2014.11.29 12:00 更新
2014.11.29 取材
マウスを使わず「視線」だけでPCが操作できる、アイトラッキングシステム「Tobii EyeX」のデモコーナーがG-Tune:Garage 秋葉原店に登場。本日29日より一般向けに稼働を開始する。まるで超能力者やニュータイプになったような、新感覚のゲームプレイを店頭で体感してみよう。
ディスプレイ下部に設置された、スティック状の「Tobii EyeX」。このデバイスが目の動きを検出し、視線だけのPC操作・ゲームプレイを可能にする |
Oculus Riftに続き、G-Tune:Garage 秋葉原店に新たな最先端デバイスのデモコーナーが登場。今回設置されたのはトビー・テクノロジー株式会社(本社:東京都品川区)が手がける「Tobii EyeX」の試遊マシンで、従来マウスで行っていた「クリック」「スクロール」などの操作を視線だけで行うアイトラッキング(視線追跡)技術が体感できる。
本体はUSB接続のスティック状デバイスで、液晶ディスプレイ下部に貼り付けて使用する。搭載された3つの近赤外線センサーと中央のカメラを組み合わせ、眼球の向きや瞳孔の状態を検出。視線移動をアルゴリズムで算出することで、視線だけのハンズフリー操作が可能になるという仕組みだ。
デモマシンにはアイトラッキング対応ゲーム「Eye Asteroids」がインストールされており、地球に襲い来る小惑星や敵を視線だけで撃ち落とすという、新感覚のゲームプレイを味わうことができる。
デモマシンでは、アイトラッキング対応ゲーム「Eye Asteroids」をプレイ可能。地球に迫る小惑星や敵のミサイルなどに視線を向けるとレーザー照射、撃ち落としてハイスコアを目指すという内容だ | |
驚いたことに、「START GAME」などのゲームコマンドも視線移動で実行可能。また、離席するなどして視線がそれると、自動的にポーズ画面へ移行する仕組みになっている |
ちなみにアイトラッキング技術によるPC操作は、医療・福祉分野ですでに確立されている技術。スウェーデンにグローバル本社を構えるトビー・テクノロジーはその分野におけるフロントランナーで、世界トップのシェア50%以上を誇る。目の色や性別、年齢など人によって千差万別な眼球の認識率は90%以上(メガネ、コンタクトにも対応)とのことで、「実質的に誰にでも使えるデバイス」(メーカー担当者)だ。タッチや音声など多分野の技術を組み合わせることで、今後はゲーミングはじめコンシューマ市場への進出を積極的に目指していくという。
アイトラッキングを有効化するには、初回にキャリブレーションが必要。所要時間は数十秒程度で、視線の方向はもちろん、片目をつむった場合もきちんと認識できている | |
「Tobii EyeX」は現在開発者向けに出荷が始まっており、95ドルで入手できる。動作にはUSB3.0インターフェイスやCore i7/i5などの環境が必要で、24インチまでのディスプレイに設置できる |
なお、デモされている「Tobii EyeX」は現在開発者向けに「開発者キット」(期間限定95ドル)の販売も行われており、一般ユーザーでも入手可能。製品には開発用のSDKとデモ用ゲームが含まれており、対応コンテンツの制作を行うことができる。動作環境には、接続インターフェイスUSB3.0、Core i7/i5相当のCPU、メモリ8GBが必要となる。
文: GDM編集部 絵踏 一
G-Tune:Garage 秋葉原店: https://www.gdm.or.jp/shop/2013/0803/40629
トビー・テクノロジー株式会社: http://www.tobii.com/ja-JP/eye-tracking-research/japan/