2016.04.23 12:21 更新
2016.04.23 取材
PCエンジンを現行の液晶ディスプレイに接続、フルデジタル720pの高画質で楽しめるDVI変換ユニット「うーぱーぐらふぃくす」が登場。いまだ発売時期や価格は未定ながら、三月兎1号店にて店頭デモがスタートしている。その驚きの画質は一見の価値アリだ。
かつてファミコンに次ぐ人気ハードだったPCエンジンを驚きの高画質で表示できる、DVI変換ユニット「うーぱーぐらふぃくす」が登場。三月兎にて先行デモが始まっている |
PCエンジンといえば、1987年にNECから発売されファミコンに次ぐ人気を博した家庭用ゲーム機。映像出力はRF接続(アンテナ入力)とコンポジット接続の2通りに対応しているが、現行の液晶テレビに接続した際の画質の劣化がマニア泣かせだった。今回登場した「うーぱーぐらふぃくす」は、その映像をDVI-Dから720pの高画質でデジタル出力できる変換ユニットだ。
narukoさんが手がける同人ハードウェアで、PCエンジン背面の拡張バスからアナログ変換前のデジタル映像信号(color RAM address と dotclock)が出力されている点に着目、無改造で高画質のデジタル出力を実現している。そもそもゲーム機で映像の中間処理信号が外部端子に出力されている点は珍しく、「これまで有効活用された外付け機器は存在しない」という機能。発売から30年近く経過した今になって、ようやく日の目を見ることになった。
拡張バスから出力されていた、アナログ変換前のデジタル信号を利用。DVI-Dによる720p出力を実現している | |
PCエンジン背面の拡張バスに接続して使用する。マニア間では本体を改造することでアナログRGB出力を可能にする例も知られているが、本製品は無改造で現行の機材に接続できる点が大きな魅力だ |
さらにこのユニットは、映像のDVI出力だけでなく、拡張バスで接続していたセーブ用外部メモリ(バックアップブースターなど)の互換機能も搭載。SRAMと電池を併用していた従来の方式とは異なりFeRAMが採用されており、電池不要でデータを恒久的に保存できる。また、側面のUSB端子でPCと接続することで、RAMのデータを読み書きすることも可能だ。
ただし本体の拡張バスを占有することから、同じく拡張バスを利用する外部機器の「CD-ROM2」は使用不可。ICカード型カートリッジ「HuCARD」を採用したゲームタイトルでのみ使用できる。また、「PCエンジンDuo」など拡張バス非搭載のバリエーションには対応しない。
ユニット本体には、セーブ用外部メモリとの互換機能も搭載。DVI端子のほか音声出力も装備、DVIをHDMIに変換した際は音声もケーブル1本で出力できる |
文: GDM編集部 絵踏 一
三月兎1号店: https://www.gdm.or.jp/shop/usagi-1/
naruko の開発メモ: http://d.hatena.ne.jp/na6ko/20160223/p2