2014.10.11 00:59 更新
2014.10.11 取材
IT・エレクトロニクスの最先端技術が集うCEATEC JAPAN 2014では、普段あまり触れる機会のないアイテムも多数展示されている。今回はその中から人工衛星にスポットを当てて紹介していこう。
小惑星イトカワからの帰還に成功した「はやぶさ」をベースに、改良が加えられた「はやぶさ2」。今回は炭素系物質を主成分とするC型小惑星「1999 JU3」に向かうため、11月30日に打ち上げられる予定だ |
日本電気株式会社(NEC/本社:東京都港区)ブースでは、11月30日に打ち上げが予定されている小惑星探査機「はやぶさ2」や、標準衛星システム「NEXTAR」の模型を展示していた。担当者によれば、NECでは人工衛星を自社一貫開発できる体制を整えており、「はやぶさ2」についても、JAXA指導のもとプライムコントラクター(主契約者)として、製造・試験などほぼすべての工程をおこなっているという。
「はやぶさ」での反省を元に、アンテナや表面試料の採取部分に改良が加えられている | |
こちらはNEC標準の衛星システム「NEXTAR」 |
2010年に打ち上げられた準天頂衛星「みちびき」。2017年から追加3機の打ち上げが決定し、計4機体制を確立。その後順調に進めば最終的には7機体制を目指すという |
三菱電機株式会社(本社:東京都千代田区)ブースでは、GPSを上回る高度測位を可能にする準天頂衛星「みちびき」や、地図作成・地域観測・災害状況把握・資源探査を行う陸域観測技術衛星「だいち2号」の模型を展示。またウェアラブルグラスを使ったバーチャル宇宙体験コーナーも設けられ、長蛇の列ができていた。
今年5月に打ち上げが成功した陸域観測技術衛星「だいち2号」 | |
ウェアラブルグラスによるバーチャル宇宙体験コーナーには、1日中長蛇の列ができていた |
超小型衛星なら、従来の約1/100程度にあたる数億円で打ち上げが可能。現在は東京大学の「Hodoyoshi-1」のプロジェクトが進められている |
ベンチャーエリアの一角には、超小型衛星で短納期・低価格を打ち出した株式会社アクセルスペース(本社:東京都千代田区)が出展。2013年にはウェザーニューズの北極海域における海氷観測衛星「WNISAT-1」を打ち上げ。現在は、東京大学の地球観測衛星「Hodoyoshi-1」の打ち上げ準備を進めているという。
「Hodoyoshi-1」のサイズはW60×D60×H60cm、重量60kgと通常の人工衛星に比べると非常にコンパクト |
文: GDM編集部 池西 樹
CEATEC JAPAN 2014: http://www.ceatec.com/ja/