2014.10.09 04:16 更新
2014.10.08 取材
エムエスアイコンピュータージャパン株式会社(本社:東京都台東区)は10月8日、秋葉原で「MSIゲーミングノートブックPC 新製品内覧会 2014秋」を開催。7日に正式発表されたばかりのNVIDIA製モバイル向けGPU GeForce GTX 980M/970Mシリーズを搭載したノートPCの新製品をメディア向けに公開した。ゲーミングノート市場で確固たる地位を築きつつあるMSIが新たに投入したモデルは、ハイエンドデスクトップPCに匹敵するモンスターだ。
進行と製品解説を担当したエムエスアイコンピュータージャパン株式会社 営業部システム営業課 課長の三好 正行氏 |
進行役のエムエスアイコンピュータージャパン株式会社の三好 正行氏によってお披露目されたのは、完全新作の最上位モデルでGeForce GTX 980M(GDDR5 8GB)を搭載する「GT72 2QE Dominator Pro」シリーズ。既存モデルのGPU変更版でGeForce GTX 970M(GDDR5 3GB)を搭載する「GS70 2QE Stealth Pro」シリーズと「GS60 2QE Ghost Pro 3K」シリーズ。製品発表に先立ち、会場には多数のゲストが駆け付け、MSIの新作ノートPCデビューを祝福した。
株式会社アユート 代表取締役社長 渡辺 慎一氏 | キヤノンマーケティングジャパン株式会社 ITプロダクト推進本部 ナショナルアカウント営業部 村中 恒夫氏 |
株式会社マイルストーン 流通事業部 部長代理 西潟 良祐氏 | ゲーミングチーム「Galactic」マネージャー 江尻 勝氏 |
また特別ゲストとして、エヌビディアジャパン プラットフォーム ビジネス本部 テクニカル マーケティング エンジニアの矢戸 知得氏が登壇。正式発表を済ませたばかりのモバイル向けGPU GeForce GTX 980M/970Mシリーズについての解説が行われた。
エヌビディアジャパン プラットフォーム ビジネス本部 テクニカル マーケティング エンジニアの矢戸 知得氏によるGeForce GTX 980M/970Mシリーズについての解説も実施された |
GeForce GTX 980Mと旧世代のGeForce GTX 680Mと比較するとパフォーマンスは2倍に | バッテリー駆動時間を延ばす「Battery Boost 2.0」もさらに進化。League of Legendsのような軽めのタイトルであれば、約120分はACアダプタなしでプレイできる |
GeForce GTX 980M搭載の「GT72 2QE Dominator Pro」。完全新作のデザインは重量感抜群。並みのデスクトップPCなら顔負けのハイパフォーマンスを実現した |
発表会の主役となったのは、もちろん最上位モデルの「GT72 2QE Dominator Pro」シリーズだ。詳細スペックについてはリリース記事に詳しいのでそちらを参照頂くとして、ここでは新機能にスポット当て紹介していこう。
デバイスマネージャーを確認。CPUに「Core i7-4710HQ」を搭載し、GPUにはGeForce GTX 980Mを搭載している |
GeForce GTX 980M搭載のフラッグシップモデルにあたる「GT72 2QE Dominator Pro」シリーズは、CPUに「Core i7-4710HQ」を搭載し、フルHD解像度に対応する17.3インチ液晶を採用。「シンプル」「高級感」「マッスルボディライン」のコンセプトに基づき設計された外観デザインは精悍な印象だ。
外形寸法はW428×D294×H48mmで、重量は約3.78kg。
MSI台湾本社のラボでは「3DMark 11」のベンチマークスコアが10,000オーバーを記録。モバイルGPUとしては初の快挙だという |
「スポーツカーのリアインテークをイメージした」とされる背面部は、両サイドに排気口を装備。電源コネクタやLANポート、ディスプレイ出力を中央に集約し、マルチディスプレイ利用時のケーブルマネージメントがし易くなっているという。
両サイドの排気口に挟まれた中央部にmini DisplayPort×2とHDMI×1のディスプレイ出力を装備。マルチディスプレイ利用時のケーブルマネージメントに配慮した格好。本体の液晶パネルと合わせて4画面同時表示ができる | 230WのACアダプタは実測値の外形寸法がW80×D170×H35mmと大型の部類だ |
右サイドには書込対応のBlu-rayドライブ、USB3.0×2を装備 | 左サイドにはUSB3.0×4に加えてサウンド系の各ポート、カードリーダーが用意される |
MSI製のゲーミングノートといえば、販売ショップによるカスタマイズモデルも大きな魅力のひとつだ。新たに「店頭でのBTO販売を視野に設計した」と謳うデザインを採用し、底面カバーには1枚パネルを使用。車のボンネットを開けるように内部へのアクセスが容易となった。内部構造も、メモリや各種ストレージ、M.2対応SSDなどの増設や交換が簡単にできる構造になっているほか、将来的なMXMモジュールへの換装も考慮したとされる(ユーザー自身がパーツ交換をした場合には保証がなくなるので注意が必要)。
カスタマイズを前提とし、内部へアクセスしやすい構造に。購入の際には、より自分好みのスペックで注文することができる |
3パターンが用意される「SHIFT」機能。シーンによってリニアに切り替えることで、PCに無駄な負荷をかけずに済む。ACアダプタ接続時のみ動作する機能だが、積極的に利用してみたい |
「GT72 2QE Dominator Pro」シリーズの注目機能として紹介されたのが「SHIFT」だ。これは使用状況に応じて、あらかじめ用意されたCPU/GPUの動作モードを選択できるというもの。動作モードは、あくまでメーカーオフィシャルセーフティガイドライン内となるが、CPU/GPUの性能を最大限に引き出す「Sport」、GPU動作を制限し、89℃以下を維持する「Comfort」、CPU/GPUの動作を制限しどちらも85℃以下を維持する「Green」の3パターンが用意される。
これらのモードは、「Fnキー」+「F7キー」を押すたびに各モードへ移行。例えば、ゲームを起動したので「Sport」モード、ネット閲覧中なので「Green」モードといった使い方ができるワケだ。なお「SHIFT」は、バッテリーモード中の動作は非対応。ACアダプタ接続時のみ動作する機能となる。
「SHIFT」変更は「Fnキー」+「F7キー」で実行。専用ユーティリティ「Dragon Gaming Center」でも実行中のモードを変更/確認することができる |
さて、ゲーミングシーンには欠かせないキーボードもチェックしておく。打鍵感に優れキーカスタマイズやマクロにも対応したSteelSeries製キーボードは今回も健在。さらに、従来よりキーボードイルミネーションが2倍明るくなったほか、タッチパッドの周囲やSteelSeriesロゴが光るといったギミックも追加され、よりゲームミングらしい作りとなった。
そのほか、立体音響が楽しめる「DYNAUDIO」、高インピーダンスヘッドホンもサポートする「Audio Boost2」を備える。「GT72 2QE Dominator Pro」シリーズの発売は11日から開始される予定で、市場想定売価税抜271,800円~315,800円だ。
カラーバックライト付SteelSeries製日本語キーボード。左サイドには、電源ボタンと4つのダイレクトゲーミングキーが縦に配置。マルチメディア配信ソフト「XSplit」等へのアクセスが可能だ(6ヶ月間無料ライセンスが付属)。 |
既存モデルのGPU変更版でGeForce GTX 970M(GDDR5 3GB)を搭載する「GS70 2QE Stealth Pro」シリーズと「GS60 2QE Ghost Pro 3K」シリーズも確認しておこう。CPUはどちらも「Core i7-4710HQ」を搭載。メモリは最大16GB、ストレージは最大256GBのM.2対応SSDと、7,200rpmの1TB HDDの搭載にも対応する。そのほか、IEEE802.11acに対応無線LANや低遅延ネットワークチップ「Killer DoubleShot」、SteelSeries製キーボードが採用される。
「GS70 2QE Stealth Pro」シリーズは、フルHD解像度に対応する17.3インチ液晶を採用したモデル。厚さ21.8mmの本体は、重量をリチウムポリマー6セルバッテリ(60wh)込みで1.9kgに抑えた。発売は11日からの予定で、市場想定売価税抜199,800円から。
フルHD解像度に対応する17.3インチ液晶を採用した「GS70 2QE Stealth Pro」シリーズ |
「GS60 2QE Ghost Pro 3K」シリーズは、解像度2,880×1,620ドットの3K対応15.6インチ液晶を採用したモデル。厚さはシリーズ最薄となる19.9mmを実現しているのが特徴。重量は「GS70 2QE Stealth Pro」シリーズ同様、リチウムポリマー6セルバッテリ(60wh)込みで1.9kg。発売は10月中を予定しており、市場想定売価税抜で約217,000円前後の予定だ。
解像度2,880×1,620ドットの3K対応15.6インチ液晶を採用。シリーズ最薄となる19.9mmを実現した「GS60 2QE Ghost Pro 3K」シリーズ |
文: GDM編集部 Tawashi
エムエスアイコンピュータージャパン株式会社: http://jp.msi.com/