2014.06.05 00:41 更新
2014.06.05 取材
PowerColorブランドを展開するTUL Corporation(本社:台湾)は、今年もオリジナルの最新世代デュアルGPUグラフィックスカードを持ち込んできた。空冷最強を謳う限定仕様のモンスターカード「Devil 13 Dual Core R9 290X」の勇姿、存分に堪能しよう。
ドデカいオリジナルのデュアルGPUグラフィックスに定評のあるPowerColor(TUL)は、今年も分厚いモンスターカードをデビューさせた。ブースで取材班を出迎えてくれたのは、去る5月にリリースが打たれたRadeon R9 290Xデュアル実装の「Devil 13 Dual Core R9 290X 8GB GDDR5」だ。
ブースの主役は、Radeon R9 290Xをデュアル搭載する「Devil 13 Dual Core R9 290X」。2つの爆熱GPUを3層クーラーで抑えこむ、空冷最強のグラフィックスカードだ |
「Devil 13」の名を冠する、限定仕様の超ハイエンドカード。ドクロ3枚重ねのユニークな保証書など、細部までいちいち凝っている |
まず度肝を抜かれるのが、ズシリと重量感のあるその巨体。そしてその重量のほとんどが由来するであろう、3スロット占有の大型空冷クーラーだ。合計10本の極太ヒートパイプと分厚いヒートシンク、大小2つのブレードを組み合わせたトリプルファンが搭載されている。
デュアルGPUとしてはAMDからRadeon R9 295X2が発売されているが、あまりの発熱から、水冷・空冷のハイブリッド冷却を採用しているのはご存知の通り。単体でも高負荷時90℃オーバーというR9 290Xをデュアル搭載しながら、「高負荷時でも発熱を80℃前後に抑えることができる」(担当者)という冷却パフォーマンスこそ、“Devil 13”の真骨頂だ。
ヒートシンクカバーから極太ヒートパイプが覗く、3スロット占有の「Devil 13」。補助電源は8pin×4という規格外の仕様で、カード裏面全体もアーマーでガッチリと鎧われている |
ロゴマークの向こうには、ワンタッチでブーストアップできる「OCボタン」を実装。インターフェイスはDVI×2、HDMI×1、DisplayPort×1の4系統で、2枚挿しによるQuad CrossFireXにも対応する |
主なスペックはコアクロック1,000MHz、メモリクロック5,400MHzで、GDDR5 8GBメモリを実装する。そして本体には「OCボタン」が用意されており、押すだけでパフォーマンスを引き上げることが可能だ。ただしどの程度の上昇率にするかなど、詳細は現在調整中らしい。
また、PCI-Express補助電源は8pin×4構成で、最小要求電力は1,000Wというから、これまた凄まじい。インターフェイスはDVI-D×2、HDMI×1、DisplayPort×1を備え、単体で4K2K解像度のデュアルディスプレイ出力が可能だ。
ちなみに実際に国内での取り扱いが予定されており、発売は7月中の見込み。価格は、担当者曰く「Radeon R9 295X2と同等レベルで抑えたい」とのこと。とことん空冷にこだわった最強グラフィックス、興味のある人は今から準備しておこう。
朱印の封蝋が捺されたパッケージはじめ、毎度の通り付属品も豪華絢爛。なんとRazer製ゲーミングマウス「Ouroboros」も同梱される |
デュアルGPUカードだけじゃない、「TURBO TIMER」なるユニークなオプションキットも展示中。対応モデルは今後拡大予定という |
最後に、ブースの一角で発見した「TURBO TIMER」をご紹介しておこう。これはRadeon R9 270X搭載グラフィックスカード「PCS+ R9 270X 2GB GDDR5」に対応する、背面装着型のオプションキットだ。
動作時にユニット内部のコンデンサに蓄電、システムのシャットダウン後はその電力を使ってファンを一定時間回転させる。熱を滞留させず一気にクールダウンさせることで、OC仕様のカード寿命を向上させるという代物だ。現在は上記の1機種のみだが、今後は対応モデルを拡大させる予定という。
装着したカードの寿命向上に効果アリなオプションキット。今のところ対応機種は1機種のみだが、今後は続々登場することが見込まれている |
内部に実装されたコンデンサに蓄電、その電力で電源OFF後もファンを回転させる仕組み。対応モデルの背面に実装される、こちらの拡張端子に接続する |
文: GDM編集部 絵踏 一
TUL(PowerColor): http://www.powercolor.com/