2013.06.07 15:46 更新
2013.06.07 取材
In Win Development(本社:台湾)がエライことになっている。以前検証した「D-Frame」や「H-Frame」など、相次ぐ斬新な製品のリリースから「何処へ行くIn Win」と思わせたが、これが迷走ではなく”本気”だった。多くの人を惹きつけた今回の新作も注目せずにはいられない。
In Win最大の目玉は、なんといってもガラス製パネルと、アルミニウムフレームで構成された、フルタワーPCケース「Tou」だ。ブースのランドマーク的存在で、道行く来場者の足を止めた美しい筐体は、PCケースの新たな可能性を市場に問う渾身のモデルといえる。
これまでのPCケースの常識を覆したフルタワーPCケース「Tou」 |
外装パネルの強化ガラスは3mm厚。本体をじっくり眺めると、成形に制限のあるガラス素材を巧みにカットすることで、曲面風フォルムを作り上げることに成功。単なる平面を真四角に組み上げただけの単純なモデルではない事が分かる。
通常のPCケースが「建売住宅」ならこのモデルは「デザイナーズマンション」といったところ。どこをとっても美しい |
特徴は外観だけに留まらない。フロントパネルに目を移すと、ボトム部にはスイッチパネル類が集約されている。これはタッチパネルユニットなのだ。通常PCケースは機械的なプッシュ式スイッチだが、スマートフォンやタブレットの普及により、タッチパネルに違和感を覚える人はもはやいない。時代の流れがPCケースにまで浸食してきた、象徴的なギミックといえるだろう。
タッチパネル部をよく見ると、左寄り2つに謎のアイコンが確認できる |
タッチパネル部の左側2か所にあるアイコンは、内部LEDの発光・消灯のON/OFFスイッチにあたる。画像では分かりにくいが、発光にすることでPCケースの内部が透けて見える「スケルトン」タイプに。消灯にすることで、「ミラー」タイプに切り替えることができる。おおよそPCケースの設計担当者だけでは思い浮かばないギミックは、多くの人々を驚かせていた。
消灯時は鏡のように表面が輝き、発光時は内部が透けて見える驚きのギミック。PCケースの概念にとらわれないIn Winの独自路線は、今後も自作業界に新たな風を送り続けてくれることだろう。なお発売は今年の夏を目途に、約800ドルが想定されているとのこと |
対応フォームファクタはATX、MicroATXで、ドライブベイレイアウトは5.25インチ×1、2.5インチシャドウベイ×2、3.5インチシャドウベイ×3。冷却機構はフロント120mm口径×1、トップ120mm口径×3で、240~360mmサイズのラジエターが搭載できる。
文: GDM編集部 松枝 清顕
In Win Development: http://www.inwin-style.com/