2012.09.28 11:27 更新
2012.09.28 取材
いつも通りに取材で訪れたテクノハウス東映にて、何やらカウンターの中でコソコソと細長い箱をしまおうとしている金子さんに遭遇。尋ねてみると、なんと入荷したばかりの新商品らしい。しかし挙動がおかしい同氏を問い詰めたところ、どうも単に自分が欲しくて仕入れただけで、入荷したのもこの1つのようだ。さて、本日(驚き呆れつつも)ご紹介するアイテムの名は、ZALMANから新発売のメカニカルキーボード「ZM-K500」。はー、メカキーってことはCherryスイッチかな?と思いきや、『Kailh』ってなんだろう・・・?
「いや、この後ちゃんとお客さん用にも仕入れるつもりなんですって。あくまでコレは取材対応用のサンプルというか、なんというか・・・ちゃんとこの後でご説明しますから勘弁して下さい。何しろちょっとばかり珍しい仕様のキーボードなんで、代理店から案内が来た時から気になってたんですよ。ホラ、今箱から出しますから一緒に見てみましょう。(よし、これで共犯だな)
オホン、まぁパッと見はテンキーレスの英語キーボードですね。ただしこの製品、搭載されているメカニカルスイッチに秘密があるんです。昨今のメカニカルキーボードで主流なのは何と言ってもCherry製スイッチですが、コイツには『Kailh』っていうメーカーのスイッチが採用されてるんですよ。さて、それではご開帳・・・と、中にはなんとCherryの赤軸が!・・・いやいや、これがKailhスイッチなんです。これまたパッと見はCherryスイッチを逆さまにつけただけ、ところが実際に押してみると違いに気が付くはずです。スイッチ自体はクリック感のない、いわゆるリニアスイッチと呼ばれるものですが、Cherryのリニアスイッチのどれとも異なる押し心地なんですよ。荷重的には重めのCherry黒軸と軽めのCherry赤軸の間くらいと言ったところで、さらにはやや粘りのある独特の打鍵感が実に気持ちいい。黒軸は重すぎるけど赤軸じゃあ逆に軽すぎる・・・という方には最適でしょうか。それにこれまでCherryのリニアスイッチをよく使ってきた、という人にも一度触って違いを体感して欲しいですね。
総じて好印象なキーボードなんですが、強いていえばホットキーがいらなかったかな、と多少残念ではあります。そこを削ってファンクションキーを間隔空けて配置して欲しかったなと。でも一番のトピックはこのスイッチなので、そのくらいは妥協しちゃいます。あとこれは入荷後に気付いたんですが、スイッチがマウントされているオレンジ部分は鉄板なんですよ。しかもかなりガッシリしてそう。個人的にキーボードはしっかり打鍵するために重ければ重いほどいいと思ってるので、これは嬉しいポイントです。もし私と同じようにこのキーボードが気になったという方はどんどん店頭までお問い合わせください!・・・ちょっと、いつまで触ってるんですか。それ私のなんですからね。」
早速購入者第2号となるべく、発注を依頼してお店を後にするエルミタ取材班でありました。
ちなみにこのスイッチの荷重はメーカー公称で50g。約60gと重めの黒軸と約40gの赤軸のまさに間に位置する押下特性で、このくらいの“ちょうど良さ”を求めていた人は(恐らく)多いはず。さらにシャープなストロークのCherryとはやや異なり、少しばかり粘るような独特の打鍵感は金子さん同様に好印象。この感触はむしろCherry好きにこそ触ってほしい、そんな感想だった。
文: GDM編集部 絵踏 一
テクノハウス東映: https://www.gdm.or.jp/shop/tech-toei/