エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.751
2019.07.07 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
ASRock「X570 Taichi」 市場想定売価税抜38,800円(2019年7月7日発売) 製品情報(ASRock) |
「COMPUTEX TAIPEI 2019」に合わせて行われた新製品発表会で、ベールを脱いだASRockのAMD X570マザーボード。ASRock史上初となるフルカバーウォーターブロックを標準装備したフラッグシップ「X570 AQUA」を筆頭に、ハイエンド3モデル、メインストリーム2モデル、スタンダード3モデル、Mini-ITX 1モデルというバランスの取れたラインナップが揃っている。
ASRockのAMD X570マザーボードでは、最低でも10フェーズの電源回路や大型のヒートシンクを備えるなど、すべての製品で電源回路と冷却にこだわった設計が特徴だ |
メインストリーム向けでは史上最高となる16コア/32スレッドのメニーコアCPUを安定動作させるため、電源回路には最低でも10フェーズ、上位モデルでは14フェーズにおよぶ高効率電源回路を搭載。さらにMOSFETの熱をすばやく放熱する大型ヒートシンクや、小型ファンを搭載したチップセットヒートシンク、PCI-Express4.0のNVMe M.2 SSDにも対応する高冷却ヒートシンクなど、すべてのモデルが冷却にこだわり設計されているのも大きな特徴だ。
計10モデルがラインナップするASRockのAMD X570搭載マザーボード。フラッグシップの「X570 AQUA」とMini-ITXの「X570 Phantom Gaming-ITX/TB3」はやや遅れての投入になるとのこと |
ASRockのAMD X570マザーボードの中でもハイエンド帯に位置づけられる「X570 Taichi」。電源は同クラス最高峰の14フェーズデジタル回路で、「Dr.MOS」を始めとした厳選したパーツのみを採用。さらにヒートパイプで連結された2ブロックの大型ヒートシンクや、8+4pinの「高密度電源コネクタ」を組み合わせることで、定格運用はもちろん第3世代Ryzenシリーズのオーバークロックにも耐えられる設計とした。
厳選したパーツによる14フェーズ回路をデジタルPWMで制御することで、最高クラスの電力供給が可能になるという |
第3世代Ryzenに合わせて発表された新チップセットAMD X570。最近の製品では珍しく、チップセットの冷却にはファン付きヒートシンクを搭載 |
またPCI-Express4.0接続のM.2 SSDに対応する「Hyper M.2」、NVMe M.2 SSDのヒートシンクも兼ねた、基板下半分を覆う「Heatsink Armor」、PCケースに合わせて細かく位置を調整できる一体型I/Oポート「Flexible Integrated I/O Shield」、大型のCPUクーラーやグラフィックスカードによる基板の歪みを防止する「Metal Backplate」、最大2.4Gbpsの高速転送に対応するWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)無線LANなど、ハイエンドモデルらしく最先端の機能が満載だ。
基板下半分を覆う「Heatsink Armor」。チップセットファンからの風も有効に活用することで、PCI-Express4.0接続になり発熱が増えたNVMe M.2 SSDを強力に冷却する |
その他、アドレス指定も可能なLEDイルミネーション「Polychrome RGB」や、重量級のグラフィックスカードを支える「PCI-E Steel Slot」、リアインターフェイス部分を保護する「I/O Armor」など、従来からの機能も継承され、ハイエンドマザーボードに求められる機能についてはほぼ全て網羅されている。
基板裏面には、Taichiシリーズおなじみのギアをモチーフにしたメタルプレート「Metal Backplate」を搭載 |
一方で、同じハイエンド帯の「X570 Creator」「X570 Phantom Gaming X」と比較すると、10/2.5ギガビットの高速有線LANや、Thunderbolt 3など、やや特殊な機能を敢えて省略。可能な限り価格を抑えることで、「Taichi」シリーズのメインコンセプトであるコストパフォーマンスも追求しているワケだ。