2013.05.02 00:01 更新
2013.05.02 取材
GIGABYTE TECHNOLOGY(本社:台湾)、および日本支社である日本ギガバイト株式会社(本社:東京都千代田区)は4月某日、台湾本社と日本国内において、メディア向けイベントを開催。今後発売が予定されているとする新型ゲーミングマザーボード「G1.Sniper 5」を中心に、多数の新製品をお披露目した。解禁前の製品だけに、厳しい撮影制限の中での取材となったが、今回はその模様をお伝えしよう。
GIGABYTE台湾本社と日本支社で行われた、最新マザーボードのお披露目イベント。本社スタッフが「販売解禁時からズラリとラインナップを揃える」と豪語するだけあって、新機種投入前の意気込みが十分に伝わる内容となった。ここからは台湾本社と日本国内で行われたメディア向けイベントの模様をご紹介しよう。
まずはゲーミングモデルでお馴染みの「G1.Sniper」シリーズから、ATXフォームファクタ採用モデルの「G1.Sniper 5」とMicroATXフォームファクタ採用モデルの「G1.Sniper M5」。いずれもオペアンプが交換できるギミックが特徴。後ほど詳細をお届けする。
ATXモデル「G1.Sniper 5」 | MicroATXモデル「G1.Sniper M5」 |
さらにブラックとオレンジのカラーリングが特徴的で、オーバークロックに特化した「GA-Z87X-OC」、スタンダード向け上位モデル「GA-Z87X-UD5H」、ミドルレンジモデル「GA-Z87X-UD4H」、人気の”UD3”型番を引き継ぐ「GA-Z87X-UD3H」も公開された。ちなみに今回お披露目された製品は、いずれもサンプル版。実際に発売される製品版は、外観およびスペックが異なる可能性もあるとのこと。
ブラックとオレンジに色分けされたオーバークロックモデル「GA-Z87X-OC」。OCボタン、BIOSスイッチ等の機能がずらりと並ぶ | かなり変則的なバックパネルインターフェイス。特許出願中の新機能ボタンも用意される |
合計10ポートのSATAやデュアルギガビットLANなど、拡張性にこだわったスタンダード向け上位モデル「GA-Z87X-UD5H」 |
「GA-Z87X-UD5H」と同じく16フェーズの電源回路を実装するスタンダード向けミドルレンジ「GA-Z87X-UD4H」 |
人気のUD3型番を引き継ぐ「GA-Z87X-UD3H」。オンボードグラフィックスでの運用も考え、DisplayPort、HDMI、DVI、D-Subの4系統のディスプレイ出力を搭載する |
日本と台湾の2箇所で行われたメディア向けイベント。いずれも話題の中心はオーディオ用オペアンプを交換できる次世代ゲーミングマザーボード「G1.Sniper 5」と「G1.Sniper M5」だ。PC用サウンドチップの性能向上に伴ない、ハイエンド向けサウンドカードやUSB DACを中心に、オペアンプ交換に対応する製品は存在する。しかしマザーボードではおそらく初めての試みとなる。
これまでの「G1.Sniper」シリーズと同じ、オーディオ向けコンデンサを搭載するサウンド回路。なお既存モデルで採用されていた金属製のシールドは廃止され、緑に発光するLEDライン「Audio Noise Guard」により分離されている |
ソケット式のオペアンプスロット。製品付属のIC Extractorを使えば簡単にオペアンプを抜き挿し交換できる |
またオペアンプの機能を最大限に発揮できるよう、サウンド周りが充実しているのも特徴。オーディオコントローラは、クリエイティブのクアッドコアプロセッサ「CA0132」で、オーディオ回路には専用コンデンサを搭載。さらにコネクタ部には、酸化に強い金メッキが施され、長期使用でも電気伝導率の低下を防ぐことができる。実際、オペアンプの交換に先立ち行われた「GA-Z77N-WIFI」(Realtek「ALC892」搭載)との音質比較では、筆者の耳でも十分その違いを確認することができた。
オーディオポートとグラフィックスポートは酸化に強い金メッキ仕様。ちなみにオペアンプを使用する場合、スピーカーは右下(光オーディオ端子の右)の端子に接続する |
続いて行われた、オペアンプの音質デモでは、オペアンプなし、標準オペアンプ「OPA2134」、高級オペアンプ「OPA2111」の3種類で音質を比較。エントリー向けスピーカー、GIGABYTE「GP-S2000」では、比較的違いは小さいながらも、「OPA2134」は中音域の音色がより明瞭に感じた。一方、スピーカーをミドルレンジクラスのCreative「GigaWorks T40 Series II」に変更すると、その違いがハッキリと分かる。特に「OPA2111」は高音域の明瞭な音抜けと低音域の音の厚みが大きく向上し、同じPCで再生しているとは思えないほど音質が改善された。
ソケット式オペアンプスロットを採用。製品付属のIC Extractorを使えば簡単に交換できる |
ちなみに、担当者によると「G1.Sniper 5」および「G1.Sniper M5」に標準で搭載されるオペアンプは「OPA2134」。マザーボードのパッケージに同梱されるアップグレードキットには交換用として「LM4562NA」と交換時に使用するIC Extractorが付属され、購入後、すぐに音質変化を楽しむことができるとのこと。定評のあるオペアンプでも数百円から購入できるため、あれこれ買い揃え、好みのサウンドを追求してみるといった楽しみ方ができる。
マザーボードのパッケージに標準で付属するアップグレードキット。従来製品にはなかった新しい試みとして注目のギミックといえそうだ |
なお「G1.Sniper 5」はPCI-Expressブリッジチップ「PLX8747」を実装し、最大4-Wayまでのマルチグラフィックスがサポートされる |
台北市内にあるGIGABYTE TECHNOLOGYの本社。日本のユーザーでも遠くから一目でそれと分かるお馴染みのロゴが出迎えてくれる |
お伝えしてきた通り、今回のイベントは台湾・台北市にあるGIGABYTE TECHNOLOGYの本社と日本支社である日本ギガバイト株式会社の2カ所で行われた。特に台湾本社は開発の最前線だけに、厳しい撮影制限があるものの、担当者の了解を得た興味深い本社内部の様子を紹介しよう。
地上10階地下3階のGIGABYTE本社ビル。各階のエレベーターホールにはGIGABYTEのパネルが掲げられている |
「研測中心」は研究開発や検証を行うラボラトリー。特に社内でも特に厳しい撮影制限が課せられている。右の画像はマザーボードの耐久実験を行うラボの入口 |
こちらは騒音テストを行う実験室(画像左)。創業以来のマザーボードが一堂に展示されるスペースもある |
フロアの奥にある、OC専用ラボは、OCマザーボードシリーズのイメージカラーであるオレンジが基調 | 「どうしてもうまくOCできない!」そんなときにのための、リラックススペースも併設 |
必要な機材がなんでも揃う、OC専用のブースは複数用意されている。もちろん極冷用の液体窒素だって使いたい放題 |
文: GDM編集部 Tawashi/池西 樹
GIGABYTE TECHNOLOGY: http://www.gigabyte.com/
日本ギガバイト株式会社: http://www.gigabyte.jp/