2017.09.06 19:49 更新
2017.09.06 取材
株式会社ロジクール(本社:東京都港区)は2017年9月6日、快適性にこだわったハイエンドトラックボール「MX ERGO」を発表した。実に7年ぶりの投入となった、トラックボーラー待望の新製品。考え抜かれたエルゴ形状に最新の技術を詰め込んだ注目作、予習を済ませて月末の発売を待とう。
トラックボールの老舗でもある、ロジクールの名作たちも会場に勢揃い。2010年に発売された「M570」から数えて、実に7年ぶりに新モデルが投入されることになった |
疲れにくい独特の操作感や占有面積の少なさといったメリットもあり、いまだに根強いファンを抱えるトラックボール。ロジクールはこの分野における老舗であり、特に2010年に発売されたワイヤレスのエントリーモデル「M570」は、多くのユーザーを獲得する大ヒット作になった。
それから実に7年ぶりとなるこのタイミングで、注目の新製品が発表。しかもロジクール最高峰のマウスシリーズである「MX」シリーズにラインナップされ、デザインや質感、ディテールを含め妥協なしに開発が進められたという。長年のトラックボーラーをも唸らせる、最上位クラスの高級モデルが久しぶりに登場することになった。
製品紹介を担当した、ロジクールのクラスターカテゴリマネージャーの榊山大蔵氏。軽妙な解説からトラックボール愛が伝わってくる |
「IFAに行っても見れない」という、開発中に作られたモックアップの数々も持ち込まれた。これら多数の選択肢から、最適な角度やボディ形状が選ばれたというワケだ |
ロジクール最上位の「MX」シリーズから登場する、ハイエンドトラックボールの「MX ERGO」。伝統の親指ボールデザインで、トップにはグリップ良好なラバーコートが施されている |
ロジクールが「世のトラックボーラーの想いを集めた」と謳う、新しいハイエンドトラックボールが「ロジクール ワイヤレストラックボール MX ERGO」(型番:MXTB1s)だ。UnifyingとBluetoothに両対応するワイヤレスモデルで、「究極の快適性と操作性」を目指したという、こだわり抜かれたエルゴノミクスデザインが採用されている。
人間の手が最もリラックスできる形状を追求した結果、辿り着いたのが「握手をする角度」。さらにその角度をベースに通常の使い慣れた使用感との両立を考えた結果、20°の傾斜角をもつボディ形状が完成した。手のひら全体に力が分散することで手首や前腕がリラックス、一般的なマウスとの比較でも筋緊張が20%軽減されるという。
ちなみにこの傾斜角は、底面のメタルプレートを調整して0°にすることもできる。好みに応じた使い分けができるというワケだ。
開発において最も注力したのが、“快適さを極める”ためのボディ形状。リラックスできる握手の角度をベースにして、20°傾斜の角度が採用された |
言わずと知れた大定番のエントリーモデル「M570」との比較。大きさはそれほど変わっていないように見えるが、その角度はかなりの違いがある |
底面にマグネットで強力に取り付けられているメタルプレート。これを動かすことで、傾斜を0°にすることも可能だ |
ボタン数は、2つのサイドボタンを含め全8ボタンを搭載。ホイールは、要望の多かった左右チルトに対応する「プレシジョンホイール」が採用された。なお、「M570」でボタンが壊れやすいという声があったことから、左右クリックボタンは耐久性を大幅に強化。1,000万回耐久(「M570」は300万回)のスイッチが搭載されている。
センサー方式は「アドバンス オプティカル トラッキング」を採用。解像度は320~440dpiで、側面の「プレシジョンモードボタン」による超低解像度の精密操作にも対応する。
従来から大幅に耐久性を増した左右クリックボタンをはじめ、全8ボタンを実装。ホイールも待望の左右チルトに対応した |
親指操作の小径ボールと、精密操作用の「プレシジョンモードボタン」をサイドに実装。ちなみにボールは取り外して手軽にメンテナンスできる |
また、ワイヤレスモデルで弱点になりがちなバッテリー性能もイマドキ仕様に。1回の満充電で最長4ヶ月使用できるほか、急速充電機能によりわずか1分で約1日分(約8時間)を素早く充電できる。
接続インターフェイスは前述の通り、Unifyingによる2.4GHzワイヤレスとBluetooth Low Energyに対応。接続先をワンタッチで切り替えられる「Easy-Switch」のほか、デバイス間で自由にファイル移動ができる「Logicool Flow」もサポートする。
市場想定売価は税抜12,880円とさすがの貫禄で、発売は9月22日を予定。なお、これまで製品への付属のみだったUnifyingレシーバーも税抜1,130円で単体発売が開始される。
製品リリースと同時に公開された、ユーティリティの「Logicool Options」。ボタンやトラッキング速度、ジェスチャーなどをまとめてカスタマイズできる |
文: エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
株式会社ロジクール: https://www.logicool.co.jp/