2013.09.26 03:51 更新
2013.09.26 取材
PC-98世代はじめ、往年のPCやアーケードゲームの音源を“完璧に再現”できるステキなFM音源ボードの展示デモが三月兎2号店にて絶賛稼働中だ。多連装音源システム「G.I.M.I.C」と聞いて、おっと思った玄人にはもはや説明不要。しっかり予算を計上して来月の発売を待とう。商業ベースでは考えられない豪華仕様な構成には原田さんも驚嘆、とりあえず店頭にその音を聴きに行ってみるべし。
「・・・実に懐かしい、この音を聴いているとなんだか落ち着きますね。往年のレトロPCの音源を生で聞きたい!というFM音源フリークな方に激オシな多連装音源システム「G.I.M.I.C」の店頭販売がいよいよ来月から始まります。同人制作の装置なので基本はイベントのみの販売で、しかしてその度に完売するというマニア垂涎のアイテム。関西ではシリコンハウス共立さんが扱ったことがあるようですが、関東ではウチが初めてなんですよ。実際初見の方も多いんでしょう、デモ機の前で足を止めて聴き入っている方は多いですね。苦労して設置した甲斐がありました。
まず何がスゴイのか、それは実機のFM音源チップがそのまま載っていること。単にエミュレートするのとは違って、タイミングもまったく一緒な“完全に同じ音”が出るという寸法ですね。音源チップはモジュール化されていて、X68000、PC-88やPC-98、Sound Blaster 16なんかに使われていた3種類から選んで載せ替えできます。
さらに面白いのは、チップは当時そのままながらその他が見事にイマドキ仕様なところですね。マザーボードは多層基板だしオペアンプやら固体コンデンサやらも載っていたりと、とにかく豪華。回路ベースではどれも実機を上回るクオリティなので、当時を超える音質が期待できるでしょう。
ただしこうした構成は上位版のProfessional版だけなので、高音質・多機能を求めるならそちらがオススメ。MIDI音源として使えるブレイクアウト端子を積んでいたり、ノイズの影響を受けにくいACアダプタが使えたりと、まさしくプロ仕様。正直商業ベースではこんな無茶はできませんよ。・・・ちなみに今は再生環境がアレなので、来週には音質を体感できる高級ヘッドホンを用意するつもりです。こちらもお楽しみに。
そしてつまるところ、1つ組み上げるには、マザーボードに音源モジュール、それにケースが必要になります。マザーはNUC準拠のサイズなので、自作派の方も面白い1台を組み上げることができるでしょう。ただしお値段はご覧の通り、知識とともにかなりの覚悟が必要です。かくいう私も発売するやいなや、2セット+Sound Blasterチップ(記念品)の購入で17万円以上が吹き飛ぶ計算ですよ。でも安い値段で安っぽいFM音源なんて誰も望まないでしょ?自分が欲しいんだし、きっと似たような人間は大勢いるはず、という乱暴な哲学で気合を入れて仕入れます。発売は10月中旬を予定していますので、今からの貯金でも間に合うんじゃないですか?」
再生されている曲はランダム曲送りが可能。デモ機から伸びるビット・トレード・ワンの「BitTouch」を使って切り替えてみよう |
文: GDM編集部 絵踏 一
三月兎2号店: https://www.gdm.or.jp/shop/usagi-2/
G.I.M.I.C Project: https://twitter.com/gimicproject