2013.06.29 21:58 更新
2013.06.29 取材
ASRock Incorporation(本社:台湾)国内正規代理店のマスタードシード株式会社(本社:東京都品川区)は2013年6月29日、Intel 8シリーズ対応製品を一同に集めた、ユーザー参加型イベント「ASRock A-STYLE マザーボード体験会」を開催した。
イベントでは、COMPUTEX TAIPEI 2013よろしく、Intel 8シリーズチップセット搭載マザーボードをずらり展示。また、解説セッションでは、ASRock台湾本社マーケティング本部長Chris Lee氏も駆けつけ、国内初披露となる新製品の魅力をタップリと語ってくれた。
国内未発売の製品に触れられる貴重な機会ということもあり、アキバナビスペース1Fの特設会場には多くのユーザーが足を運んでいた |
製品の解説を行なってくれたのは、ASRock台湾本社マーケティング本部長Chris Lee氏 | 司会進行と通訳を担当したのは、マスタードシード株式会社マーケティング部高橋氏 |
W372×L400×H123mmのコンパクトサイズを実現したゲーミングベアボーン「M8」。日本ではあまり馴染みがないが、海外ではPCを持ち寄ってゲームを楽しむLANパーティ用として、小型ゲーミングPCの需要は高いという |
スペースを有効に使うことで、高い拡張性を確保。またケーブルマネジメント機構により、配線もスッキリと行うことができる |
今回のイベントで、ユーザーの注目度が最も高かったのが、国内初披露となるゲーミングベアボーン「M8」だ。ASRockのアドバイザーを務めるFatal1ty氏をはじめ、多くのゲーマーから要望のあった“持ち運べるゲームPC”を目指して開発され、デザインを手がけるのは、自動車メーカーBMWのデザイン部門「BMW Group DesignworksUSA」。機能性やパフォーマンスだけでなく、ゲーミングPCで重要な“カッコよさ”にもこだわったというその外観は、日本のユーザーの心もしっかりと掴んでいた。
ライザーカード採用により、グラフィックスカード搭載スペースは約300mmと余裕を持った造り。拡張スロットは2段で、ハイエンドグラフィックスカードにも対応する |
製品には、ケースの他にMini-ITXマザーボード「Z87-ITX」(Intel Z87 Express)、SFX 450W電源ユニット、スロットローディング式のDVDマルチドライブを標準装備。なお想定構成は、NVIDIA GeForce GTX 680とCore i7-4770Kで、コンパクトサイズながら、かなりパワフルなゲーミングPCを構築できる。また今後のアップグレードを考え、マザーボード交換にも対応するあたり、マザーボードメーカーらしい配慮と言えるだろう。発売は7月下旬から8月上旬で、価格については現在調整中とのこと。
冷却ファンは、排気用としてトップ70mm×2、ボトム70mm×2を搭載。内部の熱を強制的に排出することで、ハイエンド構成でも安定した動作を実現する |
Intel H87/B85マザーボードでもCPUの倍率変更を可能にする「Non-Z OC」。「K」シリーズCPUなら手軽にパフォーマンスをアップできる |
プレスリリースで既報の「Non-Z OC」についても、ASRock 8 シリーズ向け新機能として紹介された。「Non-Z OC」は、本来CPUチューニングに対応していない、Intel H87/B85マザーボードでもCPUの倍率変更を可能にする機能。対応するCPUは「K」シリーズに限られるが、UEFIプリセットから簡単にオーバークロックを実行できるようになる。
8フェーズの豊富な電源回路や高密度電源コネクタなど、上位モデルに匹敵する装備を備える「Fatal1ty H87 Performance」。担当者いわく、オーバークロックをするなら最もオススメ |
すでにゲーミング向け「Fatal1ty H87 Performance」では対応UEFIの配布が開始され、対応製品は順次拡大される予定。ただし、Intel H87/B85向けマザーボードの多くは、オーバークロック向けにデザインされていないため、耐久性や安定性には注意が必要だ。
会場には、ゲーミングベアボーン「M8」以外にも、国内未発売モデルとして、フラグシップモデル「Z87 Extreme11」とオーバークロック向けMicroATX「Z87M OC Formula」が展示されていた。いずれもASRockらしい、ユニークな製品のため、画像にて紹介しておきたい。
Chris Lee氏が自ら“変態マザーボード”と紹介したフラグシップモデル「Z87 Extreme11」。IEEE 802.11acモジュールを実装した「Z87 Extreme11ac」もラインナップされる。なお販売は7月から8月予定で、価格は現在開発担当と鋭意調整中とのこと |
LSI製SAS 6Gbpsコントローラを2基搭載し、実に22ポートものSATA3.0(6Gbps)を備える |
PLX製PCI-Express3.0ブリッジチップを搭載し、4-wayのマルチグラフィックスに対応。なおスロット間に用意されるソケットは一番上がmini PCI-Express、下2つがmSATA(3.0) |
オーバークロック向けMicroATXマザーボード「Z87M OC Formula」。7月中旬発売予定で、市場想定売価は税込25,980円 |
防水加工には非対応だが、12フェーズの電源回路やデュアルスタックMOSFET、マルチフィルターキャップなど、基本性能は上位モデル「Z87 OC Formula」と同等。CORSAIR主催のオーバークロックイベントでは、Nich Shih氏がこちらのマザーボードを使い記録に挑戦していた |
会場の一角では、昨日より国内発売が開始された「Z87 OC Formula」による防水デモを実施。基板全面がシリコンコーティングされ、ホコリや腐食にも強いため安定駆動が必要なサーバー用マザーボードとしても力を発揮してくれそうだ |
文: GDM編集部 池西 樹
マスタードシード株式会社: http://www.mustardseed.co.jp/
ASRock Incorporation: http://www.asrock.com/