エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.798
2019.11.19 更新
文:撮影・エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
“硬派なFractal Design”から、魅せるPCを意識したアドレサブルRGBファン搭載のミドルタワーPCケース「Define S2 Vision RGB」が発売されたのは今年6月のこと。誰でも手軽に購入できる価格帯ではないだけに、爆発的大ヒットとはならないまでも、Fractal Designらしい丁寧な設計と洗練された魅せ方は、概ね好意的に受け入れられた。そして今回の主役である「Vector RS」は、アドレサブルRGB対応ストリップを標準装備。フロントパネルからトップパネルまで鮮やかなラインを描き、「Define S2 Vision RGB」とはまた違ったアプローチで、魅せるPC構築のベースモデルを完成させた。
そしてこの手のPCケースには欠かせない強化ガラスをフロント、トップ、左サイドパネルの3面に使用。特徴的な鋭角デザインと相まって、単なる”装飾用窓”に留まらず、ライバルを寄せ付けない独自の世界を作り出している。素材の使い分けは「Vector RS」の外観における最大の特徴と言えるだろう。
国内市場では2019年10月4日より販売がスタートした「Vector RS」には、2種類が用意されている。ラインナップを確認すると、今回検証で取り上げるのは「Vector RS – Blackout TG」(型番:FD-C-VER1A-01)で、強化ガラス製左サイドパネル色が「ライト」と呼ばれるタイプが採用されている。もう一方の「Vector RS – Blackout Dark TG」(型番:FD-C-VER1A-02)は、強化ガラス製左サイドパネル色が「ダーク」仕様だ。もう少し分かりやすく説明すると、ライトは薄い色付き、ダークは濃い色付きとなり、それ以外に違いはない。
Fractal Design「Vector RS – Blackout TG」(型番:FD-C-VER1A-01) 市場想定売価税抜27,000円(2019年10月4日発売) 製品情報(Fractal Design / 株式会社アスク) |
Fractal Design「Vector RS – Blackout Dark TG」(型番:FD-C-VER1A-02) 市場想定売価税抜27,000円(2019年10月4日発売) 製品情報(Fractal Design / 株式会社アスク) |
なおガラスパネル色の違いによる価格差は無く、市場想定売価は税抜で各27,000円に設定されている。今年7月にレビューを行った「Define R6 USB-C」(型番:FD-CA-DEF-R6C-BK)の市場想定売価は税抜18,980円(発売当時)である事を考えると、「Vector RS」は「Define」シリーズより上位クラスのプロダクトである事がお分かり頂けるだろう。
実機に触れる前に、スペック表から大まかに「Vector RS」を読み解いてみよう。対応フォームファクタはATX、MicroATX、Mini-ITXのミドルタワーで、幅285mmまでの制限付きながらE-ATXもサポートしている。素材はシャーシ等の主要部分がスチール製、副素材にABS樹脂、さらにドレスアップ目的から強化ガラスも使用されている。
外形寸法は幅233mm、奥行き552mm、高さ498mmで、重量は12.64kg。ミドルタワーPCケースの10kg超えは、エントリークラスとは違う剛性の高さと、しっかりとした作りが期待できそうだ。この後は国内代理店の株式会社アスク(本社:東京都千代田区)より借り受けた評価サンプルをパッケージから取り出し、検証を開始しよう。