2015.06.05 11:48 更新
2015.06.05 取材
Noctua(本社:オーストリア)ブースからのレポート第1弾は、「Next generation 120mm A-series fan」をご紹介しよう。単なる冷却ファンと思いきや、”とある工夫”により従来モデルに比べ、回転数を落としても風量が向上するという。とある工夫とは?
今年もブースのホスト役は冷却機器開発の第一人者、Jakob Dellinger氏 |
Noctuaのプロフェッサー・Jakob Dellinger氏が手にするのは、新たに開発したNext generation 「120mm A-series fan」だ。Noctuaのコーポレートカラーである、ブラウンのインペラとベージュのフレームは一見、既存品と変わらない。しかしインペラとフレームの隙間を従来の1.5mmマージンから0.5mmマージンへ、極限まで詰めることで、エアフローの損失を最小限に抑えることができるという。
「A-series fan」(上段)と既存「NF-F12」(下段)のパフォーマンス比較。注目すべきは「A-Series fan」は回転数が300rpm高いながら、騒音値は2.1dBA抑えられている点。エアフローが有利だけにCPUの温度も2℃低い | |
static pressure(静圧)とAirflow(風量)の相関図 |
インペラとフレームのマージンを詰める作業は、製造ラインにおける公差レベルをより厳しくする事を意味し、設計図面や理論だけで解決できるものではない。設計はもとより品質管理に課題があるようだが、今後新開発の「A-series fan」は多くのNoctuaブランドのCPUクーラーに採用される予定。空冷の限界を打ち崩す新たなアプローチは、一見地味ながら大きな期待が寄せられている。
インペラ表面に刻まれた溝も新たに設計。気になる「A-series fan」の製品化は2015年末が目標。空冷最強メーカーNoctuaの進化に期待したい |
文: GDM編集部 松枝 清顕
Noctua(RASCOM Computerdistribution): http://www.noctua.at/