2016.04.25 00:01 更新
2016.04.25 取材
自作派たちの周りで発掘された、懐かしのPCパーツを紹介する「懐かしのPCパーツ図鑑」。今回ご紹介するのは、ツクモパソコン本店スタッフ植村さん所有のSDHC-Serial ATA変換アダプタ、PhotoFast「R-9000」だ。SSDが自作できるキットとして注目を集めたアイテムだが、どうやら実際には使わなかったとか。理由を聞いてみよう。
発売は2008年。自分はまだ学生で、まさか秋葉原で働くことになるとは思ってもいませんでした。購入したのはツクモパソコン本店の特価品だったと記憶しています。とにかく「赤いケースがカッコいい!」と思ったのがキッカケでした。
パッケージデザインは今見てもクール。2008年8月発売当時の価格は約10,000円だった |
もちろんSSDなんて、当時の自分には高嶺の花。64GBクラスで10万オーバーだった時代です。そんな時に話題となったのが、PhotoFast「R-9000」でした。むしろ今となっては「PhotoFast」という響きのほうが懐かしい気もしますが、それはさておき。SSDが自作できるキットとして注目のアイテムで、自分も興味を持った次第です。
当然、キワモノというか人柱待ちのアイテムだろうという気はしていましたが、Webでは意外と動作報告も掲載されていたので、思い切って購入しました。
いかにも速そうな印象の深紅の筐体。2.5インチ9.5mm厚のSSDと同サイズ |
製品を簡単に説明しておきましょう。2.5インチサイズの筺体内部にある赤い基板上に、最大6枚のSDHCカードを装着できるスロットを備えています。PCとはSATA1.5(3Gbps)接続で、いわばSDHCカードを使ってSSD化するというもの。搭載したSDHCはRAID 0で認識され、1ドライブとして利用する仕組みです。なお、メーカー公称値では読み書きともに130MB/sec(SLC利用時)とされていました。
こちらは内部の様子 | |
基板表面に、SDHCスロット×3とコントローラチップ。裏面にもSDHCスロット×3が用意されている |
使用できるSDHCカードの容量は4GB~32GB。とはいえ、32GBは非常に高価。ましてや6枚など、とても手が出ませんでした。せいぜい4GBの6枚構成かなと思って、結局そのまま使わないまま現在に至ります。というのも、ご存知の通りSSDの価格がどんどん下がっていったんです。あまりにもコストが見合わなくなり、引き出しの奥に眠ったままだったというワケです。
SDHCカードは番号順に搭載しないと認識しない仕組み |
ところが、最近やたらSDHCが安いじゃないですか。32GBの安いもので1,000円前後。約1,000円として6枚(192GB)で6,000円になる計算。ちょっと試そうかなと思って、売り場の価格表を眺めていたら、SanDisk製SSDの240GBモデル「SDSSDA-240G-25C」が6,980円(税抜)で売っていました(笑)。でもね、最近少なくなった自作魂を刺激するいいアイテムだと思っています。
ツクモパソコン本店のレジには未だに型番と価格が登録されていた |
文: GDM編集部 Tawashi
ツクモパソコン本店: https://www.gdm.or.jp/shop/tsukumo/