2016.04.09 21:45 更新
2016.04.09 取材
SilverStone Technology Co.,LTD.(本社:台湾)および国内正規代理店株式会社ディラック(本社:東京都千代田区)は2016年4月9日(土)、アキバナビスペース1F(東京都千代田区外神田3-1-8)にて毎年恒例、春の新製品発表会「SilverStone EXPO 2016 Spring」を開催した。同日国内発売が開始された「SST-PM01」シリーズの開発秘話や、国内未発表の製品が展示されたイベントの模様を早速お伝えしていこう。
毎年、春恒例のSilverStone新製品発表イベント「SilverStone EXPO 2016 Spring」が、アキバナビスペース1Fの特設会場にて開催された。いち早く新製品の情報に触れることができる貴重な機会ということで、例年通り会場には多くの自作派が来場。立ち見も出る盛況ぶりだった。
開場直後にはイスがほぼ埋まり、トークセッション時には立ち見の人も多く見られた |
また全3部構成で行われたトークセッションには、SilverStoneのマーケティング・マネージャーTony Ou氏が登場。今後のロードマップや新製品の開発秘話など約2時間にわたり語ってくれた。
トークセッションを担当するのはおなじみTony Ou氏。休憩をはさみつつ約2時間にわたり詳細な解説を行った |
「PRIMERA」シリーズ第1弾モデル「SST-PM01」。初回出荷分はややホワイトモデルのほうが多かったという |
イベントに合わせて国内発売が開始されたのは、新ゲーミングシリーズ「PRIMERA」第1弾モデル「SST-PM01」だ。SilverStoneのゲーミングケースと言えば「倒立レイアウト」や「静圧設計」など、内部設計にこだわった「RAVEN」シリーズが有名だが、「PRIMERA」シリーズではコンセプトを刷新。Tony氏によれば、デザインにこだわりより魅せる要素を訴求したケースとして展開していく予定とのこと。
ボトム部には「SILVER STONE」のロゴがデザインされたカバーを搭載。また側面部にはLEDバーが標準装備されている |
その言葉通り「SST-PM01」では“スーパーカー”をモチーフにしたスタイリッシュなデザインを採用。フロントパネルはオールメッシュ仕様でLED内蔵の140mmファン×3を標準装備。加えて、側面やトップにもLEDを内蔵、発光パターンをOFF / 輝度50% / 輝度100% / ブレス発光の4種から選択できるギミックも備え、別途オプションを購入することなくケースをドレスアップできる。
ドライブ類はボトムまたはマザーボードトレイ裏側に搭載。また美しく配線ができるようファン電源用のハブも標準で付属させたという |
また電源ユニットやストレージベイが配置されたボトム部分には専用カバーを搭載。さらにマザーボード背面部には、2.5インチベイや最大10基のファンを接続できる電源ハブが実装され、アクリルウィンドウから覗くケーブルを最小限に抑え、ケース内部を美しく見せることができる。
左右2本ずつ、計4本のネジで固定されたトップカバーを取り外したところ。冷却ファンは120mm×3または140mm×2が増設可能 | |
トップ後方にも2ヶ所LEDライティングギミックを搭載 | トップI/O横にあるボタンで、ファンを含むすべてのLEDの発光パターンを変更できる |
カラーバリエーションはブラック+レッドLEDの「SST-PM01BR-W」と、ホワイト+ブルーLEDの「SST-PM01WA-W」の2モデル展開。なお詳細スペックについては、こちらのリリースに詳しいので合わせて参照いただきたい。
エントリー向けながら高い拡張性と冷却性能を備える「RL05」。今回のイベントではVR体験機として、実際にハイエンド構成のPCが構築されていた |
5月初旬発売予定のミドルタワーPCケース「RL05」もなかなかユニークな製品だ。エントリー向け「Redline Series」に属する製品ながら、フロントI/OとしてUSB Type-Cコネクタを標準装備。さらに「SST-PM01」と同じボトムカバーや、着脱式の5.25インチベイ、マザーボードトレイ裏面の2.5インチドライブベイなど、イマドキ仕様に仕上げられている。
フロントI/Oは、USB3.0 Type-C×1、USB3.0×2、オーディオ端子×2。なお担当者によればType-Cコネクタを搭載したケースは“おそらく”市場初とのこと | 冷却ファンは計6台まで増設可能。またフロントメッシュとボトムカバーによる熱源分離構造により、従来モデルより冷却性能も向上している |
冷却ファンはフロント120 / 140mm×2(140mm LEDファン×2標準)、フロント下部80mm×1、リア120 / 140mm×1、トップ120 / 140mm×2で、フロント部はオールメッシュ仕様。ドライブベイレイアウトは5.25インチオープンベイ×1、2.5 / 3.5インチシャドウベイ×2、2.5インチシャドウベイ×2、拡張スロットは7段で、グラフィックスカードは375mm、電源ユニットは220mm、CPUクーラーは165mmまで対応する。外形寸法は、W210×D440×H465mm。なお売価は税抜10,000円前後になる見込み。
電源ユニットや2.5 / 3.5インチベイを搭載するボトムエリアは「SST-PM01」と同じく専用カバーで分離。さらにフロント部には80mmファンを増設できるため、ストレージの冷却性能も向上できる |
会場には、4月9日より発売が開始された鏡面フロントパネルのスリムケース「SST-ML09B」や、RAVEN「SST-RVZ01B」のバリエーションモデル「SST-RVZ01-E」など、Mini-ITXケースの新作も展示されていた。これらをまとめて画像で紹介しておこう。
「SST-PM01」と同じく、本イベントに合わせて発売が開始された「SST-ML09B」。詳細についてはこちらのリリースに詳しいので合わせて参照いただきたい | |
120mmファンや3.5インチドライブなど、用途に合わせて搭載コンポーネントを選択できる4-in-1マルチブラケットが付属する | |
スロットインタイプの光学ドライブベイを排除した代わりにATX電源ユニットに対応する「SST-RVZ01-E」。発売は5月予定で、価格は税抜15,000円前後 | |
搭載できる電源は、奥行150mm(モジュラータイプは140mm推奨)までに制限されるが、SFXより安価かつ大容量な電源ユニットを選択できるようになる | |
フロント部に2.5インチホットスワップベイを搭載するストレージサーバー向けMini-ITXケース「CS280」。価格は未定ながら、順調なら6月中に発売が開始される予定だ |
SilverStoneが得意とするコンパクト電源ユニットでは、奥行130mmの「SFX-L」フォームファクタに対応する「SST-SX700-LPT」が注目だ。80PLUS PLATINUM認証を取得した高効率電源ユニットで、マルチグラフィックスにも対応する700Wの大出力を実現しているのが特徴だ。
さらにケーブルはフラットケーブルによるフルモジュラー式のため、コンパクトケースでもエアフローを阻害することなく使用できる。発売は5月予定で、価格は税抜26,000円前後。なお500Wと600Wの下位モデルも6月中に発売が開始される。
「SST-SX700-LPT」では、奥行を100mmから130mmにすることで120mm冷却ファンを搭載。一般的なSFX電源に比べて、冷却性能・静音性とも向上している |
また一般的なSFXサイズながら、フルモジュラーケーブルを採用するGOLD認証電源ユニット「SST-SX650-G」(650W)と「SST-SX500-G」(500W)も準備中。国内発売は未定だが、よりコンパクトな製品が欲しい人には注目の製品となるだろう。
SFXフォームファクタのフルモジュラーGOLD認証電源も準備中。こちらもモジュラーケーブルはすべてフラットタイプを採用する | |
4月9日より発売が開始されたSFX電源「SST-SX550」。出力550WのGOLD認証モデルで、ケーブルは直付け | ATX規格のTITANIUM / PLATINUM認証電源も準備中。2016年の第2四半期より順次出荷が開始される |
文: GDM編集部 池西 樹
SilverStone Technology: http://www.silverstonetek.com/
株式会社ディラック: http://www.dirac.co.jp/