2015.10.20 11:57 更新
2015.10.20 取材
連日作業が進む外神田1丁目エリアの大規模再開発の影響で、いにしえの秋葉原を象徴する看板が姿を現した。古参の業界人にとっては懐かしい「三菱半導体」と「株式会社亜土電子工業」と書かれたレトロな看板に、思わず足を止めてしまった人もいるだろう。
7月11日や8月29日付けの記事でもお伝えした外神田1丁目エリアの大規模再開発。旧ヤマギワビル解体用の保護シートが取り払われたその後に、思いもよらぬレトロな看板広告が姿を現した。白地で長方形の看板には、黄色の帯部分に「株式会社亜土電子工業」の文字。新しく生まれ変わる再開発の過程で、古きよき秋葉原がひととき息を吹き返した。
10月いっぱいで解体作業が終了する旧ヤマギワビルは1983年オープン。看板がヤマギワ建設前に設置されたものだとすれば、実に30年以上を経て再び姿を現したことになる |
そのレトロな看板に深く関係しているのが、「T-ZONE」だ。
今は無き「T-ZONE」、その母体となっていたのが、株式会社亜土電子工業と株式会社トヨムラの事業提携だ。その後、故・大川氏率いるCSKの傘下、大型店舗「T-ZONEミナミ」や短命だった「AKIBA PLACE」など、T-ZONEは秋葉原に数々の足跡を残し、2010年11月「T-ZONE PC DIY SHOP」の閉店により、ブランドは消滅した。
「オリオスペック」の前から中央通り方面を眺める。遠くには「秋葉原ダイビル」が見える |
看板が掲げられているのは、旧ヤマギワビルに隣接していた「宝ビル」(東京都千代田区外神田1-5-7)。「テクノハウス東映」にほど近く、現在は「秋葉原忍術道場 不忍カフェ sinobazu(二号店)」などがあり、1階部分は「三月兎2号店」が9月に閉店したばかり。さらに、さかのぼること十数年前には「T-ZONEアップグレードギャラリー」という自作パーツの専門店があった。
かつてこの場所には「T-ZONEアップグレードギャラリー」(1999年7月閉店)があった。「入社して初めて働いた場所」という某店ベテランスタッフに話を聞いたところ、「当時の事をいろいろと思い出します」と感慨深い様子だった |
文: GDM編集部 Tawashi