2014.04.26 22:32 更新
2014.04.26 取材
SilverStone Technology Co.,LTD.(本社:台湾)国内正規代理店のマスタードシード株式会社(本社:東京都品川区)は2014年4月26日(土)、アキバナビスペース1F(東京都千代田区外神田3-1-8)にて、「SilverStone新商品発表会2014年春」を開催。“コンパクト・ハイスペック”をテーマとした、国内未発表アイテムが勢揃いしたイベントの模様を紹介していこう。
昨年に引き続き開催された「SilverStone新商品発表会 春」。ゴールデンウィークの初日に加え、穏やかな晴天に恵まれたこともあり、会場には多くの自作派達が足を運んだ。また1部と2部に分かれて行われたプレゼンテーションでは、エルミタでおなじみのマーケティング・マネージャーTony Ou氏が登壇。今後発売予定の新製品について、詳細な解説を行った。
天候にも恵まれ、プレゼンテーションでは立ち見も出るほどの盛況ぶり | プレゼンテーションを担当したのはSilverStoneマーケティングマネージャーTony Ou氏 |
容量14.1リットルサイズながら、2.5インチシャドウベイ×2、2.5インチホットスワップベイ×6の高いストレージ収容能力を実現した「DS260」 |
今回のイベントで、特に注目を集めていたのが、データストレージ向け「Desktop Storage」(DS)シリーズの新作「DS260」だ。一枚のアルミニウム板を折り曲げることでフレームを成形する「一体成型フレーム」により、統一感のある美しい外観を演出。さらにW210×D210×H320mm、容量14.1リットルのコンパクトサイズながら、2.5インチシャドウベイ×2、2.5インチホットスワップベイ×6の計8段のストレージベイを備え、サーバーユースとして十分な拡張性を実現した。
トップに配置された2.5インチホットスワップベイ。ドライブケージには取っ手が取り付けられており、簡単に引き出すことができる | |
ホットスワップベイには専用コネクタが実装され、2.5インチSATA/SASドライブを接続できる |
またコンパクト・高密度サーバーでは冷却能力も重要なファクターとなるが、「DS260」ではボトム部に180mm「Air Penetrator」ファンを標準装備。直進性のあるエアフローにより、ストレージに直接外気を当てることで十分な冷却性能を確保した。
ボトム部ほぼ全面を覆う180mm「Air Penetrator」ファンを搭載することで、ストレージだけでなく、電源ユニットやマザーボードも含めたすべてのコンポーネントを冷却できる |
ちなみに担当者によれば「今回の製品はプロトタイプモデルで、コスト面などクリアしなければならないハードルもまだまだ多い。製品化も含めて現在検討を進めている」とのこと。とはいえ、コンパクトサーバーとしては非常に有望なアイテムで、ユーザーの反応も上々。ぜひ製品化に期待したい。
本体上部の曲線を活かしたデザインは「一体成型フレーム」ならでは。電源ユニットはFlexタイプで、マザーボードはSilverStoneお得意の「90度回転マザーボードレイアウト」 |
「RAVEN RV05」と同一シャシーを採用しつつ、コンパクト化された「FORTRESS FT05」 |
SilverStoneの高級志向ケース「FORTRESS FT05」も国内初登場。こちらは5月に発売が予定されている「RAVEN RV05」と同じシャシーを採用しつつ、エクステリアの変更によりコンパクト化を実現。さらにフロントパネルも先進的な「RAVEN RV05」から、高級感ある落ち着いたデザインへと変更されている。
「RAVEN RV05」と並べて見るとその差は歴然。高さ、奥行とも大幅に抑えられているのがわかる |
基本スペックに変更はなく、対応フォームファクタはSSI-CEB、ATX、MicroATX。冷却システムは、ボトム「Air Penetrator」(型番:AP181)×2(180mm/600~1,200rpm/17~34dBA)を標準装備し、オプションでトップに120mmファン×1を増設可能。さらにボトム部には120/140mmファン用のファントレイも用意され、標準ファンを取り外せば240/280/360mmの大型ラジエターを実装できる。
シャシーは「RAVEN RV05」を踏襲。底面には「AP181」×2が実装され、正圧環境を作り出すことで、ハイエンド構成にも耐えられる冷却性能を実現した |
ドライブベイレイアウトは、スリム光学ドライブ×1、2.5インチシャドウベイ×2、3.5インチシャドウベイ×2。拡張スロットは7段で、マザーボードレイアウトは「90度回転レイアウト」を採用する。なお発売は2014年第3四半期予定で、カラーバリエーションとしてシルバーモデルも検討しているとのこと。
Mini-ITX対応ゲーミングケース「RAVEN RZV01」には、真紅のカラーバリエーションモデルが登場予定。また外装パネルを変更したエントリーモデル「Milo ML07」シリーズもCOMPUTEX前までには国内発売が開始されるとのこと。
真っ赤な筐体が色鮮やかな「RAVEN RZV01」のカラーバリエーションモデル。正式な発売は不明だが、限定モデルとして用意する予定があるとのこと | |
「RAVEN RZV01」のシャシーをベースにした廉価モデル「Milo ML07」。ブラックモデルは5月発売予定で価格は10,000円前後。なおホワイト・ブルーやホワイト・ブラックなど複数のカラーバリエーションモデルも検討されている |
600Wの大容量を実現したSFX電源ユニット「SST-SX600-G」(画像上)と、120mmファンを搭載するSFX-L電源ユニット「SST-SX500-GL」 | 「SST-SX600-G」では、120mmファンを搭載するため、SFX電源ユニットに比べて奥行が30mm長くなっている |
電源ユニットでは、静音性を重視したという新電源ユニット「SFX-L」シリーズ「SST-SX500-GL」が注目だ。高さと幅はSFX電源と同等ながら、奥行を130mmとすることで120mmファンを搭載。これにより、SFX電源の欠点である騒音を抑え、静音・コンパクトなPCを構築できるとしている。
ケーブルはフルモジュラー式で、取り回しが容易なフラットケーブルを採用。電源容量は500W、+12V出力は40Aで、ケース内温度が41℃以下の状態ではファンレス駆動にも対応する。なお発売は6月頃を予定しており、価格は未定。
電源ケーブルは、オールフラットケーブルの「PP05-E」が同梱される | 本体側面に貼り付けられたスペックシート |
また600Wの大容量を実現したSFX電源ユニット「SST-SX600-G」も面白いアイテムだ。電源効率最高90%を達成した80PLUS GOLD認証電源で、+12Vは60Aの大容量を実現。6+2pinのPCI-Express補助電源コネクタは2口用意され、ハイエンドクラスのグラフィックスカードでもまったく問題なく動作させることができる。なお発売は5月中を予定しており、価格は調整中。
ケーブルはこちらもフルモジュラー式を採用 | SFX電源ユニットでは最高クラスの+12V 60Aを実現する |
「新製品発表会2013秋」で展示されていた、80PLUS PLATINUM認証取得のファンレス電源ユニット「SST-NJ520」は、5月上旬より発売開始。価格は19,000円前後 |
スリムPCに最適なロープロファイルクーラー「AR05」(画像右)と「AR06」(画像左) |
最後に、ロープロファイル対応のCPUクーラーや新作ファン、SATAケーブルなど会場に展示されていた小物系をまとめて紹介しておこう。
文: GDM編集部 池西 樹
マスタードシード株式会社: http://www.mustardseed.co.jp/
SilverStone Technology: http://www.silverstonetek.com/