2015.08.21 00:01 更新
2015.08.21 取材
Elitegrpup Computer Systems(ECS 本社:台湾)国内正規代理店の株式会社リンクスインターナショナル(本社:東京都千代田区)は2015年8月某日、秋葉原にて超小型PC「LIVA」シリーズのメディア向け新製品発表会を開催した。Windows 10プリインストールモデルやCore M搭載モデルなど2015年下半期登場予定の新作を紹介していこう。
新製品の発表に先立ち挨拶をしたのは、株式会社リンクスインターナショナル代表取締役の川島 義之氏。昨年8月の国内正規代理店契約締結から約1年。コンシューマ向けマザーボードで培ったECSのノウハウを凝縮した「LIVA」シリーズは、その高い完成度と優れたコストパフォーマンスから、予想を上回る好調なセールスを記録。さらにスティックPCをはじめとした競合製品も多数登場しているが、今年後半にかけて投入される魅力的な製品は「これらに十分対抗できるだろう」と自信のほどを語った。
株式会社リンクスインターナショナル代表取締役川島 義之氏 | 日本エリートグループ株式会社代表取締役岡山 偉信氏 |
続いて日本エリートグループ株式会社代表取締役の岡山 偉信氏が登壇。リテール市場に強いリンクスインターナショナルの協力もあり、「LIVA」シリーズは国内市場で最も成功したECS製品となったと状況を概説。また今回発表する製品の他にも、いくつかの新モデルの開発を進められているということで、今後の展開にも期待できそうだ。
総出荷数25,000台を達成するなど世界的にも好調な「LIVA」。生産コストも順調に下がり、これまで2度の価格改定が実施されている | Windows 8.1 with Bing搭載モデルも2016年7月28日までであれば無償でWindows 10 Homeへのアップグレードが可能 |
Windows 10 Home 64bit版がプリインストールされる「LIVA X 2」。プロセッサにはCeleron N3050が採用され、グラフィックス性能が向上している |
今回の一番の目玉はWindows 10 Home 64bit版をプリインストールする「LIVA X 2」(リバスクウェア)だ。プロセッサにはIntelの最新SoC、BraswellことCeleron N3050(2コア / 定格1.60GHz / バースト時2.16GHz / L2キャッシュ2MB / TDP6W / SDP 4W)を搭載。グラフィックス性能が大幅に向上し、従来モデルではできなかった4K(3,840×2,160ドット)高解像度出力に対応。さらにHEVC(H265)のハードウェア再生支援機能が新たに追加され、高解像度動画をコマ落ちなく再生できる。
初代モデル「LIVA」や先代モデル「LIVA X」からはやや大型化。その分拡張性も向上しており、より幅広い用途に使用できる |
またストレージ用スロットとしてM.2(SATA)を搭載するのも大きな特徴。最大1TBの大容量化が可能になる他、Windows 8.1 / 7やLinux OSなど異なるOSのインストールに対応。加えて無線LANも最新規格IEEE 802.11acをサポートするなど、従来モデルの欠点だった拡張性が改善されている。
基板上にはM.2スロットを2基搭載。内1つには無線LAN+Bluetoothコンボカードが、もう1つにはSATAインターフェイスのM.2 SSDを増設できる |
製品ラインナップは、メモリ2GB・eMMC 32GBの「LIVAX2-2/32-W10」(市場想定売価税抜25,800円)、メモリ2GB・eMMC 64GBの「LIVAX2-2/64-W10」(市場想定売価税抜29,800円)、メモリ4GB・eMMC 64GBの「LIVAX2-4/64-W10」の計3モデル展開。
「LIVA X 2」にはメモリとeMMC容量の違いにより計3モデルがラインナップ。いずれもOSにはWindows 10 Home 64bit版がプリインストールされる | 解説セッションを担当したのは株式会社リンクスインターナショナル阪口 貴紀氏 |
基本スペックは共通で、インターフェイスはUSB3.0×3(内1ポートはEZ Charger対応)、HDMI×1、D-Sub×1、3.5mmコンボジャック×1、内蔵マイクロフォン×2、ギガビット有線LAN×1。外形寸法は、W156×D83×H51mm、重量約560g。国内発売は9月6日より開始される。なお「LIVA X 2」については、詳細レビューをお届けする予定なので楽しみにしていて欲しい。
Core M-5Y10cを搭載する「LIVA Core」。こちらはOS、ストレージ非搭載のベアボーンとして発売される |
「LIVA Core」は、Broadwell世代の省電力SoC Core M-5Y10c(2コア / 4スレッド / ベースクロック800MHz / ブーストクロック2.00GHz / キャッシュ4MB / TDP 4.5W)を搭載するハイパフォーマンスモデル。グラフィックスコアはIntel HD Graphics 5300が内蔵され、こちらも4K高解像度出力に対応する。
「LIVA X 2」よりも一回りコンパクトな筐体を採用。天板にはアクリルウィンドウが実装され、内部を確認することができる |
OS非搭載のベアボーンキットとして提供され、メモリはDDR3L 4GB、ストレージはM.2 2280 / 2242(SATA3.0 / PCI Express)×1に対応し、インターフェイスはHDMI×2、USB3.0×4(内1ポートはEZ Charger対応)、microSDカードリーダ×1、3.5mmコンボジャック×1を搭載。ネットワークはギガビット有線LAN、IEEE 802.11ac無線LAN、Bluetooth 4.0に対応する。
PassMarkによるベンチマーク結果。Core M-5Y10cを搭載する「LIVA Core」は、Core i3-540やCore 2 Duo E8500を超える性能を超低消費電力で実現している |
外形寸法は、W136×D84×H38mm、重量約420g。OSはWindows 10 / 8.1 / 7、Linux OSに対応する。なお国内発売は9月下旬予定で市場想定売価は税抜49,800円前後。
TDP 4.5Wの省電力SoCを採用するためファンレス駆動が可能。ストレージもSSDのみの対応となるため、完全なゼロスピンドルPCを構築できる |
発表会では非接触型充電機能を備えたコンパクトPC「mPC」やシステム向けのカスタマイズ「LIVA」なども展示されていた。最後にそれらをまとめて紹介しておこう。
Intel NUCを彷彿とさせるコンパクトPC「mPC」。非接触型充電機能を搭載し、本体上部にスマートフォンを置くだけで充電が可能となる。発売は2015年末予定で、カラーバリエーションモデルも予定されている | |
8月4日付プレスリリースにて紹介した「LIVA BORNE」も展示。デザインを追求するあまり強度不足(画像右)になるなど、完成までにはかなりの苦労があったという | |
ECSおよびリンクスインターナショナルでは、組み込み向けに「LIVA」マザーボード単体での供給も実施中。1,000枚単位での受注でBIOSや出力端子などのカスタマイズにも対応する | |
「LIVA」の組み込み向けシステムへの導入例として紹介されたSIX製「Lyric Speaker」。本体全面に透過型の液晶ディスプレイが実装され、音楽に合わせて歌詞が表示される |
文: GDM編集部 池西 樹
株式会社リンクスインターナショナル: http://www.links.co.jp/
Elitegroup Computer Systems(ECS): http://www.ecs.com.tw/