2015.03.19 11:28 更新
2015.03.19 取材
株式会社シグリード(本社:神奈川県横浜市)製のSSDコントローラ「SL2007」を搭載するサンプル基板が、パソコンショップアークで展示中だ。日本メーカーが開発した国産SSDコントローラという事で、国内の自作ユーザーのみならず気になる存在といえる。
株式会社シグリードは、神奈川県横浜市に本拠を置くLSIのファブレスデザインハウス。LSIの開発・設計・販売のほか、信号処理アルゴリズムの研究・開発、IP(Intellectual Property)の開発・設計・販売等を行っている。
パソコンショップアークで展示されているのは、シグリードが開発したSSDコントローラ「SL2007」を搭載する内部基板。2.5インチサイズの基板上には「SL2007」のほか、NANDチップとしてMicron製が2TB分(認識する容量は1TB分)搭載されているという珍しいものだ。同社担当者によると、「展示サンプルは動作しないが、すでにSSDとして動作するサンプルもある」とのこと。
SSD向けのコントローラIC「SL2007」 |
コントローラとしての特徴は独自の技術により開発されたECCを搭載しているため「MLC/TLC NANDフラッシュメモリを使っても高信頼性のSSDモジュールが実現できる」という。なお、パフォーマンス面では、シーケンシャル読込が550MB/sec、シーケンシャル書込が450MB/secでインターフェイスはSATA3.0(6Gbps)。対応するNANDはSLC/MLC/TLCでAsynch、Synch、ONFI3.1、Toggle2.0をサポートしている。
強力なECC技術の独自開発に成功し、NANDフラッシュメモリの寿命を5倍にすることが可能に。最先端微細プロセスで製造されたMLC/TLC NANDフラッシュメモリを使ったSSDでも、従来と同等かそれ以上の信頼性と寿命を実現することができるという |
製品化については現在、国内外の数社と交渉中で、「2015年中には採用SSDが発売される可能性が高い」とのこと。生産工場こそ海外へ委託することになるが、国内メーカー開発の国産SSDコントローラ採用品という事になれば注目度は高い。勝手な想像ながら、国内メーカーが手掛けるNANDフラッシュと組み合わせて“日の丸印のSSD”などと夢も膨らむばかりだ。
「SigNASII」を用いることにより、NANDフラッシュメモリの信頼性評価やエラー解析、サイクルテスト、エラー要因解析、アクセスタイム測定などを容易に行うことができる |
展示は4月6日(月)まで(4月下旬から再開予定)。なお、販売価格が約4,500,000円という、シグリードが手掛けたNANDフラッシュメモリテスタ「SigNASII」の展示/デモも行われているので、こちらもチェックできる。
文: GDM編集部 Tawashi
株式会社シグリード: http://www.siglead.com/
パソコンショップアーク: https://www.gdm.or.jp/shop/ark/