2013.05.25 03:02 更新
2013.05.24 取材
ASRock Incorporation(本社:台湾)国内正規代理店のマスタードシード株式会社(本社:東京都品川区)は2013年5月24日、メディア向けに「ASRock新マザーボード説明会」を開催した。会場には、未発表のチップセットを搭載したマザーボードが一同に展示され、おなじみの台湾本社マーケティング本部長Chris Lee氏が新機能について詳細な解説を行った。
ASRockの新マザーボードのコンセプトは「A-STYLE」。これまでのパフォーマンス至上主義から脱却し、接続性と利便性、さらにサウンド機能など、日常PCを使う上での「快適さ」を重視した設計が特徴だ。
ワイヤレスLAN機能はすべてIEEE 802.11acに準拠。これまでのIEEE 802.11nに比べて3倍近い高速転送を実現する |
接続性については、ごく一部のローエンドモデルを除き、すべての製品でIntel製ギガビットLANを標準装備。さらにワイヤレス機能を最新規格IEEE 802.11ac対応にすることで、ネットワークアクセス性能が向上され、複数の処理でも快適なアクセスを可能にした。
PCをモバイル端末から遠隔操作できる「Home Cloud」機能。搭載するネットワークチップによってダウンロードソフトが異なる点には注意が必要 |
またスマートフォンやタブレットなどモバイル端末からPCを遠隔操作できる「Home Clould」機能を追加。これによりPCに保存している動画や音楽ファイルに対してどこからでも自由にアクセスできるようになり、PCを家庭内メディアハブとして利用できる。
Realtek「ALC1150」、TI製オーディオアンプ「NE5532」で構成されたオーディオ回路。「ALC1150」にはEMIノイズシールドが搭載されている |
サウンド機能については、SN比115dBのRealtek製オーディオチップ「ALC1150」とTI製オーディオアンプ「NE5532」で構成された「Purity Sound」を新たに搭載。既存のオーディオコーデック+コンデンサの組み合わせよりロスが少なく、音源に忠実な再生が可能。また専用アンプ実装により、最大600Ωのハイインピーダンスヘッドフォンにも対応する。
PCをHDMIセレクターとして利用できる「HDMI IN」機能。対応機種には入力専用のHDMI端子が用意される |
利便性ではHDMI入力をパススルー表示できる「HDMI IN」機能が注目だ。最近ではゲーム機を初め、スマートフォンやタブレットでもHDMIやMHL端子が用意され、大画面出力を楽しむ環境が整ってきている。「HDMI IN」機能を使うことで、HDMI端子が1系統しかないディスプレイでもケーブルを抜き差しすることなく、ホットキー操作で出力映像を切り替えることができる。
続いて国内登場予定の展示マザーボードについて、画像で紹介していくことにしよう。ちなみに新マザーボードでもシリーズ構成は変わりなく、オーバークロック向け「OC Formula」、ゲーマー向け「Fatal1ty」、スタンダード向けハイエンド「Extreme」、ミドルレンジ「Pro」、ローエンド「無印」、「Mini-ITX」の6シリーズが展開される。
Nich Shih氏が開発を手がけたオーバークロック向けE-ATXマザーボード「Z87 OC Formula」。なお今回は展示が間に合わなかったが、MicroATXの「Z87M OC Formula」も登場予定 |
新機能として、各種クロック、温度、電圧等をデジタル表示できるStatus OLEDを搭載する | 電源回路の冷却には水冷・空冷ハイブリッドヒートシンクを搭載 |
「Z87 OC Formula」では、基板上に独自コーティングを施すことで完全防水を実現しており、極冷時でも結露のための養生は必要ない |
ゲーマー向け「Fatal1ty」シリーズの上位モデル「Z87 Professional」。新シリーズで唯一オーディオコントローラにCreative「Sound Core3D」を搭載する |
「Fatal1ty」シリーズの下位モデル「Z87 Performance」。サウンドチップにはスタンダードモデルと同じRealtek「ALC1150」を搭載する |
Intel製ギガビットLANをデュアル構成で搭載した上位モデル「Z87 Extreme6」。デュアルスタックMOSFETの12フェーズ電源回路を搭載し、オーバークロック向けとしても十分な性能を備える。ちなみに今回からスタンダードモデルのパッケージはすべて「A-Style」デザインに変更された |
最も売れ筋の「Extreme 4」型番を受け継ぐ「Z87 Extreme4」。標準MOSFETながら、こちらも12フェーズ構成の電源回路を搭載する |
スタンダード向けMicroATXマザーボードの最上位モデル「Z87M Extreme4」。電源フェーズが8フェーズへと削減されるが、それ以外は「Z87 Extreme4」とほぼ同等の性能を備えている |
「Extreme」シリーズの廉価モデル「Z87 Extreme3」。電源回路は8フェーズ構成で、サウンドチップはRealtek「ALC 892」を搭載する |
「Pro」シリーズのATXマザーボード「Z87 Pro4」(左上)、「Z87 Pro3」(右上)、「H87 Pro4」(左下)。いずれもIntel製ギガビットLANを搭載する |
「Pro」シリーズのMicroATXマザーボードは「Z87M Pro4」(左上)、「H87M Pro4」(右上)、「B85M Pro4」(左下)の3機種。こちらもすべてのモデルにIntel製ギガビットLANが実装される |
Qualcomm製ギガビットLANを搭載するローエンドモデル「B85M」 |
「Mini-ITX」シリーズは「Z87E-ITX」(上)を筆頭に、「H87M-ITX」(左下)、 「B85M-ITX」(右下)の3機種展開。最上位モデル「Z87E-ITX」は、IEEE 802.11ac対応無線LANや6ポートのSATA3.0を搭載し、かなりハイエンド志向な製品に仕上がっている |
文: GDM編集部 池西 樹
マスタードシード株式会社: http://www.mustardseed.co.jp/
ASRock Incorporation: http://www.asrock.com/