2020.05.01 12:00 更新
2020.04.30 配信
開発コードネーム「Comet Lake-S」こと、Intelの新メインストリーム向けCPU「第10世代Intel Coreプロセッサ」が発表された。
製造プロセスは従来と同じ14nmながら、コア数はこれまでの最高8コア/16スレッドから最高10コア/20スレッドに拡張。また上位モデルでは、これまでCore Xのみ対応していた「Turbo Boost Max 3.0」をサポートする他、冷却性能や電力に余裕がある場合にクロックをさらに高めることができる「Thermal Velocity Boost」機能も新たに追加。これにより、シングルコアでは最高5.30GHz、全コアでも最高4.90GHzの高クロック動作が可能になるという。
CPUの性能に直接関係ないアップデートで目立つのは、2.5ギガビットLAN「Intel I225」や、高速無線LAN「Intel Wi-Fi 6 AX201」への対応だ |
一方で消費電力も増加しているようで、Intelのメインストリーム向けCPUでは長らく変更がなかったTDPは、これまでの最大95Wから最大125Wへと30Wも上昇。冷却についてはこれまで以上に気をつける必要がありそうだ。
またCPUソケットもこれまでのLGA1151からLGA1200に変更され、従来のプラットフォームとの互換性はなくなっている。それに伴いチップセットも刷新され、コンシューマ向けにはオーバークロックに対応するIntel Z490を筆頭に、Intel H470、Intel B460、Intel H410が用意される。
Intel Z490のブロックダイアグラム図。PCI-Expressはこれまでと同じ3.0で、CPUに16レーン、チップセットには最高で24レーン搭載する |
なおCPUクーラーホール設計には変更がないため、冷却性能さえ十分ならCPUクーラーは従来のものがそのまま流用できる。
さてここからは各シリーズごとのラインナップを確認していこう。最上位となるCore i9シリーズは、倍率ロックフリーのCore i9-10900K/KFを筆頭に5モデルがラインナップ。TDPはK/KFは125Wと高いものの、無印とTに関してはそれぞれ65Wと35Wで、これまでと同じ。コア数は10コア/20スレッドで、Core i9-10900T以外のモデルは「Thermal Velocity Boost」に対応。またメモリもDDR4-2933へと高速化されている。
Core i7シリーズは、全てのモデルが8コア/16スレッドに対応。こちらも倍率ロックフリーのK/KFのTDPは125Wだが、無印とTに関してはこれまでと同じ65Wと35W
で、K/KF以外なら従来の冷却システムが流用できるだろう。なお「Thermal Velocity Boost」には非対応で、最高クロックは5.10GHzまでになる。
Core i5シリーズは、倍率ロックフリーのCore i5-10600K/KFを筆頭に計9モデルがラインナップ。これまで非対応だったHyper Threadingが解禁され、全モデル6コア/12スレッドなのが大きな特徴だ。ただしCore i9/i7シリーズと異なりメモリの対応はDDR4-2666までとなる。
また下位モデルのCore i5-10500/10400では、CPUクロックだけでなく、GPUクロックも若干引き下げられているため、内蔵グラフィックスを使う予定なら注意が必要だ。
Core i3シリーズは、Core i3-10320を筆頭に5モデルがラインナップ。コア数は全モデル4コア/8スレッドで、内蔵グラフィックスを省略したFモデルは用意されていない。また下位モデルでは、キャッシュ容量や内蔵グラフィックスのクロックにも差があるので、選択するときは注意してほしい。
Pentium GoldシリーズおよびCeleron Gシリーズについては、従来モデルからコア数に変更はなし。またTurbo Boost機能についてもこれまで同様非対応。Core i3シリーズとの差はこれまで以上に大きく、よほどコストを重視するのでなければあまり選ぶメリットはないだろう。
文: エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
Intel Corporation: http://www.intel.com/