2014.05.09 03:35 更新
2014.05.09 取材
GIGABYTE TECHNOLOGY(本社:台湾)の日本法人である日本ギガバイト株式会社(本社:東京都千代田区)は2014年5月8日、秋葉原某所において新マザーボード「GIGABYTE 9シリーズ」のメディア向け発表会を開催した。まもなく発売が解禁される新製品を一足先にご紹介していこう。
会場では製品の解説セッションに先立ち、台湾GIGABYTEのVice President兼日本ギガバイト株式会社社長Henry Kao氏が登壇。スマートフォンやタブレットの台頭による低調気味なノートPC市場を尻目に、ゲーミング向けを中心にDIY市場は堅調に推移。GIGABYTEとしてはこれまで同様、マザーボードを重要なアイテムと位置付けリソースを振り向け、より良い製品を作っていくと意志表明を行った。
台湾GIGABYTEのVice President兼日本ギガバイト株式会社社長Henry Kao氏 | 台湾GIGABYTEのMarketing Director Colin Brix氏 |
続いてマイクを握ったのは、台湾GIGABYTEのMarketing Director Colin Brix氏。2013年度GIGABYTEではワールドワイドで合計約2,000万枚のマザーボードを販売。これは1.57秒に1枚のマザーボードが売れている計算で、高品質・高機能といったGIGABYTEの設計思想が多くのユーザーに支持されていることをアピールした。そして「GIGABYTE 9シリーズ」ではこの流れを加速すべく、「BLACK EDITION」「G1 GAMING」「OC Series」「ULTRA DURABLE」の4種類にカテゴライズ。多様なニーズに応えられる充実したラインナップを用意した。
出荷前にサーバーグレードのストレステストを実施することで“超高耐久”を実現した「BLACK EDITION」 |
GIGABYTE「9」シリーズで特に注目したいのが、新カテゴリ「BLACK EDITION」だ。独自品質基準「ULTRA DURABLE」で培ったノウハウに加え、出荷前に168時間に及ぶサーバーグレードのストレステストを全品に実施。これにより従来製品を上回る超高耐久を実現させたという自信作だ。
台湾の南平工場で実施されるストレステストをクリアした製品のみ「BLACK EDITION」として出荷 | 「BLACK EDITION」にはすべての製品に、ストレステストをクリアした証明書が同梱される |
用意されるラインナップは「Z97X-GAMING G1 WIFI-BK」を筆頭に、「Z97X-UD5H-BK」「Z97X-UD3H-BK」の3モデル。いずれも「-BK」なしモデルと基本スペックは同等ながら、ヒートシンクや付属品で差別化。さらに製品保証の延長や独自プロモーションなど、「BLACK EDITION」のみの特典も検討しているとのこと。
従来のグリーンからレッドを基調としたデザインに変更されたゲーミング向けマザーボード「G1 GAMING」。今回のイベントでは実機の展示はなかったものの、MicroATXやMini-ITXモデルも用意されている |
ゲーミング向けマザーボード「G1 GAMING」では、テーマカラーを従来のグリーンからレッドにリニューアル。さらにヒートシンクにはグラフィックスカードでおなじみの“瞳”がデザインされ、製品間で統一感のあるものへと変更された。
レッドカラーに仕上げられたMOSFET用ヒートシンク。上位モデルでは水冷化にも対応する | “瞳”が大きくデザインされたチップセット用ヒートシンク |
またオーディオ回路には、アナログ・オーディオ部を分離した「Audio Noise Guard」やスタジオレベルの高品質オーディオコンデンサ「Muse ES」、交換式オペアンプなどで高音質化を実現した「G1(TM) Audio」を搭載。さらにネットワークチップには、レイテンシが低くラグの少ないQualcomm Atheros「Killer E2200」シリーズが標準装備され、上位モデルにはIntel製ギガビットLANやワイヤレス機能も実装される。
従来通りの機能を踏襲したオーディオ周り。オンボードでは最高クラスのサウンド環境を実現している | ネットワークチップはQualcomm Atheros「Killer E2200」シリーズを標準装備 |
「OC Series」の上位モデル「GA-Z97X-SOC Force」。市場想定売価は30,000円前後を予定している |
極冷にも対応するオーバークロック向け「OC Series」の開発には、世界的に著名なオーバークロッカーが参加。その意見を参考に、電圧、ベースクロック、倍率などをリアルタイムに変更できる「OC Touch」、メモリ・グラフィックスカードを装着したままシステムから切り離せる「OC PCIe/DIMM Switch」、PCI-Expressスロットへの電源供給を補助する「OC PEG」、BIOS ROMを自由に切り替えることができる「OC Dual BIOS Switch」など、チューニングに特化した機能を搭載する。
「OC Series」の開発には、世界的に著名なオーバークロッカーが参加。そのアドバイスを元に機能が追加・修正されている |
用意される製品ラインナップは、8フェーズ電源を搭載する上位モデル「GA-Z97X-SOC Force」と、4フェーズ電源を搭載する下位モデル「GA-Z97X-SOC」の2モデル展開。なお担当者によれば、「OC Series」によるチューニングをGIGABYTEのラボで進めており、順調に行けば近いうちに世界記録更新の発表ができるとのこと。
「GIGABYTE 9シリーズ」ではすべてのモデルが「ULTRA DURABLE」に対応するため、スタンダードモデルのカテゴリとして使用されることになった |
2006年よりGIGABYTEが展開してきた独自品質規格「ULTRA DURABLE」。「GIGABYTE 9シリーズ」ではナンバリングが遂に廃止。さらにすべてのモデルが「ULTRA DURABLE」に対応することから、スタンダードシリーズのカテゴリとして使用されることになった。元々GIGABYTEでは、ローエンドモデルにも高品質設計を取り入れており、差別化が難しくなっていたことから当然の流れと言えるだろう。
Qualcomm Atheros「Killer E2200」シリーズや高音質オーディオ回路など、ゲーミング向け機能を搭載するモデルもラインナップ |
また「ULTRA DURABLE」には、これまでゲーミング向けに実装されていたQualcomm Atheros「Killer E2200」シリーズや「Audio Noise Guard」を採用するモデルも登場。さらにIntel「9」シリーズに合わせて、最大10Gbpsの高速転送が可能なストレージインターフェイス、SATA ExpressやM.2にも対応する。
「GIGABYTE 9シリーズ」共通機能として、最大10Gbpsの高速転送が可能なストレージインターフェイス、SATA ExpressやM.2をサポート | |
「UEFI DualBIOS」には新たに簡易設定画面「Start-up Option」が追加。言語は19ヶ国語をサポートしており、PCに不慣れな初心者でも簡単に設定を行うことができる |
最後に、すでに紹介した「GA-Z97X-SOC Force」以外の展示マザーボードを画像でまとめて紹介しておこう。
文: GDM編集部 池西 樹
日本ギガバイト株式会社: http://www.gigabyte.jp/