2015.10.24 00:00 更新
2015.10.24 取材
今週都内において、国内スマートフォン市場への本格参入を発表した日本エイサー株式会社(本社:東京都新宿区)。その第1弾モデルとなる「Liquid Z530」は、ハイレゾ対応スマートフォンとして最安を謳う注目機種だ。さらに当日の記者発表では、「IFA2015」を騒がせた最強ゲーミングスマートフォンや、Windows 10 Mobile搭載のサンプル機も登場。これから日本のスマホ市場を騒がせるかもしれない、強力なニューカマーを今の内にチェックしておこう。
海外では積極的にスマートフォン事業を展開しているエイサーが、新たに日本市場へ本格参戦。今週に開催された記者発表には、Acer本社でスマートプロダクト ビジネスグループプレジデントを務めるS.T.Liew氏も駆け付けた |
日本ではノートPCやディスプレイなどで名を知られているエイサーだが、グローバルでは主にヨーロッパや中南米、東南アジア市場に向けたスマートフォン事業の展開も行っている。「PCとシームレスに繋がるためのキーデバイス」と位置づける重要な要素として、同社が世界的に注力しているカテゴリだ。
日本向けには、今年に入ってブックオフとタッグを組んだ格安スマートフォンをリリース。これをいわば露払いとして、今週に発表された新型のSIMフリースマートフォンを武器に国内市場へと本格参戦を果たす。詳細は不明ながら「これに続く端末もすぐに発売される」とのことで、ラインナップも徐々に拡充されていくようだ。その中には、海外のIT見本市で話題をさらった注目端末も含まれるという。
発表会にて国内市場におけるスマートフォン事業の展開を語った、日本エイサー株式会社 代表取締役社長のボブ・セン氏 | 市場本格参戦の旗手となる、新型スマホの解説を行った日本エイサーのプロダクトマネージャー宇佐美 慶基氏 |
セッションでは、「IFA2015」でグローバル発表されたゲーミングブランド「Predator」シリーズのモバイル端末も登場。なんと日本向けにも投入を考えているらしい |
その注目端末とは、9月の「IFA2015」で発表されたばかりの「Predator」シリーズ。グローバル市場におけるスマートデバイスの展開を語るS.T.Liew氏がポケットから取り出し、日本市場に向けた発売を予告した。
6インチスマホの「Predator 6」は、なんと10コア+4GBメモリ、クアッドスピーカー搭載のモンスター機。国内発売の可能性はどの程度あるのだろうか? |
中でもトピックとなるのが、ゲーミングスマートフォンを謳う6インチモデルの「Predator 6」。10コアを実現したMediaTek製SoC「Helio X20」や4GBメモリを実装、端末の四隅にクアッドスピーカーを搭載している。同時に披露された8インチタブレット「Predator 8」とともに、ゲーマーを強烈に意識したハイスペックモデルだ。後ほど質問を受けた日本エイサー社長のボブ・セン氏は「Predatorはどのモデルを投入するか、まだ正式には決まっていない」とややトーンダウンしたものの、ここはぜひ両方の国内向け発売を期待したいところ。
ゲーマーを意識したスタイリッシュなボディ。同じデザインを採用する8インチ「Predator 8」もまた、フルHD液晶やAtom x7、クアッドスピーカーを搭載するタブレットだ | |
ポケットに隠し玉をいろいろ入れていた、スマートデバイス責任者のS.T.Liew氏。タッチアンドトライ会場の一角に現れて、突然Windows 10 Mobileスマホのデモを始めてしまった |
そしてさらに会場で披露された参考端末が、いまだ開発中というWindows 10 Mobileスマートフォン「Liquid jade Primo」。「Predator」と同様に「IFA2015」で発表された端末で、こちらも日本市場での発売を予定している。現在テストプログラムが進められているWindows 10 Mobileの完成を待ち、ハイエンドとローエンドの2タイプが投入されるという。すでに複数の国内メーカーがWindows 10 Mobileスマートフォンの開発をリリースしているが、そこへエイサーも名乗りを挙げた格好だ。
国内市場向けの切り込み隊長となる、新型スマホ「Liquid Z530」。コストパフォーマンスに優れたミドルレンジ機種で、ハイレゾ対応スマホとしては最安という特徴がある |
今回の発表会の主役である、新型スマートフォンの「Liquid Z530」。今週から量販店などにおいて予約を受け付け、11月13日より販売が開始される。MVNOの格安SIMが使用できるSIMフリー仕様のLTE対応端末で、想定売価は税抜24,800円だ。
カラーは日本限定色となるホワイトに加え、ブラックをラインナップ。「手のひらの反響を利用する」という、背面の特異な位置にDTS Studio Soundスピーカーを搭載している |
HD解像度の5インチディスプレイにクアッドコアCPU、2GBメモリなどを搭載するミドルレンジスペック。両面に800万画素のカメラを実装するなど自撮りも意識したカメラを備え、便利な音声コントロールにも対応する。また、スピーカーに高音質なDTS Studio Soundが搭載されているほか、ハイレゾ再生にも対応。「ハイレゾ対応スマホとしては最安」(担当者)とのことで、ハイレゾ音源を最も身近に感じられるスマートフォンと言えそうだ。
OSはAndroid 5.0で、好みに合わせて複数のUIが選択できる「クイックモード」に対応。ネットワーク内のPCとペアリングして画面の転送やデータ共有、キーボード入力ができる独自機能「AcerEXTEND」も搭載している。
PCとのコネクティビティを強調するだけあり、PCとの便利な同期機能「AcerEXTEND」を搭載。無線LANで画面を転送、データ共有も簡単に行える | |
子供向けのペアレンタルコントロール機能を備えた「Basic Mode」やシニア向けの「Easy Mode」など、複数のUIを搭載。好みで切り替えることができる |
文: GDM編集部 絵踏 一
日本エイサー株式会社: http://www.acer.co.jp/