2016.06.02 04:10 更新
2016.06.02 取材
奇抜なアイデアをカタチにする事で、毎年自作派を楽しませてくれるSilverStone Technology(本社:台湾)ブース。今回はやや勝手が違い、いつでも販売できそうな"堅実路線”で勝負をかけた。その急先鋒に立つミドルタワーPCケースの新作、「KL07」をご紹介しよう。
「マザーボード回転レイアウト」「正圧設計」「煙突構造」など、いずれもSilverStone製PCケースを象徴するキーワードたち。その類い希なるアイデアの多くは、エルミタでもお馴染みの重要人物・Tony Ou氏の脳内から生まれ、開発チームが見事に製品化する。SilverStoneのPCケース部門が自作PC業界のメジャーブランドに居続ける理由は、長く続くこのスタイルにある。
そんなSilverStoneだが、今年のブースはいつものそれとは違い、堅実路線。大きな賭には出ず、いずれも直ぐに販売ができるようなモデルばかりが目立った。中でもここでの主役「KL07」は、市場想定売価が15,000円前後と現実的。とはいえ、発売は「第4四半期までに」と控え目で、どうやらもう少し時間が掛かるようだ。
ATXフォームファクタに対応するミドルタワーPCケース、その製品コンセプトは静音だ。プラスチック製フロントパネルは密閉スタイル。通気孔の類いは両サイドにスリットを設け、風の通路(吸気)が確保される。そして両サイドパネルおよび天板部分には、波打つ吸音シートが貼り付けられ、内部駆動音をPCケース外部に漏らさない設計が施されている。
内部に目を移すと、ボトムレイアウトの電源ユニットマウントスペースは、全体がプラスチック製のカバーで覆われている。これは近頃よく見かけるスタイルで、熱源分離よりも、目に美しくないケーブル類を隠す、パーティションの役割を果たしてくれるものだ。
そしてフロントパネル裏面には、定番スペースとして割り当てられていた、ドライブベイを排除。マザーボードトレイ背面を見ると、フロント寄り縦列に2.5インチ専用シャドウベイを3台分、そして下段部分には専用トレイタイプの2.5 / 3.5インチ共用シャドウベイ×3台分が確保されていた。これもまた近頃採用される事が多い手法で、SilverStoneらしからぬ優等生に仕上げられている。
冷却ファンはリア120mm×1基をはじめ、フロントおよびトップ面に140mm×3基がそれぞれマウント可能。もちろんラジエターの搭載を想定した設計だ。
外形寸法はW222×D467×H510mmで、幅に余裕を持たせているのは、裏配線+裏ストレージ(2.5インチ)機構と、吸音シート分のマージンといったところ。なお内部容積は53リットルとされている。
(Nangang Booth No. Exhibition Hall 1 I1009a)
文: GDM編集部 松枝 清顕
SilverStone Technology: http://www.silverstonetek.com/