2014.05.10 03:23 更新
2014.05.10 取材
エムエスアイコンピュータージャパン株式会社(本社:東京都台東区)は2014年5月9日、秋葉原UDX(所在地:東京都千代田区)において、新チップセットIntel Z97/H97 Expressを搭載する次世代マザーボードのメディア向け発表会を開催した。今週末より発売が解禁される、MSI渾身の新モデルたちを総ざらいしておこう。
“解り易さ”を目指したというMSIの新世代チップ搭載マザーボード。役割ごとに大きく3つのシリーズに別れたほか、「GAMING」シリーズはモデルの上下がより判別しやすくなった |
次世代チップセットIntel 9シリーズ搭載モデルを製品化するにあたり、MSIはユーザーにとっての「解り易さ」を追求。ラインナップを「OC」「GAMING」「CLASSIC」と、ニーズや用途に合わせた3シリーズに大別、欲しいモデルを容易に絞り込めるようになった。
また、MSIマザーボードの代名詞的存在でもある軍事規格準拠の「ミリタリークラス4」がさらに進化、ハードウェアの故障からマザーボードを保護する「GUARD PRO」を新たに実装された。吸湿性の低減やESD/EMI保護などの本質的なガード機構に加え、使われていないチップと機能を無効化して効率化するなど、よりスマートな動作を実現するという。
セッションで解説を担当したのは、台湾本社から駆けつけたManager PM Dept.-II DPS R&D Div.-IのAndrew Chang氏。新製品の各種機能をよどみなく説明するとともに、Intel 8シリーズ世代における数々の輝かしい受賞歴に裏打ちされたパフォーマンスと、ユーザーを魅了するスタイリッシュなデザインコンセプトなど、MSI製マザーボードの総合的な魅力を語った。
E-ATXフォームファクタを採用する、「OC」シリーズのフラッグシップ「Z97 XPOWER AC」。従来通りPWM回路の水冷にも対応しているが、新世代モデルはOCに“使える”数多くの新機能が魅力。ちなみにこのモデルの想定売価は税抜49,800円前後で、5月下旬に発売される予定だ |
MSIマザーボードのヒエラルキー頂点に位置するのが、オーバークロックにフォーカスした「OC」シリーズだ。高負荷時の安定性やOC耐性を保証するユニークな品質基準「OC Certified」に準拠する、MSIが「最も安定したOCマザーボード」と自負するエンスー向けのラインナップとなる。
会場で「LIGHTNING」とともに動作デモが行われていた、メインストリームモデル「Z97 MPOWER MAX AC」。最上位同様水冷機構と無線LANを搭載、5月11日の解禁初日に発売される。想定売価は税抜29,800円前後 | シリーズ中のエントリーモデル「Z97 MPOWER」は、水冷機構と無線LANをオミット。想定売価は税抜23,800円で、5月中旬に発売される |
これらの性格を受け継ぎつつ、新世代モデルでは数多くの新機能を実装。Haswell世代以降、CPUのOCに連動して上昇する内部クロックをきめ細かく設定できる「OCエンジン」や、一時的にCPUの動作倍率を引き下げることでWindows起動時の高負荷を回避する「スローモード」など、オーバークロッカー垂涎の機能を備える。また、BIOS設定も特有の項目で構成され、変更済みの設定内容を確認できるお役立ち機能のほか、簡易設定でメモリOCが楽しめるモードを搭載するなど、初心者も気軽にOCに親しめるよう配慮されている。
OCフォーカスの最上位シリーズとあって、「OCエンジン」などOCに役立つ機能が満載。さらにBIOS設定も大きく見直され、難易度の高いメモリOCもワンタッチで完了できるようになった | |
オーバークロッカーに嬉しい充実した付属品も魅力。殻割りしたCPUをヒートシンクに密着させる「殻割りダイ・ガード」など、単品でも欲しくなりそうな装備が同梱される |
ゲーマー向けに展開される「GAMING」シリーズは、従来からMSIが特に力を入れてきた分野だ。Intel 9シリーズで第3世代となる今回は、ゲーミングマシンに必要とされる「SPEED(スピード)」、「SOUND(音質)」、「STABILITY(安定性)」の3要素を追求。ユーザーに好評な「Killer NIC」や「ゲーミングデバイスポート」などの各機能はそのままに、CPUとGPUを同時にオーバークロックできる新生「GAMING APP」や、進化したオーディオ機能「AUDIO BOOST2」を搭載する。
また、モデルチェンジに合わせPWM回路の「ドラゴンクロー・ヒートシンク」など、デザインも一新。モデルナンバーも「9/7/5/3」と数字で分かりやすくランキングされている。
新世代モデルの中にあって、メインストリーム向けを担うのが新設された「CLASSIC」シリーズだ。“標準”を意味するシリーズ名ながら、ほとんどのモデルが「ミリタリークラス4」と「GUARD PRO」を兼ね備えるなど、安定性と信頼性は他のシリーズにも引けをとらない。尖った機能こそないものの、ツボを押さえたバランスのよさが身上だ。
ただし「CLASSIC」シリーズはそのほとんどが発表会に間に合わず。他シリーズを追いかけるように、5月中旬から下旬にかけて発売される見込みとなっている。中堅クラスのモデルに期待する人はもう少しおあずけだ。
会場の片隅にひっそり展示されていた、Radeon R9 270X搭載カード「R9 270X GAMING 2G ITX」。Mini-ITXマザーと同等サイズを実現した小型モデルで、価格は未定ながら5月下旬の発売がほぼ決まっている |
文: GDM編集部 絵踏 一
エムエスアイコンピュータージャパン株式会社: http://jp.msi.com/