2016.06.01 01:53 更新
2016.06.01 取材
日本でも電源ユニットが高い評価を得ているCooler Master Technology Inc.(本社:台湾)は、今年も新モデルの「Master Watt」シリーズを持ち込んでいた。特に注目すべきは、2タイプの個性に分かれたプレミアムモデルだ。
今年持ち込まれた電源ユニットの注目株は、プレミアムラインの「MasterWatt Maker」。外観は同じながら、“中身”の方向性がまるで異なる2モデルから構成される |
Cooler Masterブースに展示されていた電源ユニットの新シリーズから、一際気になったプレミアムモデルの「MasterWatt Maker」をご紹介しておこう。
容量1200Wで外観は共通ながら、仕様の異なる2モデルをラインナップ。特に担当者が「最高レベルの品質」と胸を張るのが、“完全日本製”を謳うモデルだ。日本製コンデンサ採用を謳うハイエンドモデルは珍しくないが、ここで言う日本製とは、主要パーツの製造から組み込み、パッケージングに至るまでの全工程を日本国内で完結させるということを意味している。
冷却ファンなど一部構成品に例外はあるものの、主要パーツから組み込み、パッケージングまですべて日本国内産というモデル。どこが製造するのかといった事情は企業秘密だが、際立った信頼性の高さをウリにする高級品といった立ち位置だ |
信頼性に優れる日本製コンポーネントの採用は、品質を重視する要素として海外のユーザーも注目しているポイント。そのニーズをとことんまで追求したモデルとして、いわく“Made in Japan Edition”のような製品名での発売が予定されているらしい。
なお余談ながら、出荷自体は香港ベースとのこと。日本市場での展開も予定されているが、その場合はある意味逆輸入モデルということになるのかもしれない。
そしてこちらは、Bluetoothモジュールを組み込んだスマート電源。スマホとワイヤレスで接続し、システムのデータを手元でチェックできるモデルだ |
そしてもう1つのモデルは、なんとユニット内部にBluetoothモジュールが組み込まれているという、いわゆるスマート電源の新モデルだ。Bluetoothでスマートフォンと接続し、電源の出力から消費電力、冷却ファンの回転数といった、システムの動作状況をモニタリングできる。
すでにこの手のスマート電源はいくつか発売されているが、たいていはケーブルでマザーボードに接続、PCを介してデータを取得している。その点でこのモデルは、Bluetoothでスマートフォンとダイレクトに接続できる点が便利。現在ソフトウェア設計を含め、鋭意開発が進行中だ。
共通の仕様として、高静圧仕様の静音ファン「Silencio FP」を搭載。ケーブルはすべてが着脱可能なフルモジュラータイプで、主要コネクタは電流耐性が通常比1.5倍の高品質ケーブルが採用されている |
なお、2モデルともに発売自体は決定しているものの、その時期や想定売価などは未定。現時点ではBluetooth対応モデルの方が先に市場に出てくる見込みだというが、はたして。続報に期待しよう。
(Nangang Booth No. Exhibition Hall 1 M0820)
文: GDM編集部 絵踏 一
Cooler Master Technology Inc.: http://apac.coolermaster.com/