2015.05.17 11:03 更新
2015.05.17 取材
株式会社アユート(本社:東京都台東区)は2015年5月16日、「春のヘッドフォン祭2015」(フジヤエービック主催)の会場内において、メディア向けにAstell&Kernブランド(iriver)ハイレゾ対応ポータブルオーディオプレイヤー最上位モデル「AK380」(型番:AK380-256GB-MT)の新製品発表会を開催した。
「AK380」は、プロフェッショナルの使用環境におけるニーズに応える事を目的とし、既存モデル「AK240」から更なる音質のブラッシュアップと機能の追加を果たしたという最新モデルだ。基本コンセプトは「原音忠実再生とプロフェッショナルの使用に応えられるスペック」(株式会社アユート 営業部マーケティンググループ 藤川 真人氏)。それを実現させるために採用されたのが、旭化成エレクトロニクス(AKM社)が手掛ける最新DACチップ「AKM AK4490」で、「AK380」はデュアルDAC構成で実装させている。
Astell&Kernブランドのハイレゾ対応ポータブルオーディオプレイヤー最上位モデル「AK380」(型番:AK380-256GB-MT) |
「AKM AK4490」は「AK240」で実現できなかった、再生ビットレート「32bit」の音源再生ができ、サンプリングレート384kHzまでのPCMがネイティブ再生可能。現状24bitまでの音源しかほとんど出回っていないが、旭化成エレクトロニクス Audio Meisterの佐藤 友則氏は「24bitの音源を32bitで処理することで、24bit処理では切り捨てられてしまうデータも処理する余裕ができる」と解説。より原音に忠実な再生が可能となったという。
32bitの「AKM AK4490」について。24bit処理では切り捨てられてしまうデータも処理する余裕ができるとしている |
また、VCXO(電圧制御水晶発振器)を搭載することで超低ジッタ0.2Psを実現している点も、音質にこだわるハイエンドユーザーには大きな魅力となるだろう。ちなみに気になるDSD対応に関しては「AK380」の公式ページの仕様表では「5.6MHz」までと明記されている。DACチップは11.2MHzに対応していることを考えると、今後のアップデートによる対応も期待したいところだ。
DACチップ「AKM AK4490」に解説役として旭化成エレクトロニクス Audio Meister 佐藤 友則氏が登壇した |
音質を追い込むために搭載されているイコライザーに関しては、「AK240」で搭載している10BANDイコライザーから、更に細かい音質が設定可能な「パラメトリックイコライザー」(20BAND)に変更されている。音質にこだわりを持つ一般ユーザーはもちろん、プロの現場でも使えるプレーヤーを意識した仕様と言えるだろう。
スタンドを兼ねたクレードルに装着するオプションのCDドライブ「Ripper」と接続された「AK380」。拡張性も大きなポイントとして紹介された |
また、今回発表されたトピックのひとつに、「拡張性」が挙げられる。会場内では「AK380」専用のアンプやスタンドを兼ねたクレードル、オプションのCDドライブ「Ripper」もお披露目され、今後展開が準備されていることが明らかとなった。さらに配信予定のアプリケーション「AK Connect App」を使うことで、DLNA経由でNASやPCの音源も再生可能となる。いわゆる「ネットワークオーディオ」の構築が可能で、自宅において高音質な音楽を楽しめる「据え置き機」としての機能を持つ。
スマートフォンやタブレットをリモコンとして使う事も。DLNA対応のプレーヤーとして、使い方の幅は非常に広がる |
今回、残念ながら発売日および予価について明らかにされなかったが、アユートによると、後日改めてアナウンスするとしている。その他、詳細スペックについてはリリース記事もご一読頂きたい。
文: EGcast くろすけ
株式会社アユート: http://www.aiuto-jp.co.jp/
iriver: http://www.iriver.jp/