2015.12.21 00:01 更新
2015.12.21 取材
自作派たちの周りで発掘された、懐かしのPCパーツを紹介する「懐かしのPCパーツ図鑑」。8回目に登場するのは、パソコンハウス東映からベテランスタッフの上林さん。老舗パーツショップだけに、バックヤードの隅に置かれた段ボール箱には、懐かしいPCパーツがいろいろ詰め込まれているらしい。さぁ今回は一体何が飛び出すか。早速紹介してもらおう。
以前、「Celeron 300A」(PPGA版)の未開封リテールパッケージ版が発掘された、当店のバックヤード。その後、掃除もかねてゴソゴソとやっていたところ、今度はこんなモノが出てきました。AMDの代表作と言ってもいいでしょう。「Athlon 1GHz」です。
Socket A対応版の「Athlon 1GHz」。CPUコア上のマーキングは「A1000AMT3B」 |
発売は2000年7月なので、今から15年以上も前のこと。AMDの1GHzモデルといえば、2000年4月に登場したSlot A版の「Athlon 1GHz」が記念碑的な存在として知られています。ただ、売れたのは当時主流だったSocket A対応版。コアは同じThunderbirdですが、断然こちらが人気でしたね。
また、CPUクーラーを付けたり外したりするうちに「ピキッ」と音がして「やっちまったな」となるワケです。そう、Thunderbirdのコア欠けに、コアが焼失する「焼き鳥」といえばAMDユーザーの「登竜門」と言えるほど頻発しました。
コアが剥き出しのSocket A版Athlonでは、CPUクーラー取り付け時にコア欠けするユーザーが続出。コア欠け防止銅版なるものが出回った |
今でも覚えていますが、初の1GHz到達CPUという事でSlot A版「Athlon 1GHz」の初値は約20万円。その後に登場したSocket Aの「Athlon 1GHz」も約10万円という非常に高価なCPUでした。並行輸入のバルク版ばかりで、ショーケースに陳列して売っていましたっけ。まさにAMDがイケイケの時代で、常にIntelの1歩先を進んでいる印象でした。
雷鳥ことThunderbirdコアの「Athlon 1GHz」。初の1GHz CPUとして購入した人も多いだろう |
10万円とはいえよく売れました。また強烈に印象に残っているのは、メーカーによる凄まじい価格改定。1カ月後に上位モデルの「Athlon 1.1GHz」が発売されるや否や、5万円台まで急落。毎週入荷するたびに、冷や冷やしていたものです。ちなみに対応はVIAのApollo KT133やAMD760といったチップセットを搭載したマザーボード。こちらもCPUとセットでよく売れましたが、さすがに実物は見つかりませんでした。
なお余談ですが、当時のAMDとIntelによる価格競争はかなり激しかった。年に数回行われる価格改定には戦々恐々としたものですが、値下がりしたモデルが飛ぶように売れました。
Socket Aは462ピンのPGAパッケージタイプ。中でもVIAは有力なチップセットメーカーだった |
文: GDM編集部 Tawashi
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AMD: http://www.amd.com/ja-jp