2013.11.22 22:08 更新
2013.11.22 取材
日本AMD株式会社(本社:東京都千代田区)ブースでは、同社の省電力向けAPU RシリーズやGシリーズを採用したデジタルサイネージ向けアイテムを展示。クアッドコアのファンレスモデルや100mm角のマイコンモデルなど、思わず欲しくなる注目のアイテムを紹介していこう。
AMDブースでは、組み込み向けAPU RシリーズやGシリーズのGPU性能をアピール。同社によれば、限られたTDP枠の中で最高のパフォーマンスが発揮できるようGPUコアを選択しており、複数画面の同時出力や高解像度動画出力が必要になるデジタルサイネージ、ゲームユースなどに最適とのこと。
最大TDP35Wながら、ミドルレンジに匹敵するRadeon R7600シリーズのグラフィックスコアを内蔵するRシリーズ。3画面の動画再生でもコマ落ちなどは発生していなかった |
実際、ブースの一角では、Rシリーズを使った「マルチディスプレイデモ」が行われていたが、3画面すべてのディスプレイで滑らかに動画が再生されていた。
デジタルサイネージ向けPC、コンテック「DS-380D」。筐体全体をヒートシンクとすることでスリムサイズながらファンレス駆動を可能にしている |
続いて、ブース内に展示されていた組み込み向け製品を紹介していこう。まずはデジタルサイネージ向けに開発されたという、コンテック「DS-380D」だ。APUには、クアッドコアCPUとRadeon HD 7600Gを内蔵したR-452L(4コア/定格1.60GHz/TC時2.40GHz/TDP19W)を採用。さらに筐体全体をヒートシンクとして利用することで、ファンレス駆動を可能にしている。
ちなみに、担当者によれば「高所への設置や常時起動の必要性もあり、デジタルサイネージ向け製品ではファンレス駆動が求められることが多い。その点消費電力が少なく、グラフィックスパフォーマンスに優れるAPUはとても扱いやすい」とのこと。
インターフェイスはUSB3.0×3、ギガビットLAN×2、DVI-I×2、音声入出力など必要十分。個人ユースでの利用も面白そうな製品だ |
ストレージはmSATAとHalf-SlimサイズのSSDが内蔵でき、駆動部のないゼロスピンドル設計を採用。インターフェイスはUSB3.0×3、ギガビットLAN×2、DVI-I×2、音声入出力などで、標準的なWindowsの起動にも対応する。正式発売は未定ながら、同社のオンラインショップによる取り扱いも検討しているということで、個人ユースでも購入ができるようになるかもしれない。
GizmoSphereのオープンソース向け開発ボード「Gizmo Board」。プロセッサには1.0GHz駆動のデュアルコアプロセッサG-T40Eが搭載される |
「Gizmo Board」は、AMD等によって立ち上げられた非営利技術プロジェクト「GizmoSphere」用オープンソース開発ボード。100mm角のコンパクトなSBCで、プロセッサにはTDP6.4WのG-T40E(2コア/1.00GHz)をオンボードで実装。グラフィックスコアにはRadeon HD 6250が内蔵され、52GFLOPSの高い演算処理性能を備えている。
USB2.0、有線LAN、SATAなどの標準的なインターフェイスの他、拡張ボード用コネクタも用意される |
チップセットはA55Eで、メインメモリはDDR3 1GBを搭載。インターフェイスはUSB2.0×2、有線LAN×1、SATA2.0×1を備え、Windows、Linux、RTOSを動作させることができる。なおすでに発売は開始され、最も安価な評価キットは198ドルから購入できる。
ASRockが開発している、組み込み向けMini-ITXマザーボードも展示。こちらはGシリーズAPUを搭載させた「IMB-160/-H」 |
またブースの一角には、Gシリーズを採用したASRockの組み込み向けMini-ITXマザーボードも展示されていた。製品ラインナップは、GシリーズAPUを採用する「IMB-A160/-H」シリーズと、チップセット機能などを網羅したGシリーズSoCを採用する「IMB-A180-H」シリーズの2種。
プロセッサは、前者がT56N(2コア/1.65GHz/Radeon HD 6320)/T48E(2コア/1.40GHz/Radeon HD 6250)/T40E(2コア/1.00GHz/Radeon HD 6250)、後者がGX-420CA(4コア/2.00GHz/Radeon HD 8400E)/GX-415GA(4コア/1.50GHz/Radeon HD 8330E)/GX-210HA(2コア/1.00GHz/Radeon HD 8210E)から選択できる。
こちらは、最新プロセッサGシリーズSoCを搭載する「IMB-A180-H」。4コアモデルも用意され、省電力ながら高いパフォーマンスが期待できる |
文: GDM編集部 池西 樹
Embedded Technology 2013: http://www2.jasa.or.jp/et/ET2013/