2012.11.22 02:53 更新
2012.11.21 取材
MSI(本社:台湾)国内正規代理店の株式会社マイルストーン(本社:東京都千代田区)は2012年11月21日、都内某所にてハイパフォーマンスを誇るゲーミングノートPCの新モデルをお披露目する、メディア向け発表会を開催した。
ノートPCをとはいえ、登場したのはCore i7やGeForce GTX 680Mを搭載するフラッグシップモデルや、Radeon HD 7970M搭載の多画面出力モデルなど、いずれも並のデスクトップPCをはるかに凌駕するハイエンドマシン。年内の市場投入を今かと待ち受ける“ツワモノ”たちが一堂に並んだ会場の様子をお伝えしていこう。
製品の解説セッションを担当した手島智幸氏。新モデルの注目ポイントにSSD RAID構成の高速なストレージ環境をアピールしていた | |
MSI本社より、ノート部門のボス、Manager NB Channel APECのGrant Huang氏も来日。進行はマーケティングスペシャリストのYichun Chen氏が担当した |
新製品が並んだ会場では、解説セッションを担当した株式会社マイルストーン手島氏の解説により、持ち込まれた4製品が次々と披露。デスクトップPCに勝るとも劣らない高いパフォーマンスがアピールされたCPUやGPUはもちろん、MSI製品で特に魅力的とされたのが強力なストレージ。上位モデルは内部に特殊モジュールを組み込んで128GBのmSATA SSDをRAID構成で搭載、最大読込900MB/sの圧倒的なアクセス速度を実現している。ロード時間短縮は快適プレイの重要な要素だけに、ゲームユーザーならCPUやGPU性能に並んで重視したいポイントだ。
SteelSeries製の高品位キーボードなど、周辺デバイスも充実。キーボードはソフト制御によりイルミネーション機能が楽しめる |
また、目に見えるスペックのみならず、ゲーム環境を支える周辺デバイスの充実ぶりも見逃せない。その代表格が、今回発表の全モデルが共通で採用するSteelSeries製の高品質なアイソレーションキーボードだ。一般的にストロークが浅くなりがちなノートPCにおいて上質な打鍵感を確保。さらにWindowsキーを右側配置にしたり、タッチパッド無効化スイッチを実装するなどゲーマーにとってありがたい配慮が随所に見られる。また、ネットワークアダプタにはゲーマー御用達の“Killer NIC”こと「Killer E2200」が標準搭載される。
Core i7とGTX 680M、RAID構成のストレージを組み合わせるモンスターノート「GT70」。フルHD対応の17.3インチアンチグレア液晶を採用する |
MSIが世界市場で主力商品の一つと位置付けるノートPCラインナップの最高峰モデル、それがこの「GT70」だ。Core i7-3630QM(4コア/8スレッド/定格時2.4GHz/TB時3.4GHz/L3キャッシュ6MB)とNVIDIAのモバイル向けハイエンドGPU GeForce GTX 680Mを組み合わせたパワフル構成。システムドライブはもちろん128GB mSATA×2の超高速なRAIDユニットで、データドライブには別途750GBのHDDを実装する。メモリは4GB×4の16GBと、こちらもデスクトップ顔負けの大容量を搭載する。
また、DYNAUDIO製のサウンドユニットを搭載し、迫力ある音響効果が楽しめるという贅沢な特徴も。アンプ内蔵の外部音声出力も合わせて装備するため、ヘッドセットを使用するユーザーも満足できるだろう。さらに、ゲームパフォーマンスをアップさせるブーストボタンや、優れた冷却機構をフル稼働させる「Cooler Boost」ボタンを搭載するなど、ギミック面でも見所満載だ。
アルマイト加工が施されたシックな佇まい。DYNAUDIO製の7.1ch対応サラウンドで迫力あるゲームサウンドが楽しめる |
ちなみにこのフルスペック状態のモデルの予価は219,800円とさすがに貫禄十分。ただし、メーカー担当者によればストレージをHDDに、メモリを4GB×2構成にスペックダウンしたモデルも179,800円ほどで展開するとのこと。こちらのモデルは、自分の好みに合わせてカスタマイズしたいという自作知識豊富なパワーユーザー向けになるという。
「GT70」のカッコよすぎるカラバリモデル。パフォーマンス面で違いはないものの、高級感を増した外観とレア度が魅力。生産数は極少量だ |
そしてこの真紅の装束を身にまとったゴージャスな製品は、「GT70」の限定モデルとなる「GT70 Dragon Edition」。その名の通りアルマイト加工が施されたフレームに赤い竜がデザインされ、注目度は抜群だ。ただし担当者によれば「国内では2ケタ出回るかどうか分からない」とのことで、レア度は極めて高い。ちなみにデザイン以外の基本スペックは「GT70」と同一。外見だけでなく性能面でも最高峰のウルトラハイエンドモデルといえる。
赤と黒のコントラストが美しい“Dragon Edition”。天板だけでなく、パームレスト部分にも竜の装飾が施される |
Core i7-3630QMとミドルレンジGPU GTX 660Mを搭載する17.3インチノート「GE70」。上位モデルより多少スペックは落ちるが、その分軽量で扱いやすい |
さて、お次はパフォーマンスモデルに位置づけられる「GE70」をご紹介。CPUは上位モデルと同じCore i7-3630QM(4コア/8スレッド/定格時2.4GHz/TB時3.4GHz/L3キャッシュ6MB)を採用する一方で、GPUはミドルレンジのGeForce GTX 660Mが搭載される。ストレージは128GB mSATA SSD×1と750GB HDDのハイブリッド構成で、メモリ容量も4GB×2に抑えられている。ただし一回り大人しくなったとはいえパフォーマンスは高く、ハイエンドなゲーミングノートとして十分な活躍が期待できる。むしろ上位の「GT70」より1kgあまり軽量という身軽さを生かし、部屋を飛び出してLANパーティなどに連れ歩きたいモデルといえる。
DYNAUDIO製ではないものの、優秀なサウンドユニットを搭載する。スピーカーも4ch(5.1chバーチャル)を実装するなど、バランスのいいモデルという印象だ |
会場唯一のAMD環境モデルに加え、3画面出力という目立つデモが行われていた「GX60」。フルHD対応の15.6インチアンチグレア液晶が採用される |
そしてこちらは、恐らく会場内で一番目立っていたであろう「GX60」。今回発表された4製品の中で唯一AMDプラットフォームを採用するモデルで、CPUはA10-4600M(2.3GHz)、GPUにRadeon HD 7970Mを搭載。AMDのEyefinityテクノロジにより、Mini DisplayPort、HDMI、D-Subの3系統を使用した3画面出力に対応するのが最大の特徴。会場内でもナナオ製の液晶ディスプレイを3面並べたゲーミングデモが行われ、一際注目を集めていた。
CPUこそ多少力不足なものの、Radeon HD 7970MやSSD RAIDなど魅力的なパフォーマンスをもつ。やはり一番の魅力はMini DisplayPort、HDMI、D-Sub3系統による多画面出力か |
なお、ストレージは128GB mSATA SSD×2のRAID構成と750GB HDDを搭載。メモリは4GB×2を実装する。担当者によれば、GeForce GTX 675Mとの比較で高い性能をより安価に提供できるという強みもあるようだ。
会場内にひっそり置かれ、質問も不可という「S」シリーズなど。いまだ開発中のES品で、来年登場予定とのこと。こちらもいずれご紹介したい |
文: GDM編集部 絵踏 一
株式会社マイルストーン: http://www.milestone-net.co.jp/
エムエスアイコンピュータージャパン株式会社: http://jp.msi.com/