2013.06.07 02:24 更新
2013.06.06 取材
COMPUTEXでは、見知らぬ土地の路地裏に迷い込んだような場所で、思わぬ発見がある。コンシューマ市場では聞き慣れないメーカーが軒を連ねる一角で発見した、実に興味深い冷却器メーカーAPISTEK(本社:台湾)のブースへご案内しよう。
APISTEKをご存じだろうか。自作コンシューマ市場では聞き慣れないメーカーだが、ブースを覗いてみると実に馴染み深いパーツが数多く展示されている。
冷却機器メーカーのAPISTEKは、名だたる多くのPCパーツメーカーとパートナーシップを結び、特別にデザインされたヒートシンクの数々を供給。たとえばマザーボードのソケット周りに搭載される、ヒートパイプ付ヒートシンクや、グラフィックスカードのヒートシンク等も手掛け、自作派なら知らぬ間にAPISTEK製品を所有しているというワケだ。
マザーボードのソケット回りに搭載される、ヒートシンクの数々。どれも見覚えのあるデザインだが、いずれもAPISTEK製なのだ |
これまで”裏方仕事”を得意としてきたAPISTEKは、コンシューマ市場への参入を画策しているようだ。その象徴的なモデルが、円柱型ヒートシンクを採用した水冷ユニット「Water Reserator Cooler」だ。
筒状のヒートシンクはタンクをも兼ね、下部に内蔵されたポンプにより冷却水が循環。補助的役割として、”両腕”には120mm口径ファン計4基が装着されている。
なおこのモデルは現時点、コンセプト段階とのことだが、ご覧の通り完成度は高い。
外形寸法は、直径120mm、高さ370mm。両腕の冷却ファン用ステイを含めた最大幅は200mmとなり、画像でみるよりも現物は小ぶり |
ブースの隅に置かれた円柱は、展示会用のオブジェでもなければ、防犯ゲートでもない。自作の世界が長い人には、実に懐かしく感じるであろう、ZALMAN「RESERATOR 1」風の水冷ユニットだ。
過去の資料を紐解くと、ZALMAN「RESERATOR 1」は、直径150mm、高さ592mmの巨大なタワーだったが、APISTEKに展示されていたそれは、直径120mm、高さ800mmで、直径こそ30mmサイズダウンながら、高さはプラス208mm。自立させるためのスタンドはやや”とってつけた感”が漂うものの、そこはご愛嬌。こちらはサンプルではなく製品版で、担当者曰く、100ドル以下で販売できるという。
なおAPISTEKは現在国内代理店を募集中。COMPUTEXも残り僅か。興味のある業界関係者は、朝イチでブースへ。
東京スカイツリー開業1年も過ぎただけに、コラボレーション品としてもピッタリ。ちなみにこの製品も「Water Reserator Cooler」という名前が付けられている |
文: GDM編集部 松枝 清顕
APISTEK Technology: http://www.apistek.com.cn/