2014.10.16 03:10 更新
2014.10.16 取材
CORSAIR Components, Inc.(本社:アメリカ カリフォルニア州)は2014年10月15日、秋葉原にて、極彩色のイルミネーションを実現する「Cherry MX RGB」搭載ゲーミングキーボードを国内メディア向けに初披露した。Cherryとタッグを組んで実現した、世界初の“フルカラーライティング”がもうすぐ日本にやってくる。
Cherryブランドを擁するZF Electronics GmbH(本社:ドイツ)から昨年末に発表された、「Cherry MX RGB」搭載キーボードの第一弾がCORSAIRからいよいよ発売される。両社の共同開発で誕生したまったく新しい構造のCherry MXスイッチで、メカニカルキーボード初の1,680万色イルミネーションを実現。「2014 International CES」や「COMPUTEX TAIPEI 2014」に出展され、話題をさらったのは記憶に新しい。
製品はCORSAIR「Vengeance」シリーズのゲーミングキーボードがベースになっており、日本市場向けにはスタンダードなフルキーボードの「K70 RGB」、マクロ専用キー「G Key」を備えた大型モデル「K95 RGB」、テンキーレスモデル「K65 RGB」の3製品がラインナップされている。
コレが新設計スイッチ「Cherry MX RGB」。3色LEDを基板実装し、透明ハウジングと内蔵レンズで全方位を明るく照らす。打鍵感をもたらす機構は従来と同様で、赤軸や青軸などこれまでと変わらないフィーリングが味わえる |
新スイッチは金型から新設計したという透明ハウジングが特徴で、PCBデザインも従来から大きく変更。これまでLEDユニットが実装されていた箇所にレンズを内蔵し、そのレンズが表面実装されたRGB LEDユニットの光を四方に拡散・照射する仕組みになっている。従来ではキートップが装着された真上しか照らすことができなかったところ、透明ハウジングとの組み合わせで、全方位を照らすことができるようになったというワケだ。
従来スイッチ(左)との最大の違いは、レンズをハウジングに内蔵したところ。なお、LEDにはパナソニックの制御技術が利用されているらしい | |
そして自在なライティングを可能にするスイッチを生かすのが、制御用のソフトウェア。「CUE」(キュー)と呼称される専用ユーティリティが用意され、腕次第で自分にしかないイルミネーションを生み出すことができる |
これらが搭載された「Cherry MX RGB」は、全スイッチがそれぞれ個別の制御に対応している。メーカー担当者いわく「この特性を生かす制御ソフトウェアの開発に最も苦労した」とのことだが、CORSAIRはローンチに合わせ専用ユーティリティ「Advanced Corsair Utility Engine(CUE/キュー)」を完成させた。
制御項目は担当者も「あまりに自由度が高く理解しきれない」と苦笑いするほど多岐にわたっており、光る色の選択から始まって、ウェーブやさざ波状、明滅など光り方の設定、さらには「タイマー機能」による時間の設定も可能。この機能を利用することで、ゲームにおけるスキルクールタイムの状況をカラー変化でユーザーに通知することもできるという。
カラーの色はもとより、光り方やその時間に至るまでの設定を網羅する。全キーのイルミネーションを制御できるのはもちろん、全てにマクロを割り当てることも可能だ |
なお、これらの設定はプロファイルとしてフォーラムでシェアすることが可能。すでに多数のプロファイルがアップロードされているとのことで、ユーザー全員が複雑な設定に挑む必要はなさそうだ。さらに被弾すると血しぶきが飛ぶなど、ゲーミングタイトルとタッグを組んだ専用エフェクトも検討しているという。こちらは「APIの開発など初期段階」とのことだが、今後新しいニュースを期待したい分野である。
また、ソフトウェア上ではマクロ設定も可能で、全キーにマクロを登録することができる。さらにそれぞれのキーは、押下時とリリース時を認識できる「ダブルマクロ(デュオマクロ)機能」に対応。押して爆弾を設置、離して爆破するなど、1キーに2パターンの動作を割り当てることができる。
スタンダードなフルキーボードモデル「K70 RGB」。従来モデル同様、全キー同時押しやフルアンチゴーストをサポートする第一級のゲーミングキーボードだ | |
ケーブルは脱着式あらため極太ケーブルによる直結タイプに。背面スイッチでレポートレート(最大1,000Hz)を切り換えることも可能だ |
主な機能は既存モデルの「Vengeance」シリーズに準拠しており、Nキーロールオーバーによる全キーの同時押しや、入力抜けを防ぐ100%アンチゴースト機能を搭載する。また、展示機はすべて英語配列モデルだったものの、日本での発売時には全モデルが日本語配列仕様に。キースイッチは「CORSAIRキーボードユーザーの8割がチョイスしている」というCherry MX赤軸モデルが用意されることになった。日本市場向けには赤軸以外に青軸搭載モデルを投入するとのことだが、こちらの発売時期は未定となっている。
なお、気になる市場想定売価は、マクロキー付き大型モデル「K95 RGB」が税込32,180円、フルキーボード「K70 RGB」が税込28,800円、テンキーレスモデル「K65 RGB」が税込23,200円。さすが新機構採用モデルだけにプレミアム感あふれる価格設定だが、自由自在のバックライト機能は圧巻の一言。単なるキーボード以上の満足感を得られることは間違いないだろう。今月下旬から発売開始、コアなゲーマーは心して待とう。
日本で人気が出そうなテンキーレスモデル「K65 RGB」もラインナップする。なお、全モデルが備えるパームレストは必要に応じて着脱可能だ | |
日本市場での取り扱いを予定しているという、青軸モデルもこっそり登場。ワールドワイドではこれら赤軸と青軸モデルに加え、茶軸モデルもラインナップ(国内取り扱い予定なし)しているようだ |
文: GDM編集部 絵踏 一
CORSAIR: http://www.corsair.com/