2014.10.09 18:00 更新
2014.10.09 取材
干渉の少ない60GHz帯を使用する最新通信規格、「WiGig」に対応する無線モジュールをパナソニック株式会社(本社:大阪府門真市)ブースで発見。CD-ROMサイズのデータをわずか数秒で転送できるそのパフォーマンスは要注目だ。
2台のPCを使った実動デモ。実効転送速度は180MB/sec~190MB/sec前後で、CD-ROMと同等サイズの700MBファイルでもわずか数秒で転送できる |
パナソニックでは、CEATEC JAPAN 2014に合わせて、最新通信規格「WiGig」に対応する無線モジュールを発表した。
「WiGig」では60GHz帯の電波を使用することで、最大7Gbpsの高速通信を実現。また既存のWiFiで使用されている2.5/5GHz帯に比べて、干渉が少ないため、安定した通信が行えるのが特徴だ。
今回パナソニックブースに展示されていたのはUSB3.0接続タイプの製品で、物理層の最大転送速度は2.5Gbps(実測理論値は2.0Gbps)。消費電力は平均600mW、最大でも1W前後の低消費電力駆動に対応し、USBバスパワー駆動でも安定した動作ができるという。
今回のデモで利用されていたのは、USB3.0接続の無線アダプタ。消費電力は最大でも1Wまでしか上がらず、バスパワー駆動でも安定動作するという |
ただし既存の無線LANに比べて、電波の到達距離が短く、最大転送速度が実現できるのは2~3mまで。5mでは約半分、10mでは300Mbps程度まで速度が低下するため、PCからタブレットへの大容量データ転送や室内のストリーミングなど、ピアツーピア用途が中心になるだろう。なお担当者によれば、早ければ年末、遅くても来年の前半には量産を開始できるとのこと。
通信距離が短い「WiGig」では、利用者が増えた場合でも電波干渉の影響が少なく、適正距離であればほぼ公称値通りのパフォーマンスが期待できる |
文: GDM編集部 池西 樹
CEATEC JAPAN 2014: http://www.ceatec.com/ja/