2013.07.25 22:21 更新
2013.07.25 取材
CORSAIR Memory(本社:アメリカ カリフォルニア州)は本日2013年7月25日、都内某所にて新作PCケースのメディア向け発表会を開催した。会場に持ち込まれたのは、COMPUTEXに出現して世界の自作ユーザーをアッと言わせた“あのPCケース”。発売が待たれる世界最速メモリも密かに登場した、見どころ満載なクローズドイベントの模様をお伝えしよう。
コスプレメイドと異色のツーショットを飾っているのは、COMPUTEXで話題となった「Carbide AIR 540」。解説セッションでは、CORSAIRカントリーマネージャーの園部氏が饒舌に魅力を語る |
外界の喧騒から離れた地下空間でマイクを握ったのは、CORSAIRイベントではおなじみなCORSAIRカントリーマネージャーの園部氏。お披露目されたのは、「COMPUTEX 2013」にて発表され話題を呼んだ“スーパーキューブ”ケースこと「Carbide AIR 540」と、静音コンセプトの高拡張ケース「Carbide 330R」の2製品だ。いずれも発売は今週末の7月27日(土)に正式決定。店頭でド肝を抜かれる前にしっかりと予習をすませておこう。
会場はPCパーツとはおよそ雰囲気の異なる地下の不思議空間。入り口には「Obsidian 350D」を採用するサイコムのBTOマシン「G-Master Hydro-Mini」が展示されていた |
一口にキューブケースといえば省スペースモデルを思い浮かべるところ、本日お披露目の「Carbide AIR 540」はE-ATXマザーボードも呑み込むビッグサイズ。まさに“スーパーキューブ”の名に相応しい風格で、その最大の特徴はマザーボードトレイを中心線に置いた、左右セパレートの「Dual Chamber」構造だ。
中心からはやや右寄りながら、マザーボードトレイで内部を左右に分割する「Dual Chamber」構造を採用。PC最大の熱源を強力エアフローで効率よく冷却する |
その心は、PC最大の熱源であるCPUやグラフィックスカードをいかに効率よく冷却するかという、「Direct Airflow Path」なるフィロソフィー に基づいている。正面向かって右側にエアフローの障害となるドライブベイや電源ユニットを「Passive Cooling Chamber」として分離、一方左側の「Active Cooling Chamber」ではCPUやグラフィックスカードを強力なエアフローで冷却しようというものだ。
冷却ファンは標準でフロントに140mmの「AF140L」×2、リアに「AF140L」×1を実装。換装などにより、最大でフロント140mm×2/120mm×3、トップ140mm×2/120mm×2、リア140mm×1/120mm×1の最大6基を搭載できる。もちろん水冷対応も抜かりはなく、フロント360mm×1、トップ280mm×1のラジエターデュアル搭載も可能だ。
向かって左側はCPUやグラフィックスカードなどシステムを組み込む「Active Cooling Chamber」。右側はドライブベイなどを集めた「Passive Cooling Chamber」で、広大な配線スペースとしても機能する |
ドライブベイレイアウトは、「Passive Cooling Chamber」側に5.25インチベイ×2、ツールフリーの2.5インチシャドウベイ×2を実装。「Active Cooling Chamber」側に3.5インチホットスワップベイ×2を備える。拡張スロット数は8基で、余裕の内部ケージには最大320mmのグラフィックスカードと全高170mmのCPUクーラー搭載を可能にする。
発売は前述の通り7月27日(土)で、市場想定売価は18,000円。魅惑の“スーパーキューブ”を手にできるのはもうすぐだ。
左右分割構造のため“間口”はかなり幅広なものの、奥行きはMicroATXケース「Obsidian 350D」並。極小ベゼルのアクリルウインドウを採用する“魅せるケース”でもある |
「Obsidian」シリーズにも通じる静音コンセプトの「Carbide 330R」。フロントドアはもちろん、全方位のパネルに吸音シートを装備する |
続いて披露されたのは、エアフロー重視の「Carbide」シリーズとしては異色の静音仕様ケース「Carbide 330R」。フロント・トップ・サイドに吸音シートを装備し、「Carbide 300R」をベースにしながらも「Obsidian 550D」の弟分のようなケースに仕上がっている。
エアフローレイアウトは、フロント140mm×1/120mm×2、トップ140mm×2/120mm×2、リア120mm×1で、冷却ファンはフロント140mm×1、リア120mm×1を標準装備。トップには280mm/240mmサイズの水冷ラジエターも搭載できる。
ドライブベイレイアウトは5.25インチオープンベイ×3、3.5(2.5)インチシャドウベイ×4で、いずれもツールフリー仕様。拡張スロットは7基で、最長450mmまでのグラフィックスカードも搭載できる。また、フロントドアはヒンジの付け替えにより左右両開きに対応する。
こちらも発売は7月27日(土)で、市場想定売価は12,500円だ。
E-ATXフォームファクタにも対応する高拡張ケースで、トップには水冷ラジエターも余裕で組み込める。なお、フロントドアは付け替えで両開きに対応する特殊ヒンジを採用する |
世界最速3,000MHz動作を実現した「Vengeance Extreme」シリーズの「CML8GX3M2A3000C12R」。製品には極冷用の冷却升も同梱されるらしい |
さらに参考出品という扱いながら、会場には世界最速の3,000MHz動作を誇る「Vengeance Extreme」シリーズの8GBキット「CML8GX3M2A3000C12R」が登場。4GB×2構成で極冷用の冷却升がパッケージングされるというスペシャル仕様で、セッション後半は著名オーバークロッカーのduck氏によるオーバークロックデモに用いられ会場を沸かせた。
ただしこちらは歩留まりの関係上発売の目処が立っておらず、価格やリリース時期は不明。園部氏によれば「もし発売になっても日本に入ってくるのは一ヶ月に1つくらいかもしれない」とのこと。仮に上陸しても争奪戦は必至だが、ここは続報に期待したい。
セッション後半を盛り上げた、duck氏によるオーバークロックセッション。液体窒素をふんだんに使用した極冷OCで3400MHz超えの動作を実現していた |
文: GDM編集部 絵踏 一
CORSAIR Memory: http://www.corsair.com/