2016.01.15 12:38 更新
2016.01.15 取材
エムエスアイコンピュータージャパン株式会社(本社:東京都台東区)は2016年1月14日、都内にてIntel製チップセットを搭載したマザーボードの説明会をメディア向けに実施した。いずれも「CES 2016」(米・ラスベガス)で公開された最新モデルだ。間もなく発売される製品を含め、ひと足先にチェックしておこう。
国内で初披露されたのは、MSIのゲーマー向けマザーボード新シリーズとなる「Carbon Edition」。Intel X99 Expressチップセット採用のハイエンドモデル「X99A GODLIKE GAMING CARBON」と、Intel Z170 Expressチップセット採用のミドルレンジモデル「Z170A GAMING PRO CARBON」は、ヒートシンクや拡張スロットカバーにカーボン素材が採用されている。
まずは2モデル展開で立ちあがる新シリーズ「Carbon Edition」。Broadwell-EとSkylakeに対応したモデルがラインナップされる |
MSI製マザーボードといえば、黒と赤のカラーパターンがトレードマークの「GAMING SERIES」や、黒と白のモノトーンカラーを採用する「Krait Edition」が展開中。そこへ「他のカラーリングが欲しい」というユーザーからの意見を取り入れて誕生したのが、今回の「Carbon Edition」というワケだ。
「MYSTIC LIGHT RGB LED」によるイルミネーション機能も強化。より多彩で派手な発光エフェクトが選択できるようになった |
カーボン素材を採用したのは「マッシブで近未来的なイメージの見た目がカッコいいから」(MSI担当者)という理由から。ちなみに使用されているカーボンは薄いシート状で、レーシングカー等で採用されるカーボン素材と異なり、軽量・堅牢化の効果はないという。
カーボン素材採用に機能面の恩恵はないが、なにより見た目がカッコいい |
「X99A GODLIKE GAMING CARBON」は、昨年の「COMPUTEX TAIPEI 2015」で話題になった、フルカラーの「MYSTIC LIGHT RGB LED」によるイルミネーション機能を搭載した「X99A GODLIKE」の後継モデル。
興味深いのは2016年半ばにIntelよりリリースされる予定の「“Broadwell-E”へ最適化するべく鋭意開発中」という点だ。既存のIntel X99 Expressチップセット採用モデルでも“Broadwell-E”をサポートするとのことだが、基板レベルで最適化されているのは「X99A GODLIKE GAMING CARBON」が初となる。
「X99A GODLIKE GAMING CARBON」。発売は2月下旬~3月頃を予定。価格は現在の「X99A GODLIKE」より価格はやや高くなると想定 |
GODLIKEといえば、ド派手なイルミネーション機能もウリ。専用の設定アプリケーション「Mystic Light APP」を利用したイルミネーション機能も、設定できるLEDカラーや発光パターンが増加しさらに強化されている。
「X99A GODLIKE GAMING CARBON」機能のまとめ。「DDR4 Steel Armor」の実装は見た目にも分かり易い変更点 |
また、「市場から非常に好評価を得た」という、重量級グラフィックスカードに対応した金属補強のPCI-Expressスロット「MSI Steel Armor」を新たにメモリスロットにも追加し、「DDR4 Steel Armor」として実装させた。オーバークロック用メモリが搭載する大型ヒートスプレッダは重量がある事から、「スロットを保護する役目」と、高クロック動作に大敵のノイズを「EMIシールドにより防ぐ効果」が期待できるという。
新機能「DDR4 Steel Armor」。オーバークロック仕様のDDR4メモリ8枚挿しともなれば、それなりに重量負担も増えるため、実用面でも有効なギミックとなるはずだ |
その他、CPUソケットにはオーバークロック用にピン数を増やした「Turbo Socket」(LGA2036)を標準装備。Killer製デュアルギガビットLANとKiller 1535 WiFiで構成される「DoubleShot-X3」や、スタジオグレードDAC「Hi-Fi ESS 9018K2M」を搭載する高音質オーディオ回路「Audio Boost 3 Pro」などを備える点は従来通り。
バックパネルインターフェイスの様子 | 金属補強のPCI-Expressスロット「MSI Steel Armor」。カバーはカーボン仕様だ |
なお、「X99A GODLIKE GAMING CARBON」で使える補助冷却ファン標準装備の「4-way SLIブリッジコネクタ」の投入も発表された。実際の冷却効果もテスト済みとのことで、4枚挿し環境のエンスーなユーザーにとっては注目のアイテムになるだろう。
現時点価格は未定ながら単体での販売が予定されている補助冷却ファン標準装備の「4-way SLIブリッジコネクタ」。10℃以上の温度低下も確認でき、グラフィックスカードに対しての冷却効果が期待できそうだ |
エルミタレビューでも掲載済みの人気モデル「Z170A GAMING PRO」がベースの「Z170A GAMING PRO CARBON」。チップセットおよび電源回路用ヒートシンクがカーボン仕様になる点が特徴的だが、その他の機能面においてもユーザーからの要望をフィードバックして変更が加えられている。
「Z170A GAMING PRO CARBON」 |
目立ったところではPCIスロットがPCI-Express3.0(x1)に、垂直に配置されていたSATAポートが横向きに、USB3.1 Gen2ポートの1つがType-Cに変更されているところなど。従来からのデジアナ分離基板や音響コンデンサを擁する高音質回路「Audio Boost 3」や「MSI Steel Armor」、メモリ回路を独立させた「DDR4 Boost」などは継承されている。
PCI-Express3.0(x16)スロットは「MSI Steel Armor」仕様 | 向きが改善されたSATAポート周り |
もうひとつ、マザーボード右端に搭載したRGB LEDバー「Mystic Light」にも改良が施された。デザインが基板配線パターンに変更され、発光エフェクトも6→16パターンに増加。専用ツールから好きな組み合わせに手軽に変更できる。
なお、スペック詳細については1月5日付けリリースに詳しいので参照してほしい。発売は1月23日で、価格は税抜21,800円前後の予定。
RGB LEDバー「Mystic Light」は配線パターンにデザイン変更 | USB3.1 Gen2×2(Type-A / Type-C)を搭載。ギガビットLANはIntel i219Vを採用する |
「Z170A Krait Gaming 3X」。型番末尾の“3X”は30周年の意味とか |
最後に「Krait Edition」の新モデル「Z170A Krait Gaming 3X」を紹介しておこう。MSI創業30周年記念モデル第1弾として用意されたマザーボードで、基本スペックは「Z170A GAMING PRO CARBON」と同一。カーボンや派手な発光ギミックは不要という人に向く。発売は2月末を予定。
グラフィックスカードの支持棒「Graphics Card Jack」が発売予定。他社製品でグラフィックスカードの付属品として存在するものの、単体販売はおそらくこれが初めて |
文: GDM編集部 Tawashi
エムエスアイコンピュータージャパン株式会社: http://jp.msi.com/