2012.10.27 03:40 更新
2012.10.26 取材
10月26日(金)から発売が開始されたWindows 8。タブレット寄りのOSというイメージから、自作派からの前評判は必ずしも良いものではなかったが、自作業界関係者の大方の予想に反し、深夜販売&イベントは大盛況のうちに幕を閉じた。その一方で、主要PCパーツメーカーの多くが本拠地を置く隣国台湾では大方の予想通り、静かなデビューとなったようだ。本稿ではエルミタ台湾特派員による、10月26日の台湾・光華商場の様子をお届けしよう。
台湾の自作マニアからは、日本で慣例的に行われる深夜販売がたいへん奇妙に映るらしい。昨夜行われたWindows 8 発売記念イベント&深夜販売の模様は台湾でもFacebookやtwitterで話題になっていたが、「まず台湾では考えられない」という。ちなみにマイクロソフトの母国・アメリカではCEOのスティーブ・バルマー氏が登場し、ニューヨーク市内では前夜祭が盛大に行われたようだが、さて台湾ではどんな幕開けとなったのだろう。そこでエルミタ台湾STAFFはWindows 8 発売当日の10月26日(金)、気になる“台湾の秋葉原”光華商場を取材した。
光華商場に着くと、Windows 8 のイメージカラー風に塗装された国籍不明のバスが用意されており、この中にWindows 8 の体験スペースが設けられていた。どうやらこれがイベント会場らしい。
バスを改造したようなデモ車。外にはWindows 8 のロゴ入りTシャツを着た関係者が、エンドユーザーをお出迎え。昨夜の深夜販売イベントとは大違いで、なんともラフな“発売記念イベント”だ |
狭いバスの中に入ると、そこにはWindows 8 がインストールされたタブレット端末やUltrabookのデモ機が数台用意されており、来場者は自由にWindows 8 を体験できる。ちなみに台湾でもSONY VAIOは比較的人気だが、やはりacerなどの“国産モデル”にも根強い人気があるという。
そこはバスの改造車。決して広くない車内には、所狭しとデモ機が陳列されている |
車内ではデモ機に触れる体験コーナーや、Windows 8 対応状況などが紹介されていた。平日の昼間だけに、“すし詰め”という事はなかった |
Windows 8 体験後に進呈されるお土産。中身を早速確認すると、Windows 8 の詳細が記された冊子(中国語)と、ロゴ入り付箋だった |
主要PCパーツメーカーが本拠地を構える台湾。深夜販売とはいわないまでも、Windows 8 デビューの盛り上がりは今ひとつ。さらに驚くことに、Windows 8 自体、多くのPCパーツショップでは在庫を持っていなかった。
取材を進めていくうちに分かったのは、多くのショップでは模様眺めの状態で、台湾自作ユーザーからのリクエストも少ないという。日本の自作ユーザーに比べ、製品の価格にシビアな傾向にあり、新製品に飛びつくという考え方も一部を除いて希だときく。ことWindows 8 は、タブレット端末やタッチスクリーン搭載のノートPC等のユーザーにより特化されたOS。台湾のネット世論の中では、デスクトップPCはWindows 7、新規購入のタブレットはWindows 8 と、発売前からより明確に切り分けがされている印象が強い。
打線がつながらず、“ひとつ置きにヒットを飛ばす”と揶揄される中、華々しくデビューした新OS Windows 8。発売初日とはいえ、高い機能性とは裏腹に、どうやら台湾自作派の琴線には触れられなかったようだ。
Windows 7 購入者(2012年6月2日~2013年1月31日まで)対象のいわゆる“優待割引”は万国共通。価格は439元(約1,200円)。ちなみに単体価格はWindows 8 Proが4,750元(約13,000円)、Windows 8 DSP版が3,650元(約1,0000円)、Windows 8 Pro アップグレード版が2,199元(約6,000円) |
文: GDM編集部(台湾) 陳俊晧 / 松枝 清顕