2015.08.05 21:01 更新
2015.08.05 取材
ASRock Incorporation(本社:台湾)国内正規代理店のマスタードシード株式会社(本社:東京都品川区)は2015年7月某日、秋葉原にてSkylakeに対応する新マザーボード「ASRock 100シリーズ」のメディア向け発表会を開催した。耐久性・信頼性にさらに磨きをかけたという新マザーボードの数々をご紹介していこう。
Z170 Expressモデルだけで全10種類以上(国内発売未定モデルも含む)と豊富なラインナップが揃う「ASRock 100シリーズ」。今回は特に「Extreme」シリーズに力を入れており、耐久性・信頼性にこだわったという |
間近に迫った“Skylake”の解禁に先駆け、ASRockの新世代マザーボード「ASRock 100シリーズ」がメディア向けに披露された。製品カテゴリは従来通り、ゲーミング向け「Gaming」シリーズ、オーバークロック向け「Overclock」シリーズ、スタンダード向け「Extreme&Pro」シリーズの3種がラインナップ。
製品カテゴリは従来通り3種類。ユーザーの認知度も高いことから、あえて変更する必要はないと判断したのだろう |
その中でも今回は特に「Extreme」シリーズに注力。独自基板設計や高品質コンポーネントの採用により、耐久性・信頼性を向上。標準的な運用の他、エンスージアストやデザイナー・クリエイターのようなハードワークにも耐えられる製品ラインナップを揃えている。
スライドによる解説セッションを担当したのは、エルミタ でもおなじみの台湾本社マーケティング本部長Chris Lee氏 |
ASRock独自品質基準「Super Alloy」に準拠したコンポーネントを採用し、耐久性・信頼性を向上 |
「ASRock 100シリーズ」では耐久性や信頼性を向上させるため、独自品質基準「Super Alloy」に準拠したコンポーネントを採用。PCの安定性を司る上で最も重要なCPU電源回路には、飽和電流を3倍に向上させた「Premium Power Choke」や、MOSFETを積層することでOn抵抗をこれまでの1/5に削減した「Dual Stack MOSFET」、さらには業界最長の製品寿命を誇るニチコン製カスタムコンデンサ「12K Platinum Caps」を搭載する。
統合電圧レギュレータが廃止された“Skylake”。安定性・信頼性の向上にはマザーボード側の電源回路が重要になることから、コンポーネントだけでなく設計も見直されている |
また新たに設計された「Combo Caps」デザインを採用するのも大きな特徴。電源回路に820μFと100μFの容量の異なるコンデンサを実装し、処理を行うことで、CPU Vcoreのレスポンスタイムは約53%向上、ノイズは約33%と大幅に低減されているという。
「ASRock 100」シリーズではCPUへの電源供給のレスポンスタイムを改善するため「Combo Caps」デザインを採用 |
その他、電源回路やMOSFETの冷却にはXXLサイズを謳う大型のアルミニウム合金製ヒートシンクを搭載。PCBには防水性に優れる「High Density Glass Fabric PCB」が採用され、I/O部には電磁ノイズや静電気からコネクタを保護する「I/O Armor」が実装される。
「ASRock 100シリーズ」ではミドルレンジ以上のモデルには電磁ノイズや静電気からコネクタを保護する「I/O Armor」を搭載する |
オーディオ回路には第3世代となる「Purity Sound 3」を搭載。先行配布による海外レビューアーによる評判も非常に良好とのこと |
オーディオ回路には第3世代となる「Purity Sound 3」を搭載。これまでと同じRealtek「ALC1150」コーディックをベースにしたシステムながら、入力信号の低ノイズ化など、回路設計を見直すことで高音質化を実現。さらにオーディオ向けコンデンサや防磁シールドなどを実装することで、ディスクリートのオーディオカードに匹敵するサウンドを楽しむことができる。
RightMark Audio Analyzerによるスコアも「Very Good」から最高ランクの「Excellent」へと向上している |
「ASRock 100シリーズ」では、オーバークロック機能も強化され、「Hyper BCLK Engine」と呼ばれる外部クロックジェネレータを標準装備。これにより、内蔵ジェネレータをはるかに超える高クロック設定と0.0625MHz刻みという詳細な調整が可能となる。
オーバークロッカーには特に注目の「Hyper BCLK Engine」。内蔵ジェネレータでは350MHzまでしか設定できないBCLKを650MHzまで拡張できる |
またPCI-Express3.0(x1)スロットのエッジをなくし、汎用性を高めた「Flexible PCIe」スロットや、Windows 7のxHCIドライバインストール問題を解消するパッチツール「WIN 7 USB PATCHER」など、ユーザーフレンドリーな機能が充実しているのも大きなポイントと言えるだろう。
「ASRock 100シリーズ」ではPCI-Express3.0(x1)がエッジフリー仕様に。これにより(x1)形状以外の拡張カードも搭載できるようになる | xHCI(USB2.0)のサポートがなくなるSkylakeでは、Windows 7のインストール手順がやや煩雑になる。これを解消するため、ASRockではパッチツール「WIN 7 USB PATCHER」を用意している |
続いて、発表会に展示されていた新モデルをシリーズごとにまとめてチェックしていこう。
「Extreme&Pro」シリーズは、ATXフォームファクタの最上位モデル「Z170 Extreme7+」を筆頭に、計7モデルが展示。すべてのモデルにIntel製ギガビットLANが実装され、一部の上位機種にはSATA ExpressをUSB3.1に変換する5インチベイアクセサリ「Front USB 3.1 BOX」が付属する「+」モデルも用意される。
Extremeシリーズ最上位モデル「Z170 Extreme7+」。製品にはSATA ExpressをUSB3.1に変換する5インチベイアクセサリ「Front USB 3.1 BOX」が付属する。発売は8月5日で、市場想定売価は税抜38,980円 | |
M.2 Ultraを3基搭載する「Z170 Extreme7+」。「U.2 Kit」を使えば3台のPCI-Express3.0(x4)SSDによるRAID構築にも対応する | |
ATXフォームファクタに対応するハイエンドモデル「Z170 Extreme6」(発売日8月5日 / 市場想定売価税抜25,980円)。なおこのモデルには「Front USB 3.1 BOX」が付属する「Z170 Extreme6+」(発売日8月5日 / 市場想定売価税抜30,980円)も用意される | |
ATXフォームファクタに対応するミドルレンジモデル「Z170 Extreme4」(発売日8月5日 / 市場想定売価税抜20,980円) | ATXフォームファクタに対応するスタンダードモデル「Z170 Pro4」(発売日8月5日 / 市場想定売価税抜16,980円) |
ATXフォームファクタに対応するエントリーモデル「Z170 Pro4S」(発売日 / 市場想定売価未定) | MicroATXフォームファクタに対応するエントリーモデル「Z170M Pro4S」(発売日8月5日 / 市場想定売価税抜15,980円) |
Mini-ITXフォームファクタに対応する「Z170M-ITXac」(発売日未定 / 市場想定売価税抜19,980円) |
「Gaming」シリーズは、ATXフォームファクタの最上位モデル「Z170 Gamimng K6」の他、ミドルレンジモデル「Z170 Gaming K4」、Mini-ITXモデル「Z170 Gaming-ITX/ac」の3モデルが国内投入予定。いずれもネットワークチップには低レイテンシな「Killer E2400」が実装され、専用ユーティリティ「F-Stream」、マウスのポーリングレートを調整できる「Fatal1ty Mouse Port」などの機能を搭載する。また国内発売の予定はないものの、DDR3メモリが使用できる「Z170 Gaming K4/D3」も参考展示されていた。
「Overclock」シリーズに属するのは「Z170 OC Formula」の1モデル。「ASRock 100シリーズ」では最高となる18フェーズの電源回路を搭載し、極冷オーバークロックのような超高電圧環境に対応。さらに放熱性に優れる4層の2オンス銅レイヤーを備えた8層基板や、電力損失の少ない高密度電源コネクタ、15μ厚の金メッキを施したCPUソケットなどを採用する。
極冷を視野に入れたオーバークロック専用モデル「Z170 OC Formula」(発売日 / 市場想定売価未定) |
発表会では、「COMPUTEX TAIPEI 2015」で発表されたNUCベアボーンキット「Beebox」や、ゲーミングルーター「G10」も展示されていた。最後にこれらを画像で簡単に紹介しておこう。
8月上旬より発売が開始されるASRock版NUC「Beebox」。ベアボーンキットの他、メモリやストレージ、OSを組み込んだ完成モデルも用意される | |
家電リモコンやMiracastアダプタ、モバイルルーター機能などを統合したゲーミングルーター「G10」。なおCOMPUTEXで展示されていたレッドカラーは限定モデルとして発売される可能性があるとのこと |
文: GDM編集部 池西 樹
ASRock Incorporation: http://www.asrock.com/