2014.10.03 11:38 更新
2014.10.03 取材
すでに一部で噂になっているが、アキバにおける老舗ラーメン店のひとつ「元祖一条流がんこラーメン 八代目」が近く閉店することになった。独特なラーメンの味もさることながら、ご店主の人柄もあって常連客も多かった同店。アキバ名物のひとつが姿を消してしまうのは寂しいかぎりだが、馴染みの客もそうでない人も、閉店前に一度は足を運んでおきたい。
営業中に吊るされた骨と真っ黒な外装がトレードマーク。創業20年を数える老舗ラーメン店だが、この間から「お店譲ります」の張り紙が出されていた |
軒先にぶら下がる骨に真っ黒な外装、パンチのきいた注意書き。「一条流がんこ」の正統のれん分けである、末広町の「元祖一条流がんこラーメン 八代目」が近く閉店する。まだ飲食店の少ない20年以上前からアキバに根ざしてきた老舗のラーメン店で、ショップスタッフの中にも常連客は多い。一度味わったら忘れない独特の“しょっぱさ”と、名物店主である北沢邦男さんのひょうきんで明るい人柄から、アキバ通いの人たちに長く愛されてきた。
ところがしばらく前から、店内に「引退に付 お店譲ります」の張り紙が掲示。居抜き物件として売りに出されていることが明らかになり、そう遠くない時期に閉店することがわかった。
名物店主の北沢邦男さん(71歳)。ラーメンの味ももちろんのこと、同氏の人柄にひかれて足繁く通っていた常連客も多い |
清掃の行き届いた厨房にて。こちらの寸胴は開店時から使い続けているという |
名物は“しそ風味”の塩ラーメン。琥珀色の淡麗系スープが特徴で、この“しょっぱさ”は一度味わったらクセになってしまう |
そもそもご店主の北沢さんが年齢から「そろそろ引退」と考えていたこともあるが、店をたたむ決心をしたのは「後継者と見込んでいた弟子が継がないことを決めたため」(同氏)という、いわゆる後継者問題があるようだ。
今のところ明確な閉店時期は不明なものの、居抜き物件として買い手がつき次第の閉店になるとのこと。それまでは通常営業(日・月・祝日は休業)ながら、「不定休、早上がりもあり」ということで、確実に食べに行くなら11:30の開店時から15:00までの間がよさそうだ。
ラーメンを用意する際も居合わせた客との賑やかなトークを欠かさない。ちなみに今回は取材に際して、10年以上の常連という三月兎2号店の原田さんに同席していただいた |
一見さんはつい身構えてしまいそうな、店頭・店内の注意書き。ただし普通に店内では和気あいあいと会話が飛び交うほか、常連から「スープはぬるいよね」という声も。一度冷凍したチャーシューを入れるおかげで、スープはやや温度が下がるらしい |
こちらが特有の味わいを生むカエシ。「しょっぱすぎる」という人には薄めに出してくれるなど、「がんこ」といいながら柔軟にリクエストに応えてくれる |
なお、北沢さんによれば「閉店が正式に決まった際は張り紙を出す」とのことで、近くを通った場合はチェックしておきたい。閉店に際しても「お客さんとしっかり話しながら応対したい」という思いから、特に変わったことをするつもりはないという。いずれにしても、アキバ屈指の美味しいラーメンが味わえるのもこれが最後。常連客も一見さんも、閉店前に一度は足を運んでおこう。
休業日は日・月・祝日ながら「不定休、早上がりはご勘弁」(北沢さん)とのこと。遅くとも18:00頃には閉店するそうで、確実に食べるには早めに来店するのが吉だ |
文: GDM編集部 絵踏 一