2016.06.02 13:48 更新
2016.06.02 取材
Antec(本社:アメリカ カリフォルニア州)の大黒柱がPCケースである事は言うまでもない。だがCOMPUTEXに合わせGrand Hyatt Taipeiの一室で行われているプライベート展示会には、新たに空冷CPUクーラーが多数用意されていた。本命のPCケースレポートを前に、復活を狙う冷却機器にフォーカスする。
Antecといえば、数年前にも空冷CPUクーラー市場への本格的参入を試みている。これが必ずしも成功とは言えなかった事は、我々自作派の”記憶の度合い”で推し量る事ができるだろう。その苦い経験を生かし、再度空冷CPUクーラー市場へのチャレンジに向け、着々と準備は進行していた。
ホスト役のFreedom Shaw氏によると、今年秋から冬頃を目処に、市場へ投入する事が最新のロードマップだという。発売が予定されている「Elegent」シリーズは、超ハイエンド系からロープロファイルモデルまで、合計5製品がラインナップ。展示サンプルは外観上、ほぼ製品版に近い仕上がりで、アルマイト加工が施されたヒートシンクは、実に綺麗なCPUクーラーだった。
シリーズ最上位モデルは、最大4基の120mm口径ファンが搭載できるという「Eelegent Triple」だ。ヒートシンクは3つのブロックで構成。アルミニウム製放熱フィンにはφ6mmヒートパイプが8本貫通し、トリプルタワースタイルが成形されている。
現時点公表されているスペックは、外形寸法がL165×W142×H159mmで、2基の冷却ファンを搭載した場合の重量は1,356±5g。冷却ファンは800~1,800rpm(17.5~25.9dBA / 12.36CFM~65.23CFM)のPWM制御に対応。なお製品版での冷却ファン同梱数は、現在検討中とのこと。ただし4基分の固定クリップは付属させるそうだ。さらにバリエーションとして、ブラックアルマイト、レッドアルマイト、ゴールドアルマイト等の展開も想定されているという。
「Elegent B-Twin」は、2つのヒートシンクが向かい合う、いわゆるツインタワー型のサイドフロー型CPUクーラー。特に目新しさはないものの、やはり工作精度の高さと、仕上がりの美しさは評価に値する。
搭載ファンは120mm口径2基で、スペックは「Eelegent Triple」採用モデルと同様。外形寸法はL141×D142×H157mm、重量は1,189±5g。
受熱ベース部に接続されるヒートパイプはφ6mmで合計6本を使用する |
「Elegent Twin」は、ヒートシンクをスリムにした兄弟モデル。ツインタワー型ながら、搭載ファンは120mm口径1基とした。外形寸法はL88×D142×H156mmで、重量は785±5g。
スタンダードモデル「Elegent Twin」は、φ6mmヒートパイプ4本で構成。軽量化も図られている |
「Elegent Single」は、ヒートシンクを薄くする事で、隣接するメモリスロットクリアランスを確保させた。外形寸法はL62×D142×H155mm、重量625±5gで、冷却ファンは120mm口径×1基。
「Elegent Slim」は、ミニPCでの使用に対応する、ロープロファイルモデル。高さは72.5mmに抑えられている。外形寸法はL110.5×D142×H72.5mm、重量483±5g。搭載ファンは120mm口径×1基。
「Elegent Single」は、φ6mmヒートパイプ4本をダイレクトタッチ式としたナロータイプ | |
「Elegent Slim」は高さ72.5mmのロープロファイルモデル。ミニPCに好適 |
文: GDM編集部 松枝 清顕
Antec: http://www.antec.com/