2013.01.16 00:00 更新
2013.01.15 取材
台南・高雄。山あり港ありの風光明媚な台湾第2の都市にも、光華商場的なコンピューター市場があるのをご存じだろうか。今回は台北市に拠点を置くエルミタ台湾STAFFが高雄まで足を伸ばし、普段紹介されない違った台湾の一面をご紹介しよう。
島嶼国・台湾は大きく3つの地域に分ける事ができる。主要都市であるお馴染み台北、台中、そして今回エルミタ台湾STAFFが訪れた台湾第2の都市・高雄。実はここ台南・高雄には、光華商場顔負けのコンピューター街が存在する。台湾取材と言えば光華商場が定番だが、毛色を変え、台湾の懐の深さをご紹介していこう。
台湾STAFFが利用したのは、2008年3月9日に開業した、高雄捷運(高雄地下鉄)。これまで高雄住民の“足”といえば、バイクが圧倒的多数。なかば地元住民の反対を押し切っての運行開始に、高雄の人々からは「意地でも乗らない」という意見も多数あったらしい。ただし現在では徐々に高雄住民の生活にも馴染んできたものの、営業は2路線のみ |
台北の電車に比べると、ややスペースが狭い印象の高雄捷運車内。広告を見ると、先日もご紹介した台湾1番人気のスマートフォンHTC「Butterfly」が目立つ。ちなみに台湾の電車は飲食禁止なのでご注意を |
高雄捷運の2路線を使い、ようやく高雄駅に到着。高雄駅は高雄市の中心駅で、台北方面からの台鉄(台湾鉄道:指定席)と長距離高速バスの多くは、ここが終点。“五鉄”(地下鉄・台湾高鉄=台湾新幹線・台鉄=台湾鉄道・高速バス・路線バス)の台北駅に比べ、ひとつ少ない“四鉄”といったところ。日本人でも利用者が多い台湾新幹線はまだ開通していないが、将来的には台北と高雄が結ばれる予定だとか。
現在の高雄駅は新駅舎。1940年に建てられた旧駅舎は、帝冠様式の由緒ある建物。重要文化財に指定されており、現在は資料館として親しまれている。ちなみに台北よりも南に位置する高雄は、この日気温は22℃で暖かかった |
高雄駅旧駅舎から歩くこと約5分。そこに広がるのは「高雄建国コンピューター街」(建國電腦街)。台北の光華商場さながらの「3C」(Computer、Communication、Consumer-Electronics)エリアに到着。確かに街並みは「八德商圈」にどこか似ており、約850mに広がる店舗街は、デジカメ、ゲーム、PCがなんでも揃う。
「高雄建国コンピューター街」(建國電腦街)は、台南の人々にとって「3C」関連製品がなんでも揃う街として真っ先に思い浮かべるエリアだ |
まず最初に目に付くのは、デジタルカメラ店。CanonやNikonなどの専門店も軒を連ねている。店内を覗くと、一眼やコンデジが所狭しと並べられており、値引き交渉まっ最中の熱心なお客の姿もちらほら。
毎年この時期は旧正月に向け新調しておこうという人が多く、さしずめ“台湾人の行事”と化しているという |
さらに歩くと、AcerやSONY VAIO、LeovoなどノートPC関連の看板が目に付くようになる。ちなみに「高雄建国コンピューター街」へ多くの人々が集まるのは、製品を購入するだけでなく各メーカーのサービスセンターが集中していることもその要因 |
「高雄建国コンピューター街」といえば、なんと言っても「建國電腦商場」が花形。台北の「光華商場」さながらの位置付けで、台南の自作ファンの間では親しまれている。ただしネット通販の影響もあり、最近では売上に影響が出ているという |
光華商場との違いは、店舗面積が広いところ。PCケース等の大型製品も種類豊富に展示ができ、ゆったりと買い物ができる |
「建國電腦商場」界隈は、“最盛期の秋葉原”のような雰囲気があった。店舗前のアーケードを使って、その場で組み込みを行うことは日常茶飯事。傍らで完成を待ち、スクーターに乗せて持ち帰る風景は、光華商場にはないのんびりとした時間が流れていた。
文: GDM編集部 林 毅翔(台湾) / 松枝 清顕