2015.03.23 00:00 更新
2015.03.21 取材
2015年3月21日(土)、ツクモパソコン本店 4Fイベントスペースにおいて、ASUS JAPAN株式会社(本社:東京都千代田区)協力によるイベント「ASUS マルチメディアイベント」が開催された。イベントでは「ハイエンドデジタルオーディオ聴き比べ」(第1部)、「STRIX/R.O.G.シリーズの紹介」(第2部)の各セッションが行われたが、中でも最も注目されたのは第3部「どれだけ速いの?USB 3.1」だ。秋葉原でも初となる、USB3.1対応カードを使ったベンチマークを公開。今回は本格的普及が期待される次世代インターフェイスにフォーカスし、そのパフォーマンスをご紹介しよう。
「ASUS マルチメディアイベント」と銘打たれた今回のイベント。前半は発売されたばかりのUSB DAC「Essence III」をはじめ、ゲーミングシリーズのSTRIX/ROG、さらに無線LAN中継器「RP-AC52」からドライブレコーダーまで、同社マルチメディア商品を紹介。いずれもASUSらしい気になる存在だが、中でも最大のトピックとなったのは、自作ユーザーの誰もが気なる転送速度10Gbpsの次世代インターフェイスUSB3.1のセッションだろう。
USB DACからゲーミングデバイス、ドライブレコーダーまで開発に携わったASUS JAPAN株式会社カントリープロダクトマネージャーのPeter Chen氏 | 「USB3.1は将来性もあり、夢のような規格だ」と説明をするASUS JAPAN株式会社プロダクトマネージメントFAEの安藤 善章氏 |
今回、お披露目されたのは将来的に「ASUS製のマザーボードにバンドルされる予定」というUSB3.1対応カード「USB 3.1 2-PORT CARD」。PCI-Express2.0(x2)インターフェイスに対応し、USB3.1をサポートする2ポートのType-Aコネクタを装備する。なお、コントローラチップには、ASMedia製「ASM1142」が実装されていた。
USB3.1対応カード「USB 3.1 2-PORT CARD」 | |
2ポートのUSB3.1はType-A形状。カラーはUSB3.0の青から、薄い水色に変わっているだけで、少々判別しずらい |
また接続先のデバイスとして「USB 3.1 Enclosure」も紹介された。これは2.5インチサイズの外付けケース内に、mSATA対応SSDを2台、RAID 0構成で収めたもの。USB3.1のType-Cコネクタのほか、給電用のmicro USBコネクタも装備。テストではこれらのデバイスとASUS独自のユーティリティ「USB3.1 Boost」を使い、ベンチマークソフト「CrystalDiskMark 3.0.3」により計測結果が公開された。
「USB 3.1 Enclosure」はUSB3.1のType-Cコネクタのほか給電用のMicro USBコネクタも備えている |
「USB 3.1 Enclosure」を「USB 3.1 2-PORT CARD」のUSB3.1ポートに接続した場合と、オンボードのASMediaチップによるUSB3.0ポートに接続した場合との比較。結果、シーケンシャルリードが約2.1倍、シーケンシャルライトが約2.3倍、そして512Kのランダムリードが約1.9倍、ライトが約2.2倍と大幅な速度アップを果たしている。4Kのランダムリード・ライトこそ差はないが、NCQによるライトの数値は約1.3倍。書き込みにおけるNCQの効果が見て取れる。
「USB 3.1 Enclosure」を使ったテスト |
次に「USB 3.1 2-PORT CARD」に、USB3.0のデバイスにつないだ時のベンチマークが公開された。用意されたのは、Crucial製のSSD「MX100」シリーズ「CT256MX100SSD1」(256GB)をUASP対応USB3.0ケースに収めたものだ。
オンボードのASMediaチップとの比較では、速度が大きく向上している。これはUSB3.1がPCI-Express2.0(x2)の帯域を使用する事で「データ転送におけるボトルネックの改善が進んだから」だという。
「USB 3.1 Enclosure」を使ったテスト |
セッションを担当した安藤 善章氏によると、USB3.1の恩恵はスピードだけではないという。USB3.1のType-Cは“代替えモード”という機能によりDisplay PortやThunderboltのデバイスとの互換性を持たせる事ができ、「規格の壁を乗り越える可能性を秘めている」と解説。また電力供給においても「1.5A~3A(日本の一般家庭における電圧を100Vとするとなんと300Wだ)の電力をデバイスに供給することが可能となる」ことを強調。
さらにUSB3.1は今まで別々だったさまざまな規格を、一つにまとめることができる「夢の規格」であり、USB3.1で外部モニタと接続することができるようになるかもしれない。また、今まで電源供給が間に合わなかった外部ストレージなども、これからは「外部電源なしで使用可能となる」と語った。
ちなみに、型番末尾に「USB3.1」が付くと、USB3.1端子搭載モデル。「U3.1」が付くと「USB 3.1 2-PORT CARD」がバンドルされる事になる |
気になる日本市場での発売予定について、現段階では具体的な投入時期は決まっていないという。とはいえ、間もなくの登場を予感させるUSB3.1は今後、数多くのモデルが発売されることになりそうだ。
文: EGcast くろすけ
ツクモパソコン本店: https://www.gdm.or.jp/shop/tsukumo/
ASUS JAPAN株式会社: http://www.asus.com/jp/