2015.11.09 00:01 更新
2015.11.09 取材
自作派たちの周りで発掘された、懐かしのPCパーツを紹介する「懐かしのPCパーツ図鑑」。3回目に登場するのは、1999年の自作市場を席巻した“下駄”の代表作、ASUS製のSlot 1→Socket 370変換アダプタ「S370」だ。発掘してくれたのは、BUY MORE秋葉原本店のベテランスタッフ田子さん。
自宅の物置を漁っていたら、またえらいモノが出てきました。15年前に購入した、ASUS製のSlot 1→Socket 370変換アダプタ「S370」です。正直、当時の記憶がほとんどないのですが、メインのマザーボードがASUS「P2B-F」だったのは確かですので、「S370」と組み合わせて使っていたのでしょう。
ASUS製のSlot 1→Socket 370変換アダプタ「S370」。REV 1.01と記載されている。当時の価格は約3,000円 | |
基板裏面。ジャンパ設定によりCPU電圧を1.80V~2.60Vまで調整できる |
CPUが付いているみたいなので、15年ぶりに外してみましょうか。それにしても・・・固いですね。いまさら壊れる心配もありませんので少々強引にいきます。CPUクーラーとはガッツリ一体化していますが、「S370」からは外れました。CPUは「Celeron 400MHz」ですね。
少々強引にドライバーを突っ込み、15年ぶりに外すとIntel純正の小型CPUクーラーが装着されていた。TDPは23.7Wとされているので、これで十分であった |
こうしてみると、恥ずかしいくらいベタな構成です。当時オーバークロックができるCPUとして人気のMendocino版「Celeron 400MHz」に、Intel 440BXチップセットを採用した名機「P2B-F」という組み合わせ。先日、このコーナーでも紹介されていた「Pentium II」が買えればいいですが、やはり予算の壁があったのでしょう。ちなみに、オーバークロックをして遊んだ記憶はないので、定格で使っていたのだと思います。
Mendocino版「Celeron 400MHz」のお出まし。初代の「Celeron 300A」から始まり、爆発的にヒットしたシリーズだった |
店員としての記憶はよく覚えています。Slot 1→Socket 370変換アダプタは、マザーボードメーカーがこぞって発売していました。そこで流行ったのが、CeleronをデュアルCPU化する改造。変換アダプタ基板上のジャンパ設定を行う事で、簡単にCeleronをSlot 1のデュアル対応マザーで使えたというものです。中にはMSI「MS-6905」のようにジャンパ設定不要でデュアル動作を可能にしたモデルもありました。入荷する端から売れたものです。
ASUSの「S370」は、ほかにジャンパ設定不要でデュアル動作を可能にした「S370-D」も販売されていた |
そして、Dual Celeronブームの最終形態と呼べるのがABITから発売された「BP6」。若いユーザーさんはググりましょう。Socket 370を2つ搭載したMendocinoコアCeleron専用という、今ではあり得ないマザーボード。Intelはよく発売を許しましたね。いい時代でした。
眺めているだけでも懐かしいSocket 370。右端にはジャンパピンが用意されている |
とにかく、このマザーとCeleronを2つ購入されるお客様がこれでもかといたのを強烈に覚えています。あれほどDual CPUの自作PCが売れたのは、後にも先にもあの時だけでしょう。いやぁ懐かしい。誰かがこのコーナーで紹介してくれるのを待っていますよ。
文: GDM編集部 Tawashi
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