した渾身の1台

　思えば6月に開催された「COMPUTEX TAIPEI 2010」の同社ブースに登場し、エルミタでもご紹介した注目のPCケースだが、半年の年月を経てようやく国内デビューと相成った。
　MicroATX対応でありながらPCケースの花形である数多くのATXケースを寄せ付けない独創的なデザインと構造は非常に興味深く、年末デビューでありながら2010年で1番の秀作となる可能性を秘めている。昨年からPCケースカテゴリで勢いづくSilverStone渾身の1台をじっくりチェックして行きたい。

｜「SST-FT03」とは「いったい何だ？？」

　今回の“撮って出し”は、これまでとは少々趣が違う。とは言えケース外観から内部、そして実際に組み込みを行って細部をチェックして行く手法に変わりはないが、実はこれを執筆している時点でレビュー用実機が手元に届いていないのである。製品が無い状態でレビューなどさすが無茶な話だが、そこは年末ならではのスケジュール。悠長に到着を待つ余裕はない。そこで手元にある資料と「COMPUTEX TAIPEI 2010」や10月9日CAFFE SOLARE（カフェソラーレ）LinuxCafe秋葉原で開催された「SilverStone 新製品発表会 2010秋」の会場で実際に製品に触れたエルミタ取材班の話を元に、「SST-FT03」とはいったいどんなPCケースなのか？を想像してみたい。しかしエライ事になった、、、

［COMPUTEX TAIPEI 2010］ SilverStoneブースに良さげな倒立型ケース登場。「RAVEN 3」もデビュー（2010/6/3）
http://www.gdm.or.jp/pressrelease/201006/03_01.html

誰が呼んだか“傘立て”や“ダストボックス”等とその愛称はさまざまな「Fortress SST-FT03」。確かにそれらにも見えるが、実際に目の当たりにするとどんな感じなのだろう、、、現段階では完全に想像の域の中

｜異形PCケース「SST-FT03」はどんな大きさなのか？

　「SST-FT03」は外観から本体サイズが極めて想像しにくい。ごく一般的なPCケースの縦横比であれば大凡の様子は分かるものの、このモデルだけは大きさはおろか、本体画像だけでは内部構造も皆目見当が付かない。これこそがまさに「SST-FT03」が注目を集める大きな魅力と言えるだろう。
　そこでここでは、昨年10月にレビューし、未だ人気の衰えないSilverStoneのフルタワーPCケース「RAVEN 2」（SST-RV02）を引き合いに、両者のサイズ比較を行ってみたい。

エルミタ的速攻撮って出しレビューVol.20 「RAVEN 2」（SST-RV02B-W）を徹底チェック（2009/10/23）
http://www.gdm.or.jp/review/silverstone/index_01.html

　改めてシルエットで見てみると、かなり異形である事が改めて分かるだろう。ちなみに横幅は「RAVEN 2」の212mmに対し「SST-FT03」は235mmと23mm幅広い。「SST-FT03」のマザーボードレイアウトは、I/O部をトップ面に向けた90度回転スタイルが採用されつつも接地面は通常のPCケースと変わり無い。ではなぜ大型PCケースである「RAVEN 2」よりも横幅が必要だったのか。それにはその他構成部品のレイアウトになんらかの秘密が隠されているからに違いない。


今年10月、SilverStoneインタビューのためにお邪魔した正規代理店・マスタードシード株式会社のオフィスでのショット。コーナーの隅に置いてみた「SST-FT03」は大型シュレッダーか空気清浄機といった出で立ち。トップパネルを外すとようやくPCである事が分かる

エルミタ的業界インタビュー「オピニオン」 Vol.1 注目の"倒立型PCケース"新作発売直前 SilverStone本社STAFFに聞く（2010/10/8）
http://www.gdm.or.jp/review/opinion/silverstone01/index_01.html

｜COMPUTEX初披露から改良が加えられた「SST-FT03」

よく見比べるとトップパネルに変更が加えられている事が分かる

　「SST-FT03」が初めて公開されたのは、今年6月に開催された「COMPUTEX TAIPEI 2010」の事。発売まで実に半年を要した注目のモデルだが、展示されていたプロトタイプと製品版をよく見比べるとトップパネル部に変更が加えられている事が分かる。さらに外形寸法も発表当時のプロトタイプ版ではW235×D483×H284mmとされていたものが、製品版ではW235×D487×H284とDepthが4mmほどアップされていた。
　この点について今年10月に行ったインタビューでもご登場頂いたSilverStoneのセールス主任・ViVi Tseng氏に詳細を確認してみたところ、以下のような回答を得ることができた。
　「COMPUTEXに展示したプロトタイプ版では、トップカバーのプラスチック部材が薄く、さらに通気孔が丸穴でした。これを量産モデルでは部材を厚くすることで強度を上げ、通気孔を菱形に改良し、より通気性が向上されています」との事。試行錯誤の末、満を持して製品化されたのが「SST-FT03」というワケだ。

・レビュー機材が手元にないままスタートした前途多難な今回の「撮って出し」。あれこれ思いを巡らしたが、次からはやっと編集部に到着した実機とご対面。ケース外観からいよいよ本格的にチェックを開始しよう。

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・外形寸法 W235×H487×D284mm
・素材外部アルミ（2.5mm厚）/本体スチール
・重量 6.7kg
・薄型光学ドライブベイ×1（スロットイン専用）
・3.5インチシャドウベイ×3
・2.5インチシャドウベイ×1
・拡張スロット×4
・電源オプション
・対応 MicroATX
・ファン
　トップ120mm（1200rpm/22dBA 80/92mmファン×1増設可能）
　CPUエリア120mm×1（1200rpm/22dBA）
　拡張カードエリア120mm×1（1200rpm/22dBA 80mmファン×2に換装可能）
・I/O USB3.0×2/音声入出力（HD Audio専用）
・代理店製品情報（SST-FT03B）
・代理店製品情報（SST-FT03S）