2014.10.10 11:29 更新
2014.10.10 取材
初の8K対応液晶など出物が多かったシャープ株式会社(本社:大阪市阿倍野区)は、ブースを大きく使って新技術「MEMS-IGZOディスプレイ」搭載タブレットも初展示。圧倒的な色再現性や視認性、省電力性は要チェックだ。
シャープが今月リリースしたばかりの「MEMS-IGZOディスプレイ」を搭載したタブレットが参考展示。Pixtronixの「MEMS」とシャープの「IGZO」を融合、まったく新しいディスプレイが完成した |
シャープが2015年上半期の発売を目指している、新技術「MEMS-IGZOディスプレイ」搭載タブレット。会場では、担当者が「ほぼ完成版」と語るサンプルが参考展示されていた。
この「MEMS-IGZOディスプレイ」は、米Qualcomm子会社のPixtronixが保有する「MEMS(MEMS:Micro Electro Mechanical System/微小電気機械システム)」ディスプレイとシャープの「IGZO」技術を融合させたディスプレイ技術。マイクロシャッターでRGB(赤緑青)のLEDバックライトを1/10000秒で高速開閉させる仕組みで、一般的な液晶ディスプレイに比べ約2~3倍の光学効率を誇る。
カラーフィルターや偏光板を使用せずバックライトをそのまま取り出せるため、NTSC比120%の高い色再現性を実現。さらに透過性能が高いことから、「同じ輝度なら現行IGZO液晶から消費電力は半分以下で済む」(担当者)という。
ディスプレイの動作イメージ。マイクロシャッターを高速開閉してバックライトを取り出す仕組みになっている | |
ディスプレイは、それぞれ輝度や消費電力の異なる「動作モード」の切り替えに対応する。これは「MEMS」のマイクロシャッター制御により実現する機能だ |
また、シャッター制御によりシーンやコンテンツに応じた駆動モードの切り替えにも対応。鮮やかな色を再現できる「高色再現モード」や外光下での視認性に優れた「高輝度モード」、超省電力駆動を実現する「白黒表示モード」の3パターンをワンタッチでスイッチすることができる。
現時点で「メディアタブレット」と仮称されている端末のスペックは、液晶解像度が1,280×800ドット、プロセッサはQualcomm Snapdragon 800、OSはAndroid 4.4が搭載される予定。IPX5/IPX7準拠の防水・防塵に対応するほか、NTTドコモのLTE/3G(SIMロック)をサポートする。
一般的な液晶との比較展示も。外光下でもクッキリ見える高輝度性能のほか、圧倒的に少ない消費電力などを確認できる | |
表示モードの切り替えは、ワンタッチのシンプル仕様。コンテンツなどに応じて任意にスイッチすることができる |
文: GDM編集部 絵踏 一
CEATEC JAPAN 2014: http://www.ceatec.com/ja/