2013.10.01 23:33 更新
2013.10.01 取材
TDK株式会社(本社:東京都港区)はCEATEC JAPAN 2013ブースにおいて、「熱アシスト磁気記録ヘッド」を搭載した2.5インチHDDの実働デモを実施した。最終的には40TBオーバーも視野に入れているという最新技術を確認しておこう。
デモで使用されたのは、ヘッドの状態が確認できるアクリルウィンドウを搭載したオリジナルHDD。Seagate製2.5インチモデルで、回転数は10,000rpm |
TDKは、同社ブースにおいて次世代記録技術「熱アシスト磁気記録ヘッド」を搭載させた2.5インチHDDの実働デモを実施した。
「熱アシスト磁気記録ヘッド」はすでに発表された技術だが、10,000rpmを超えるHDDでの実働デモは国内初とのこと |
「熱アシスト磁気記録ヘッド」は、データ記録時に磁力と熱を使うことで、磁力だけでは難しい高保磁力材に安定してデータを書き込む技術。現在主流の「垂直磁気記録ヘッド」に比べて面記録密度を大幅に向上させることができる。
TDKのもつ磁性スピントロニクス技術とフォトニクス技術を駆使し、レーザー光でピンポイントに記録面を加熱する |
今回デモに使用されたのは、回転速度10,000rpmのSeagate製2.5インチモデルで、面密度は従来の2倍程度。なお担当者によれば、2015年度の実用化を目指し開発を進めており、2017年には3.5インチモデルで15TB、東京オリンピックが開催される2020年には、8Kハイビジョン放送を1ドライブで保存できる40TBまで容量を引き上げたいとしている。
データ記録時はヘッド先端からレーザー光が照射される。ちなみに発熱量は小さく、HDDの寿命には特に影響がないとのこと |
文: GDM編集部 池西 樹
SEATEC JAPAN 2013: http://www.ceatec.com/ja/