2015.06.05 14:00 更新
2015.06.05 取材
Noctua(本社:オーストリア)ブースレポート第1弾では、新開発の「Next generation 120mm A-series fan」を解説した。続く第2弾では、期待の「A-series fan」用に設計されたヒートシンクを採用する、CPUクーラー2種をご紹介しよう。従来モデルに比べ、放熱に重要な表面積を大幅に拡大。空冷最強と呼ばれるNoctuaの挑戦は続く。
オーストリアの通りに居を構えたかのようなNoctuaブース。ヨーロピアンムード漂うこのエリアだけは、なにか特別な空間にも思える |
インペラとブレードの隙間を極限まで詰めることで、エアフローの損失を最小限に抑えることができるNext generation「120mm A-series fan」。今後は140mm口径ファンなども用意される予定で、採用CPUクーラーのラインナップ拡充が見込まれている。
そんな中、Noctuaブースには新設計冷却ファンに合わせた”新開発”のCPUクーラーも用意されていた。
Next generation「U-Type coolers」は、既存モデル「NH-U12S」「NH-U14S」の改良版という位置付け。隣接するメモリスロットにCPUクーラー本体が干渉しない設計が引き継がれ、「A-series fan」搭載の120mmファンモデルと、140mmファンモデルの2種類がラインナップする。
サンプルとして持ち込まれた「120mm U-Type cooler」(左)と「140mm U-Type cooler」(右) |
Next generation「120mm U-Type cooler」は、従来モデルに比べ、ヒートシンクの放熱面積が50%向上。またNext generation「140mm U-Type cooler」は、従来モデルに比べ、ヒートシンクの放熱面積が30%向上。いずれもヒートパイプは6本で構成される。
放熱面積の向上により、冷却能力はさらにUPされた、改良版「NH-U12S」「NH-U14S」 |
肝心の冷却能力について、LGA1150(140W)プロセッサでのパフォーマンス比較も開示されている。その結果、従来品「NH-U12S」が45.5℃近辺に対し、「120mm A-series fan」搭載モデルが43℃以下に。また「NH-U14S」が約45℃に対し、新設計ファン搭載モデルは42℃台を示し、約3℃程度のパフォーマンス向上を実現している。
LGA1150(140W)における冷却能力テスト結果。放熱面積を増やした新設計ヒートシンクと「A-series fan」の組み合わせにより、冷却能力は確実に向上している |
なお、同じく「120mm A-series fan」を搭載したロープロファイルCPUクーラー「L-type 120mm low profile cooler」もプロトタイプとして展示。全高65mmに抑えた省スペースPC用で、「NF-A9x14 PWM」とのデュアルファン構成で高いパフォーマンスが期待される。
「L-type 120mm low profile cooler」も現状プロトタイプレベル。製品リリーススパンが比較的長いNoctuaとあって、製品版が店頭に並ぶまで気長に待つことにしよう |
文: GDM編集部 松枝 清顕
Noctua(RASCOM Computerdistribution): http://www.noctua.at/