2014.06.04 02:39 更新
2014.06.03 取材
SilverStone(本社:台湾)には、なかなか製品化されない型番が存在する。妥協を許さず改良を重ねた結果と聞けば納得せざるをえないものの、サンプルを見るたびに形状が変わるのが「Temjin」シリーズ型番の「TJ12」だ。今年も2014年版「TJ12」がブース入り口で美女とお出迎え。さて、今度こそ製品化されるのだろうか。
美女のお次は「TJ12」のあらましを聞く、お馴染みマーケティング・マネージャーのTony Ou氏。相変わらずのさわやか系自作マニアだ |
エルミタでも幾度となく登場してきた「Temjin」型番の「TJ12」。今年もそのプロトタイプがブース入り口に鎮座していた。否が応でも目立つこのモデルは、聞くところによると現行「TJ11」にくらべ、最低でも50%は重量が増えている(「TJ11」は17.4kg)というから驚きだ。サンプルも「COMPUTEX」に合わせて急ピッチで用意されたらしく、担当者でさえ把握できていない所があるほどのホヤホヤモデルだった。
トップパネルを見ると、通気口仕様の4つの正方形が合体し、トップパネルを形成。POWERスイッチやアクセスポートも装備されているようだ(画像左)。なおジェラコンキャッチ式のパネルを外すと複雑な内部構造があらわになった(画像右) |
「TJ12」上部から内部を確認すると、フロントパネル側に3.5インチリムーバブルベイが3基装備。さらに10段仕様の拡張スロットを備え、マザーボードのバックパネルI/Oも確認できる。また傾斜がついたセンター部辺りには電源ユニットをマウント。つまり電源ケーブルやVGAケーブル、入力デバイス用ケーブルは全てトップ部から伸びるスタイルが採用されている。
フロントパネルを外し、前面から内部構造をさらにチェック。なおよく見ると「逆ハの字」デザインである事が分かる。これはデザイン性を考慮してのものらしい |
次にフロントパネルを取り外すと、まず目に飛び込んでくるのは斜めに固定されたプレートの存在。日本家屋の階段の裏的な装備品は、ボトム吸気ファンのエアフローをCPUクーラー部(上部)に集中させるためのものらしい。
次にボトム部に目を移すと、なんと180mm口径ファン4基が装備されており、大風量が筐体内部を下から上へ吹き抜ける仕組み。さらに9分割された冷却ファンマウントステイには、120mm口径ファンが最大9基実装できる。なお展示サンプルには120mmサイズラジエターのオールインワン水冷ユニットが2基マウントされており、説明によると「9台の120mmサイズラジエターが搭載できます!」との事。さすがに現実的ではないものの、好きな箇所にマウントできる自由度こそ評価すべきポイントというワケだ。
対応フォームファクタはE-ATXなど現存するコンシューマ向けマザーボードはほぼすべてサポート。グラフィックスカードを含め、「どんなサイズでも搭載できる」点が「TJ12」のコンセプトとなっている |
さて肝心の発売時期だが、恐らく1年近くはかかるだろうとのこと。気長に待つしか無い点は「TJ12」型番の伝統といったところか。
文: GDM編集部 松枝 清顕
SilverStone Technology Co., Ltd.: http://www.silverstonetek.com/