エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.14
2009.07.29 更新
文:テクニカルライター Jo_kubota
CORSAIR「CMPSU-750HXJP」基本製品データ | |
出力:750W 80PLUS SILVER認証 規格:ATX12V v2.3 及び EPS12V 2.91 搭載ファン:140mmダブルボールベアリングファン(温度可変) 保護回路:過電圧保護(OVP)、過電流保護(OCP)、過負荷保護(OPP)、ショート回路保護(SCP)、低電圧保護(UVP) 安全性許認可:UL, CUL, CE, CB, FCC Class B, TUV, CCC, C-tick サイズ:150(幅)×180(奥行)×86(高)mm 重量:2.4kg 保証:7年間 NVIDIA SLI/ATI CrossFire対応 MTBF:100,000時間 発売日:2009年7月25日 店頭想定売価:24,800円前後 |
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製品情報(正規代理店:株式会社リンクスインターナショナル) http://www.links.co.jp/items/corsair-power/cmpsu750hxjp.html |
ハイエンド電源をここ最近、精力的にリリースしているCorsairから、80PLUS SILVER認証を受けた「CMPSU-750HXJP」が発売となった。当初、本製品は80PLUS GOLD認証を取得したと、事前にアナウンスされていたが、発売にあたりSILVER認証となった。これは、検証に使用した個体が、80PLUS GOLDレベルの品質を持っていたためだが、元々は80PLUS SILVER認証を基準に開発した電源ユニットであり、全ての個体で80PLUS GOLDをクリアできる確証がないため、80PLUS GOLD認証から80PLUS SILVERに変更することになったようだ。
ということは、個体差はあるものの、80PLUS GOLDをクリアできる個体が存在ということでもある。
さて、80PLUSロゴの意味は、それぞれ下記の通りとなる。
負荷率20% |
87%
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85%
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82%
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80%
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負荷率50% |
90%
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88%
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85%
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80%
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負荷率100% |
87%
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85%
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82%
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80%
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GOLDとSILVERの違いは、全域で2%。たった2%なのだが、この2%を上げるのは非常に大変なのである。
市販されている汎用の部品を使ってスイッチング電源を作ると、負荷率40~80%程度のときの効率を80%前後にするのは比較的容易なのだが、負荷率40%以下、あるいは80%以上の負荷になると、途端に効率が落ちてしまう。
そこで問われるのが各メーカーの電源の設計力だ。特にSILVERのように全域で85%を超える効率を実現するには、PWM制御を駆使した設計が必要だ。そしてGOLDを達成するためには、各部品の精度が問題になってくる。一般的に電源に使われる電子部品は、コストを下げるためにある程度の誤差を許容している。その誤差を限りなく排除することで、効率を上げることはできるが、当然コストは劇的に跳ね上がる。そのコストを抑えるために、部品レベルの誤差を許容できる設計が求められる、という堂々巡りを繰り返してGOLDを達成することができるのだ。
80PLUS SILVERを実現できるということは、当然、全製品、それを確実に上回る品質が求められるわけで、中に80PLUS GOLDを達成できる製品があってもおかしくないわけだ。Corsairが、一旦、80PLUS GOLDを受け入れたのも無理はないと言えるだろう。
CMPSU-750HXJの12Vはシングルレールで62Aに対応し、最大で744Wまで供給できる。+5VSBも3Aと十分だ |