2016.06.01 16:41 更新
2016.06.01 取材
多彩なカテゴリのアイテムを持ち込むメーカーが多い中で、展示物はキーボードのみという潔さは東プレ株式会社(本社:東京都中央区)。かねてよりコンセプトモデルがマニア間で評判になっていた、静電容量スイッチ初のRGBイルミネーション搭載モデル「REALFORCE RGB」がついに完成、ブースに持ち込まれていた。
ZOTACブースをほど近くに臨むエリアにて、小振りなブースを構えていた東プレ株式会社。以前話題になった“あのキーボード”の完成版が持ち込まれていた |
東プレが今年の主役として持ち込んできたのは、同社自慢の静電容量スイッチで初めて1,680万色のマルチカラーイルミネーションを実現した「REALFORCE RGB」だ。昨年のCOMPUTEXにてコンセプトモデルが初登場、先ごろアキバ店頭で行われた体験会において「RGBキーボード(仮称)」として展示されていたキーボードの製品版にあたる。なんと「開幕直前に完成した」(担当者)という希少な個体で、サンプルはこのCOMPUTEXブースにしか存在しないのだとか。
なんと開幕直前に仕様が最終決定したという、シリーズ初のRGBイルミネーション搭載モデル「REALFORCE RGB」。同社が手がける初の本格的なゲーミングキーボードでもある |
RGBイルミネーションを実現するにあたり、Cherry MX RGBなどと同様に面実装タイプのLEDモジュールを内蔵。ただしキーごとにユニットとして独立しているメカニカルスイッチとは異なり、静電容量基板上に載ったコニックリングとラバードームで構成される静電容量スイッチは、それ自体にLEDを組み込むことができない。そのためLEDは基板上に実装されることになったのだが、「アクチュエータを透過して基板上のLEDをキレイに光らせる、という点に非常に苦労した」という。
いわくLEDの種類や制御用のコントローラ、ICチップの組み合わせを吟味することで、違和感なく光が透過するイルミネーション機能を実現。特に「複数の色を混ぜて光らせる白色の再現」が難しく、発売まではさらにキレイに光らせるための調整が続けられるとのこと。
また、イルミネーション機能だけでなく、「REALFORCE RGB」には東プレならではと言えるユニークなゲーミング機能が搭載されている。それは「アナログキーボード(仮称)」に使用されていた仕組みを利用したもので、キーがどこまで押し込んだ際に認識するかという、アクチュエーションポイントの変更を可能にする唯一無二の機能だ。
アクチュエーションポイントは、1.5mm / 2.2mm(標準) / 3mmに設定された浅・中・深の3パターンから選択可能で、全キーをまとめて変更するだけでなく、キーごとに個別のアクチュエーションポイントを割り振ることもできる。ユーザーによるカスタム設定は専用のソフトウェアで設定し、キーボードのオンボードメモリに保存する仕組み。ソフトウェアではアクチュエーションポイントの個別設定のほか、キーごとのイルミネーション設定をカスタマイズすることもできる。
認識点は3パターンから選択可能。キーボード上のショートカットから全キーまとめて変更できるほか、キーごとに個別設定を施したユーザーのカスタム設定を右上の専用キーから呼び出すこともできる |
そのほか、製品版へのブラッシュアップにともない、筐体デザインも海外向けの「TYPE HEAVEN」シリーズから変更。カスタマイズ用のキーが追加実装されたほか、よりスリムなデザインに生まれ変わった。
そして実際の製品版はまず英語配列モデルが先行して登場予定で、10~11月の発売を見込む。その3~4ヶ月後には日本語配列モデルも発売されるとのこと。価格は「通常のREALFORCEシリーズよりは高価になるが、税込25,000円前後で販売したい」とのこと。こちらも続報に期待しよう。
「TYPE HEAVEN」シリーズベースだった試作機から、目立ってスリム化を実現。ユーザーのリクエストを受けてチルトスタンドにラバーコートを追加するなど、細部の仕様も変更されている |
文: GDM編集部 絵踏 一
東プレ株式会社: http://www.topre.co.jp/